減損損失とは?三菱商事・三井物産の名門商社が初の大幅赤字に。

株式投資
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名門商社である三菱商事と三井物産。初めての連結赤字に転落という衝撃的なニュースでした。

三菱商事は、2016年3月期は1,500億円の赤字(従来予想は3,000億円の黒字)、三井物産は700億円の赤字(従来予想は1,900億円の黒字)と、大幅な赤字を計上することになりました。ニュースでも話題になっていますね。

三菱商事のホームページでは、社長の会見を動画で見ることができましたので、見てみました。

ところで、減損損失とは?

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減損損失とは?

減損損失とは、簡単にいうと固定資産の価値を本来の価値に下げることです。会社が保有する固定資産の収益力が低下している場合に計上するんですね。

例えば、1,000万円で手に入れた資産があるとします。この資産は、1,000万円以上の利益を出すと見込んで投資しているわけですが、実は300万円の利益しか出さない、つまりそれだけの価値しかないことが分かったとします。

この場合、貸借対照表には1,000万円の資産が計上されていますが、300万円の価値しか生まないのに1,000万円と記載していると、投資家の判断を狂わすことにもなりますよね。そこで、この1,000万円の資産を300万円に修正しようというのはが、減損損失です。

この場合は、700万円の減損損失を計上するというわけです。

減損損失

今回は過去に投資した資源権益が想定の利益を出さないと見込み減損処理するようです。

三菱商事・三井物産はウミを全部出した

三菱商事

出典:三菱商事※PDF

減損損失をすることによって大幅な赤字を計上。

でも、これは一過性の損失です。三菱商事の小林社長の会見でもそのような発言がありました。次期以降は、減損の可能性は低くなっていますし、減損したことによる減価償却費の減少で利益が出やすくなると思います。

ところで、勘違いしてはいけないことは、減損損失をしたからといってキャッシュが流出するわけではないということです。会計上の処理のため、現金は出ていかないんですね。

小林社長も「キャッシュアウト(現金流出)はない」と会見で力強く語っていました。三菱商事は4,500億円、三井物産は2,600億円の減損処理をしましたが、配当は維持する方針です。

三菱商事のIR

三井物産のIR

ただ、三井物産については、「基礎営業キャッシュフロー」の25%という配当方針なので、来期は50円程度(2015年度期は1株64円)と減配予想です。

株価1,344円(3/25)で現在の配当利回りは4.76%ですが、来期は株価が同じと仮定して配当利回りは3.72%に下がることが予想されますね。

1兆円以上の現金を保有

三菱商事も三井物産の会計情報を読むと、直近3年間では1兆円前後のキャッシュを創出しています。そして、直近決算書(2016年3月期第3四半期)を読むと、2社とも「現金及び現金同等物」は約1兆4,000億円も保有しています。

三菱商事

両社が単なる利益を出すことではなく、キャッシュを創出することに力を入れてきた証拠です。

これだけキャッシュ創出を続ける総合商社のビジネス力はこれからも洗練され、伸び続けることが期待されます。90年代は特に冬の時代だったようで、10年間で4,000億円の利益だったのが、今では単年度で4,000億円の利益を出すまでになっています。

一度、冬の時代を経験した会社は強いのでしょう。

これを機に更に強く

減損処理を発表した翌日は、株価が大幅に下がったもののすぐに反転しましたね。資源ビジネスが悪いわけではないんですよね。

2016年3月25日の日経新聞の社説に今回のことが書かれていました。社説に一企業のことが書かれるのは珍しいですよね。

これまでも商社は、存亡が問われるような状況に幾度となく直面してきた。そのたびに新しいビジネスモデルを生み出して、危機を乗り越えてきた。

(略)もちろん、資源ビジネスから手を引けばいい、という単純な話ではない。日本の資源確保や新興国の成長に商社が果たす役割は、むしろ増しているからだ。

(略)資源事業のリスクを見極める力を高めビジネスモデルを進化させていく。

今回の減損損失により、三菱商事も三井物産も一段とより太く強い会社になるんだと思います。社説にあるように、危機を乗り越え、その都度新しいビジネスモデルを生み出し、成長してきたんです。

これからもそれを実行していくんだと思います。

投資継続し、さらに買い増ししたい

投資情報を丹念に読み、投資をした商社株。

ピックアップした銘柄にも入れています。今回の減損で株価は少し下がりましたが、気にすることはありません。保有を継続し、買い増しも考えたいと思っています。

これからも資源ビジネスは必要ですし、今回のことでますます強くなる商社に期待していきたいと思います。

株式投資を通して、学ぶことは多いですね。普段、興味のないことも投資している会社がなにかすると興味を持ったりもします。

減損損失ってなに?でした。

では。