日本の長期金利の指標である10年物国債利回りはマイナス圏で推移しており(*プラス圏になりました)、住宅ローン金利の低下という形でわたしたちに恩恵が出ています。
さて、ご質問を受けました。
10年固定、5年固定で、金利がそれぞれ1.08%と0.48%で、2000万円ずつミックスで借りているのですが、フラットに借り換えするうえでの考え方はありますか。
今は住宅ローン金利が低下していますので、3年ほど前に借りた方でも住宅ローンの借り換えにより、借り換えメリットが生まれる場合があります。
全期間固定のフラット35でも、金利がかなり低いので数年前の変動金利並で借りれる場合もありますね。
2019年2月適用金利 | フラット35 | フラット35S |
---|---|---|
返済期間/融資比率 | 9割以下の場合 ()内は9割超の場合 | |
15年以上~20年以下 | 1.05%(団信なし) | 0.80%(団信なし) |
〃 | 1.25%(団信込み) | 1.00%(団信込み) |
(返済比率9割超) | (1.49%)(団信なし) | (1.24%)(団信なし) |
〃 | (1.69%)(団信込み) | (1.44%)(団信込み) |
21年以上~35年以下 | 1.11%(団信なし) | 0.86%(団信なし) |
〃 | 1.31%(団信込み) | 1.06%(団信込み) |
(返済比率9割超) | (1.55%)(団信なし) | (1.30%)(団信なし) |
〃 | (1.75%)(団信込み) | (1.50%)(団信込み) |
さて、期間固定金利からフラット35に借り換えするのはメリットあるの?
期間固定金利とは?
期間固定金利は、その期間は固定金利にしますよ!という金利です。2年、3年、5年、10年など銀行によってかなり細かく用意されていますね。
特徴としては、その固定期間の間は変動金利よりも金利が低い場合があること。これはかなり魅力です。
住信SBIネット銀行であれば、5年固定金利が0.45%(2016年6月金利)と変動金利で借りる場合よりも安い金利で借りることができますね。ただし、5年間だけですが。
固定期間が終了した後は、固定金利を選択しなければ自動的に変動金利になるのが一般的です。
そして、固定期間終了後は、金利優遇幅が縮小します。つまり、金利が上がるということ。固定期間終了時点で借入時よりも金利が上がっていれば、返済額は増えてしまうんですね。
- 固定期間中は金利が低い
- 固定期間終了後は変動金利となる
- 固定期間終了後は金利優遇幅が縮小する
というのが主な特徴ですね。
住信SBIネット銀行のネット専用住宅ローンを見てみると、10年固定であれば当初10年の金利優遇幅は1.7%あるのに、そのあとは0.7%に縮小しています。
同銀行の場合、10年固定金利と変動金利と基準金利が違うようなので、イメージはこんな感じです。11年目以降の金利がものすごく高く感じますね。
10年固定金利など期間固定金利を活用する場合は、とにかくその期間に返済額を大きく減らせる方が良さそうです。
フラット35に借り換えるメリットはある?
フラット35に借り換える場合、手数料が借入金額の0.55%とほかの2.16%よりも断然安い優良住宅ローンを使ったとして、諸費用として37万円くらい(借入金額3,000万円の場合)は必要です。
また、フラット35の場合は団信が任意のため、団信加入する場合は別途費用が必要です。ただ、生命保険料控除が使える民間保険を活用することもできます。
詳しくは、「住宅ローン・フラット35の団信(団体信用生命保険)は加入しなくていいの?」をご参照ください。
利息軽減効果から諸費用を差し引いて、なお、利息軽減効果があれば、フラット35に借り換えるメリットがありますね。
シミュレーション①金利が上がらない場合
ご質問いただいた方の借入銀行が分からなかったので、住信SBIネット銀行と仮定した場合でシミュレーションしてみました。
5年固定金利の場合、固定期間終了後は優遇幅は▲1.8%、10年固定金利は▲0.7%ですので、それで計算。
すると、フラット35に借り換えることによって、利息軽減効果としては、約60万円出ることになりました。
諸費用や団信保険のことを考えれば、微妙ですね。ただ、フラット35の場合は全期間固定金利のため、金利が上昇することはありません。一方、期間固定金利は特約期間が終われば、原則、変動金利であるため、金利上昇リスクがあることは忘れてはならないですね。
シミュレーション②金利が上がったとしたら?
今は英国のEU離脱の件もありますし、金利が上がるような状況ではないでしょう。でも、10年、20年単位では分かりません。
変更金利の指標である政策金利は基本0.25%単位で上がるので、15年後に0.25%、さらに5年後(20年後)に0.25%(合計0.5%)上がったと仮定してシミュレーションしてみました。
この場合、フラット35に借り換えることによって、約120万円の利息軽減効果があります。15年目以降であれば、フラット35のほうが毎月返済額も7,000円安くなります。
金利上昇は、いつ、どのくらい上がるか?は分からないです。ただ、シミュレーション①のように、このさきずっと金利が上がらない・・・というのは、楽観的なように思います。
金利上昇リスクを抑える!
というのであれば、やはり今はフラット35のメリットが高いでしょう。
少し前までは変動金利で0.975%とかざらでしたが、フラット35は1%付近まで下がってきていますしね。
個人ではなく、企業ではこの低金利を活かして長期間の社債を低金利で発行しています。つまり、長い期間借りるものほど金利は低いほうがいいんですね。
こんな低金利ないまだからこそ、フラット35を検討するといいんだと思います。ということで、私だったら5年固定金利が終わったタイミングでフラット35に借り換えします。
理由は、低金利で固定できるから。将来の金利上昇リスクをゼロにできるからです。
金利上昇時にどれだけ耐えれるか、が大事ですしね。フラット35の金利の最新金利です。
2019年2月適用金利 | フラット35 | フラット35S |
---|---|---|
返済期間/融資比率 | 9割以下の場合 ()内は9割超の場合 | |
15年以上~20年以下 | 1.05%(団信なし) | 0.80%(団信なし) |
〃 | 1.25%(団信込み) | 1.00%(団信込み) |
(返済比率9割超) | (1.49%)(団信なし) | (1.24%)(団信なし) |
〃 | (1.69%)(団信込み) | (1.44%)(団信込み) |
21年以上~35年以下 | 1.11%(団信なし) | 0.86%(団信なし) |
〃 | 1.31%(団信込み) | 1.06%(団信込み) |
(返済比率9割超) | (1.55%)(団信なし) | (1.30%)(団信なし) |
〃 | (1.75%)(団信込み) | (1.50%)(団信込み) |
同じ銀行でも借換え可能
ちなみに、借りた当時よりも変動金利が下がっているからそっちに借り換えしたい場合は、他行以外にも同じ借入銀行でも可能です。
同じ借入銀行の場合は、まずは金利下げてという交渉がダメだったら借り換えを選択肢に入れると良さそうです。
・なぜ住宅ローン借り換えでは7割強の人が「固定金利」を選ぶのか
借り換えは手数料は気にしておこう
あなたが、住宅ローンの借り換えを検討しているのであれば、金利の次に手数料を抑えることを考えるといいです。
住宅ローンを借りるときにもかなりの手数料を払ったと思いますが、借り換えをするときにも手数料が必要です。
事務手数料や司法書士報酬など3,000万円借入で35万円から90万円くらいはかかってきますからね。幅があるのは、銀行によって融資事務手数料が全然違うからです。
保証料を採用している銀行でも同じくらいの金額となりますし、大きな金額です。
住宅ローンは、金利と手数料を気にする必要があります。
フラット35であれば、
住信SBIネット銀行は手数料は1.0%(返済口座を住信SBIネット銀行)と標準より安い銀行です。こちらは唯一フラット35に全疾病保障をつけることができます。
ネット銀行なので、事前審査の結果もめっちゃ早いですよ。気軽に事前審査を受けておきましょう。
フラット35は、生涯、金利上昇のリスクにさらされることはありません。
また、フラット35からフラット35への借り換えもできるので、将来、今よりも金利が下がっていれば、借り換えで金利を下げる選択肢もあるわけです。
住宅ローンでは、まず全期間固定から考えてみるのがいいですね。
また、独自に金利引き下げもしているARUHIもフラット35取扱最大手として見ておきたいところです。
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