ふるさと納税をしている人は毎年増えています。
「ふるさと納税」の節税できる金額が2015年から約2倍に上がった以降、急激にふるさと納税をする人は増えそうですね。
私も昨年同様、ふるさと納税をしていきます。
ところで、我が家で言えば、昨年と今年の違う点があります。
それは、住宅ローンが始まったということ。
もしかして、寄付金上限額いっぱいにふるさと納税をしてしまうと損をしちゃうのでは?と思い、調べてみました。
ということで、今回のテーマは「ふるさと納税と住宅ローン」です。
住宅ローン控除を受けていて、ふるさと納税を初めてされる方のご参考になればと思います。
●住宅ローン控除とふるさと納税は併用できるのか?
●併用できるとしても注意すべき点は?
●限度額はどう変わるの?
そんな疑問に答えてみました。
By: Denise Krebs
そもそも住宅ローン控除とふるさと納税って併用できるの?
住宅ローン控除を受けている方も多いかと思いますが、そもそも住宅ローン控除を受けている場合にふるさと納税を受けることができるのか?
結論から言います。
併用できます。
安心ですね。
私も住宅ローン控除を受けているので、併用してみました。
実際、自分でやらないと分からない部分もありますしね。
その前に住宅ローン控除とふるさと納税についてちょいと復習します。
住宅ローン控除とは?
我が家は住宅ローンを組んだわけですけども、そもそも住宅ローン控除って何?
すまい給付金のサイトが分かりやすかったです。
- 住宅ローン開始から10年間は、毎年の住宅ローン残高の1%を所得税から控除(税額控除)
- 所得税で控除しきれない分は住民税からも一部控除(税額控除)
となります。
先ほどのサイトから引用するとこの表のようになります。
適用期日 ~平成26年3月 平成26年4月
~平成31年6月※1最大控除額(10年間合計) 200万円
(20万円×10年)400万円
(40万円×10年)控除率、控除期間 1%、10年間 1%、10年間 住民税からの控除上限額 9.75万円/年 (前年課税所得×5%)
13.65万円/年 (前年課税所得×7%)
主な要件 ①床面積が50m2以上であること
②借入金の償還期間が10年以上であること※1 平成26年4月以降でも経過措置により5%の消費税率が適用される場合や消費税が非課税とされている中古住宅の個人間売買などは平成26年3月までの措置を適用
*長期優良住宅など一定条件を満たした物件は、控除上限額が変わりますけど、今回は割愛します。
消費税5%のときに購入している場合
細かい説明は省きますが、住宅ローン控除を受ける要件を満たしている場合で、その物件が消費税増税前、つまり消費税5%のときに購入している時は、
- 年間最大20万円、10年間で200万円の住宅ローン控除
を受けることができます。
消費税増税後であっても、中古住宅の個人間売買の場合も最大控除額は年間20万円が最大です。
住宅ローン控除の金額って毎年違うので、税務署のサイトで確認が必要です。
我が家は消費税増税前にマンションを購入していますので、これにあたります。
所得税で控除しきれなかった場合、つまり、所得税を20万円以上支払っている場合は住民税からも控除することができます。
この場合は、
- 住民税控除額は年間9万7,500円が上限
ですね。
消費税8%になってから購入している場合
消費税8%になってから物件を買った場合は、
- 年間最大40万円、10年間で400万円の住宅ローン控除
を受けることができます。
当たり前なのですけど、年間40万円以上所得税を支払っていない場合や住宅ローンが4,000万円を超えていない場合は、最大の恩恵を受けることはありません。
たまに年40万円返ってくると思われている方もいるので(同僚ですが)、ご注意を。
- 住民税控除額は年間13万6,500円が上限
となります。
ふるさと納税とは?
ふるさと納税は、寄附金のことです。
自分が住んでいる自治体を含めて、自治体に寄付をすると寄付金額に応じて税額控除を受けることができます。
寄付金(ふるさと納税)に自己負担額2,000円を差し引いた額の税金が安くなります。
おまけに、特産品をもらうことができます。ノーリスク、ミドルリターンってところでしょうか。
ふるさと納税で節税できる上限額は総務省のサイトにあるエクセルシートで計算します。
例えば、年収600万円(共働き、子ども16歳以下1人)の場合は、最大84,000円寄付することができます。
この場合、自己負担額が2,000円ですので、82,000円節税することができます。
- 寄付金84,000円がふるさと納税できる最大の金額です。
大きいですよね。いや、大きすぎますよね!!
10年間で82万円も税金を安くできます。
これは、寄附金控除なので、実際には82万円寄付したうち、ふるさと納税の特産品分がお得ってことです。大体3割~5割くらいはお得。大きい金額ですね!
もう少し詳しく書くと、ふるさと納税は3階建ての構造です。
内容 控除の種類 計算式 ➀ 所得税寄附金控除 所得控除 (寄附金-2千円)を所得控除 →(控除額×所得税率×1.021)が軽減 ➁ 住民税基本控除 税額控除 (寄附金-2千円)×10% ➂ 住民税特例控除 税額控除 (寄附金-2千円)×(90%-所得税率×1.021) ➀+➁+➂により、寄附金のうち、2千円を超える部分は、全額控除となります。 出典:北海道
③の2倍が限度額となります。
自分のふるさと納税できる限度額はこの記事を参考にしてください。
この記事で紹介している総務省提供のエクセルシートでする計算方法は、ふるさと納税だけをする場合の上限額のため、注意が必要です。
繰り返しになりますが、2015年から節税できる金額が約2倍に拡大していますので、サラリーマンの方はふるさと納税は絶対やるべきだと思います。
究極の節税方法です。
住宅ローン控除を受けてふるさと納税をするときの注意点
併用はできるけど、住宅ローン控除とふるさと納税の関係は?
私が気になったのは、住宅ローン控除とふるさと納税の関係です。
当たり前のことですが、自分が支払っている税金以上の控除がある場合、それ以上還付されることはありません。
ふるさと納税の限度額を見極めることが重要ですね。
まず、次の手順で確認が必要です。
- 所得税・住民税を計算
- 所得税 寄付金控除(所得控除) → 住宅ローン控除(税額控除)
- 住民税 住宅ローン控除(税額控除) → 寄付金控除(税額控除)
寄付金控除というのは、ふるさと納税をした場合の控除制度のこと。
実はふるさと納税をしても減税できる効果がなかったという場合にならないように注意が必要です。
住宅ローン控除があっても、ふるさと納税をしてもいい場合
結論から言うと、住民税の所得割(③)が住宅ローン控除によって住民税を差し引かれても、なお住民税所得割が残っている場合は、ふるさと納税をする節税効果があるってことになります。
住宅ローン控除の住民税控除は、限度額があるので残る場合が多いかと思います。
ただ、住宅ローン控除によって、住民税所得割が残っていない場合は、ふるさと納税をしても寄付金控除で差し引く住民税がないので、単なる寄付になっちゃいます。
主に所得税率5%となる所得の場合は、住民税の住宅ローン控除の適用限度が所得税で決まりますので、注意が必要です。
これは、住民税の場合は、寄附金控除(税額控除)よりも先に住宅ローン控除(税額控除)が引かれるためですね。
実際の計算は、このサイトを使うと便利でした。
確定申告をする場合としない場合の違い
住宅ローン控除を受ける場合に確定申告をする場合
住宅ローン控除を受けるなど確定申告が必要な場合は、ふるさと納税ワンストップ特例制度を使えないので、従来通り、所得税還付+住民税控除です。
※ふるさと納税は5つまでの自治体にしている場合は確定申告が不要で、所得税還付を廃止、住民税からのみ控除することができます。
住宅ローン控除を受けるが、確定申告を「しない」場合
住宅ローン控除は受けるけど、確定申告をしない場合です。
はい、そうですね。
住宅ローン控除を受ける1年目は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で済むので確定申告をしないですよね?
この場合は、ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用すれば、寄附金上限額いっぱいのふるさと納税をしても損をしないのではないかな、と考えられが・・・違いました!
所得税控除部分は住民税に転嫁されません。
確定申告する場合だろうが、しない場合だろうが結論は同じということですね。
※ただケースによっては、違う場合があるかもしれません。
住宅ローンとふるさと納税の関係【まとめ】
長々と書きましたが、最後にまとめておきます。
住宅ローン控除を受けている場合は、ふるさと納税は注意すべし!!
住宅ローン控除の内容によっては、普通に計算したふるさと納税の寄付額だと、自己負担額が増える可能性があります。
また、住宅ローン控除によって、住民税が控除適用限度額に達している場合は、ふるさと納税しても恩恵が受けられなくなる可能性も出てきます。
最後に私が情報収集した内容をまとめておきます。
住宅ローン控除によって住民税限度額に達しているか
住宅ローン控除とふるさと納税は、
- 所得税・住民税を計算
- 所得税 寄付金控除(所得控除) → 住宅ローン控除(税額控除)
- 住民税 住宅ローン控除(税額控除) → 寄付金控除(税額控除)
の順番なので、住宅ローン控除をしたあとに控除すべき税金が残っているか?が、確認すべきポイントですね。
【住宅ローン控除後に納税負担がありますか?】
【納税負担がない】住宅ローン控除限度に達している場合は、ふるさと納税をすると自己負担が2,000円を超える。→ふるさと納税をしてもお得ではない
【納税負担がある】住宅ローン控除限度に達していない場合は、ふるさと納税の自己負担が2,000円で収まるってことになります。
住宅ローン控除により、住民税の控除の限度額に達しているか否かの確認が必要ですね。
あと、ふるさと納税をしたからといって、住宅ローン減税に影響はありません。
我が家の場合は、所得税すら差し引けなかったので、住宅ローン控除による住民税に影響がないため、普通にふるさと納税をしました。
住宅ローン控除をした後も住民税の控除限度額に達していない場合は、ふるさと納税をするほうがいいですね。
ただし、限度額に達した!って場合は、ふるさと納税をした場合の自己負担2,000円に加えて、負担が増える可能性があります。
ほとんどないと思いますが、住宅ローン控除により所得税も住民税も差し引かれたという場合は、ふるさと納税しても単なる寄付となります。
所得が低くて借り入れが多いという場合なので、ほとんどないかな、と思われます。
実際に、住宅ローン控除とふるさと納税を併用して、ふるさと納税の減税が確認できました!併用しても問題はないんですが、事前にシミュレーションをしておくのが無難ですね。
参考 ふるさと納税。住民税の減額を確認して節税できているか見ておこう。
ふるさと納税「ワンストップ特例」か否か
繰り返しになりますが、ふるさと納税の税金控除は3つですね。
このうち、住宅ローン控除で所得税をほとんど控除した場合は、ワンストップ特例を使えるのであれば、ふるさと納税を実行してもいいでしょう。
ワンストップ特例が使えない場合は、2,000円の自己負担で済まない場合があります。
ふるさと納税の寄付額の3割~5割の返戻品が多いので、それとの見合いでふるさと納税をするかどうか決めるといいでしょう。
私は住宅ローン控除をして、ふるさと納税も限度額いっぱいしました。
便利な計算ツールが合ったので、こちらの記事でも紹介しています。
関連記事 ふるさと納税は給料以外の収入があった場合にどうなるの?便利な計算ツールを使おう
ふるさと納税おすすめサイト
最後に、ふるさと納税の目的はまず節税ですね。出ていくお金は減らしたい。
ふるさと納税を取り扱うサイトは、かなり多いです。
自分が使いやすいのがいいと思いますが、迷ったら、私がおすすめするのが、家電を取り扱っている”ふるなび”、そして、返礼品の取り扱いが多い”ふるさとチョイス”です。
家電は、年収が高い方には特におすすめですね。
飯山市などふるなび限定で、パソコンなどの還元率の高い返礼品を用意しています。ふるなびを通して、ふるさと納税をしている人も増えていますので、ぜひ登録しておきたいですね。
たったの3分で会員登録できましたよ。
公式 ふるなび
ふるさと納税で最も返礼品が充実しているふるさとチョイスも併せて登録しておきましょう。
コメント
こんにちは。
67600円ふるさと納税しても、(67600-2000)×20%=13120が所得税から控除されるので、ダメだと思いますよ。
こんにちは。
67600円ふるさと納税しても、(67600-2000)×20%=13120円損すると思いますよ。
runaさん
そのとおりですね。記事修正しました。ありがとうございます!
>誰か税務署に聞いてくれませんかねw
誰かではダメです(*^_^*)
各個人の状況が違いますので、税金のシュミレーションはあまり当てにしないほうがいいですね。
きちんと不明点があれば、税務署に尋ねる方がいいと思いますし、
出来たら連絡した上で出向いた方がベストです。
ちなみに、「税務署員」でも詳しいのは自分の専門だけなので
複雑な質問をすると、対応できず後からの連絡になります。
控除が増えるということは、それだけの仕事をして
儲けるのと同じと考えて面倒がらずにしませんか(*^_^*)
ところで、ふるさと納税については私は疑問を感じています。
まず、商品にそれだけの価値があるのかどうか?
わざわざ、普段は買わない高級品を定価以上で
買い込んでいるように思えてなりません。
次に商品というおまけがつくとはいえ、トータル納税額自体は
増えるのでその点でも疑問があります。
そもそも、商品で釣って寄付を増やそうとする、
ふるさと納税という手法が姑息に思えてなりません。
田舎出身の私としては、縁もゆかりもない自治体に
理由なく寄付する行為にちょっと抵抗があります。
いつもながら失礼な質問ではありますが
お答えいただけるとありがたいです。
しらいさん
ふるさと納税は、お金だけでみるとお得です。自己負担額はたったの2,000円です。2,000円以上の品物は必ず買えます。
抵抗がある部分は理解できますが、私は家計を助けるほうが優先です。自分が住んでいる自治体が正しく税金を使われているかというよりは、そっちのほうがいいかな、と。
ちなみに、自分の住んでいる自治体にもふるさと納税は可能です。ふるさと納税はサラリーマンの場合、住宅ローン控除などで控除する税金がない場合を除いて、したほうがいいと思います。私は続けます。
[…] 参考 ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できるの?損してないかチェックが必要! […]
確定申告では税額控除より前に所得控除を計算しますから、寄付金控除後の所得税は少なくなり、その分、所得税の住宅ローン控除が少なくなりますから、少なくなった分は住民税の減額に回ると考えますが、いかがか?
住宅ローン控除が住民税の上限に達してなければ、2000円の自己負担で済むはずです。
住民税への繰り越しの考え方も変。
消費税5%の時に家を買った場合
住宅ローン控除が20万だから、所得税5万円、住民税は35万円のままでしょ。
消費税8%の時に家を買った場合
住宅ローン控除が30万だから、所得税ゼロ、住民税は30万円に減るでしょ。
Particleさん
ご指摘ありがとうございます!少し頭がこんがらがってました。
要は住宅ローン控除限度額を使い切れていればオッケーですね。
住民税の繰越は考え方が変というか間違ってました。修正してます。
スッキリしました。助かりました!
Particleさんの指摘通り、住宅ローン控除上限額30万円(消費税8%、H26)の部分を修正したほうが良いと思います。
ふるさと納税と住宅ローン減税について検索していると、このページが上位にヒットしてきて、勘違いしてしまいました。
蛍 様
勘違いさせてしまい申し訳ありません。修正しました。
もう少し勉強して、追記する予定です。ご迷惑をおかけしました。
これから、追記なさるので、そのあとでもよいとおもいましたが。
住宅ローン控除限度額を使いきれればよい
のは、確かなんですが。
住宅ローンの住民税は、限度額がありますので、住民税はのこるかと。
それで特別控除の上限との比較になりますかね。
Yoshi様
おっしゃるとおりですね。
限度額内で住民税をすべて控除できる場合もあるかとも思います。まれかもしれませんが。
いいたかったことは、住宅ローン控除で住民税はなくなりません。
ゼロになった場合、ふるさと納税しないは、間違いです。
修正を期待しています。
Yoshi様
おっしゃるとおり、住宅ローン控除できる住民税は限度額があるので、所得が低く借り入れが多いというような特殊な場合を除いて、
住民税がなくなることはないですね。
記事は修正しました。
いつもありがとうございます。