我が家は新築マンションを購入したわけなのですが、マンション=地震に強い!って思っていませんか?
実はマンションが地震に強いというのは思い違いかもしれません。マンション購入をするにあたって調べたことがあるのですが、色々と思っていたことと現実は違うのだなーと感じました。
地震の多い日本では、家を持つ際に耐震性って気になりますね。耐震性に関する最低限知っておくべきことをまとめてみました。
耐震等級1の新築マンション
マンションは地震に強い!なんてたって耐震等級1だもんね!なんて思ってたら大間違いです。
「1」と着くから一番いいのかと思いきや、
一番良くないのです!
良くないって表現はダメですけど一番ではないということです。
英検でも漢検でも、私が持っているFP(ファイナンシャルプランナー)でも、マラソンでもみーーんな・・・・ 1番には「1」を使っているのに、
建築物の耐震等級だけは違います。
耐震等級ってなんぞや?を軽く
耐震等級って聞いたことがあると思いますが、
建築基準法って法律がありましてよく略して「建基法」とか言いますけど、その建基法に定められている耐震等級に対する等級がさきほど耐震等級1って言葉が出てきたのです。
建築基準法を見ると第1条には「この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて・・・」となっていまして、耐震等級1はこの建築基準法を最低限守ってます!ってという等級です。
なんかイマイチじゃないですか?最低の基準を最低限守ってます!って言われてもね・・・。
そんなに威張られても・・。
昨年読んだ本(題名忘れた)なんかによると、ヨーロッパなど古い建物が今でも残っている国の建築基準法は「最高の基準を定めて・・・」となっていて、建物建てるんだったら最高を目指せや!ってなってるようです。
新築大好き、スクラップアンドビルドの日本とは真逆ですね。この法律があったから住宅業界は潤ってきたのかもしれませんが。
耐震等級 | 内容 |
---|---|
耐震等級1 | 建築基準法をギリギリ満たす新耐震基準 |
耐震等級2 | 建築基準法の1.25倍の強さを満たす |
耐震等級3 | 建築基準法の1.5倍の強さを満たす |
耐震等級1の建物より、耐震等級3の建物のほうがいいのです。
耐震等級1でも震度6強から震度7程度の地震にあっても建物が倒壊しないレベルなのだそうですので、耐震等級1=悪ではないのでご注意を。
耐震等級1のマンションが多いのはなぜ?
耐震等級1以外のマンションって、探していた時は1棟しか見ませんでした。
ネットでも不動産を見まくっていましたので、数だけでは結構見ましたが、たったの1棟。
そのときは、このマンションすげーなとか思いましたけど、案の定立地はダメダメです。駅から遠いし、不便だし。
耐震等級1を2または3に上げるとなると、建築コストが当然上がってしまう。それらは販売価格に影響して、売れなくなるってことにつながるので耐震等級1のマンションが多いようです。耐震等級を上げると柱ドーン!と太くなって部屋が狭くなるってことにもなるようです。
ちなみに、同時に戸建も見ていましたが戸建は耐震等級1ってのは逆に少数派。少ない。むしろ、耐震等級3ってのが多いです。
住宅性能評価・表示協会の資料(2014年度)によると、
- マンションは耐震等級1が80%超
- 一戸建ては耐震等級3が90%超
となっています。耐震等級がよいと地震保険料が50%引きになるなど、安心以外にいいこともありますね。
耐震等級1のマンションだらけなので、最低限確認したこと
photo credit: Ian Sane via photopin cc
マンション探しをしているなかで、耐震等級1のマンション以外を探すほうが困難だなと思ったので、地盤の強さを見に行きました。
地盤も大事です。
まずは土地の地盤の強さを確認する
一番は、買いたい土地あるいはマンションのボーリング調査を見ることができれば一番です。マンションは言えば見せてくれます。
戸建はどうでしょう、自分持ちかな。ただ、マンションにしても全部見学に行って「見せて!」と言っても変な客だと思われますので、インターネットを活用します。
国土情報地理検索サイト 利用料金:無料
あまりの重さにちょこっとイラッと来ますが、これを活用しました。ただし、このサービスは平成27年7月14日以降はおおもとのデータ先である国交省のデータの関係で終了するかもしれません。
国交省が通知を出していました。 よく地名で地盤の強さがある程度分かるなんていいますが、「水」に関連するところは弱いといわれます。試しに「渋谷」で検索してみました。
ここで過去にやったボーリング調査を調べることができます。今回は適当に検索します。すると次のような画面を見ることができます。
ボーリング調査の結果です。
赤で囲ったところがN値と言われ、この辺詳細はググって頂けると幸いですが(ボーリング柱状図とは?)、N値の数値が浅いと軟弱地盤ということになるようです。
ちなみに上記スクリーンキャプチャでは分かりませんが、地下15mくらいになると強い地盤が出てくることが確認できます。
強い地盤である支持層が深いところにあると、マンションの場合深い杭を打つのです。「杭を打っているから大丈夫です」と説明を受けますが「地盤が弱いんです」と言っているのだな、と思っていました。
【追記】横浜のくい打ちのデータを転用している旭化成建材(販売会社は三井不動産レジデンシャル)のずさんさはビックリしますね。
杭を打っているから大丈夫。そんなことをパンフレットには書いていたようですが、杭を打つというのは支持層が深いので杭を打たざるを得ない状況ってことなんです。
我が家がマンションを購入する際に、私は杭を打たない工法のマンションに拘っていました。探しているときは、そんなんどうでもいいわと家族からは言われていましたが、こうした問題が出てくると、良かったのかなとも思います。
地盤安心マップ 利用料金:無料
上場会社である地盤ネットが提供しているサービスもあります。一時期株を買って保有していました。 大阪の「梅田」という地名は「埋め立てた土地」から来ているようですので地盤が弱いかなぁ‐‐と思って検索してみました。
地盤改良はそれほど必要なさそうなので、意外と強いのかもしれませんね。これだけを見て判断はもちろんできないのですけどね。
全国電子地盤図 利用料金:無料
これも地盤を検索することができます。社団法人地盤工学会の全国電子地盤図です。 東京→大阪と来たので、名古屋で検索してみました。 地下5mの深さの分かる基盤面です。色が濃いので地盤が強い地域だというのが分かります。
地下25mで検索してみます。
先ほどより少なくなりましたね。名古屋付近は地盤が強そうですね。もっと活用できますが、頭がパンパンになるのでこの辺で。
図書館で調べる
地元図書館には土地に関する本が結構あるので、これも読んだりしました。一度見に行くといいかもしれません。土地は歴史の塊です。
昔起こった災害、地盤のことなど昔の人はきちんと記録を残されています。
このサイトも参考
地震情報サイトの「表層地盤の揺れやすさ全国マップ」も自分たちが住んでいるところが揺れやすいのか?確認することができます。
マンションの基礎工事の工法を確認する
地盤を確認するとマンションの基礎工事の工法も確認しておきたいところです。
直接基礎工法と杭基礎工法
先ほど見た地盤を確認するボーリング柱状図などで支持層が地表から近い場合は、直接基礎工法が採用されるようです。 硬い地盤がすぐあることの証拠ですね。この反対の場合は、杭基礎工法が採用されるようです。
出典:allabout
よく杭を打っているほうがいいと勘違いしてしまいますが、逆だということが分かります。ただ、杭基礎が悪いわけではありませんのであしからず。横浜のマンション傾き問題がでたので、悪いイメージがついちゃいましたが。
ハザードマップも確認!
これら以外にも各自治体が出している「防災ハザードマップ」も確認しておくべきですね。
最近は台風も強力で浸水被害もよく出ますので、マンション購入に限らず見ることは有用なことです。 国土交通省ハザードマップポータルサイトも見ておきたいサイトです。 確認しておくと、火災保険の加入の際にも役立ちます。
過剰な火災保険に入ると保険料がもったいないですからね。
立地、立地、立地
マンションを含む不動産を選ぶのってすんごい労力が必要ですね。 何よりも大事にしたいことは・・・立地、だと思います。
いい立地は資産価値が落ちにくいので、後々いいことがあるかもしれません。
「いい立地」とは、自分たちにとって「いい立地」ではなくて(もちろん自分たちにとっていい立地ということは必須なのですが)、
大多数の人にとって「いい立地」であることが「いい立地」の条件
だと考えています。
また、今日書きました地盤のことなどは、「家を建てる」「マンションを買う」場合において、正直二の次三の次、いやむしろそんなことどうでもいいわ!(うちの相方のように)って思う人が大半かなと思います。
ただやっぱり災害はこの先必ず起きると思います。
最善の策はどこまで行ってもありませんけど、ちょっと強い地盤、ちょっと浸水に強い場所、選べるのであれば頭の隅っこに置いておくのもいいと思います。
では。
あわせて読んでみる ⇒ 防災グッズ。まずは「食料・水」と「トイレ」を用意していこう。
コメント
等級について説明します。等級1といえば一番いいような印象がありますが、建築基準法の最低のレベルです。等級2、等級3、等級4といくにつれ性能がアップします。というのはこれから等級5がつくられるよう等級1を最低レベルにしています。たとえば断熱等級はそのよい例です。
toshiさま
なるほどです。すごく勉強になりました。等級1を最低レベルにしているんですね。
海外とおなじように最高の基準で建物を建設するような法律になってほしいです。