最近、不動産取得税の申請をしてきました。同封されていた不動産取得税のあらましを読んでいると、税金控除にはひとつのポイントがありますね。マイホームを買うと、住宅ローン控除の確定申告や、固定資産税の支払いなど、なにかと税金がからんできます。
税制度でも、特例措置があるんですが、そのなかでも大事なのが「床面積50平方メートル」という基準です。
要は、いろんな税制上のメリットを受けることができるかどうかの境目なんですね。これからマンションを購入される場合には、ひとつここは注意して確認しておくべき事項です。
50㎡未満のマンションは買わないほうがいい3つの理由
住宅ローンが受けられない
住宅ローン控除は、毎年年末の住宅ローン残高の1%が10年間にわたって所得税が控除されるありがたい制度です。
例えば、年末に住宅ローン残高が2,000万円あり、20万円以上所得税を支払っていれば、所得税が20万円返ってくるんです。消費税増税延期でおそらく住宅ローン控除も延期されるはずです。
所得税還付で減税を使い切れない場合は、住民税からも控除できます。
出典 すまい給付金
この住宅ローン控除を受ける条件として、「床面積50平方メートル以上」と言う条件があります。50㎡未満であれば、この制度が使えないんです。
最大10年間で400万円の減税ですから、これが使えないことになるのはかなりのデメリットですよね。
不動産取得税の軽減措置が受けられない
マンションの場合は、「床面積50㎡以上240㎡以下」という軽減のための条件があります。
50㎡未満だとこの特例を受けることができないんです。不動産取得税は、やっとこさ新居での生活が始まって落ち着いてきたってときに都道府県の不動産所得税の部署から通知が来ます。
数万円程度の納付になりますが、軽減措置を受けることができなければ、かなりの大きな金額の税金となります。
参考例で計算すると、1,500万円のマンションの場合、税率3%で45万円にもなります。
これが、軽減税率を受けると、(1,500万円-1,200万円)×税率3%の9万円と36万円も税金が安くなるんです。
住宅取得資金の贈与税の特例
マイホーム購入の際に、贈与を受けた場合は一定の条件であれば通常110万円の非課税枠とは別に非課税枠を使えることになります。
年によって異なりますが、1,000万円の資金を受けても非課税となる場合があるので、大きな制度ですね。余談ですが、消費税延期で税制の改正があると思います。
この適用条件にも「床面積50㎡以上240㎡以下」という条件があります。
また、出てきましたね。「床面積50㎡以上」。それだけ重要な数字なんです。
参考 【贈与税の確定申告】マイホーム購入で資金贈与を受けた場合の書き方と注意点
登録免許税が安くなる
所有権移転登記や抵当権設定登記をするときに支払う税金が「登録免許税」という税金です。これにも軽減される条件が設けられていて、その一つが「床面積50㎡以上」です。
例えば、抵当権であれば借入金の0.4%かかる税金が0.1%に減額されることになります。2,000万円借りれば8万円が2万円と6万円も安くなるんですよ。
参考 登録免許税の税額表/国税庁
優遇を受けるために登記簿の面積を見よう
マンションの床面積の表記には、登記簿謄本に載っている面積とチラシやSUMOなど不動産会社のサイトの面積とは微妙に異なっています。
いわゆる壁芯面積と内法(うちのり)面積の違いです。壁芯面積のほうが登記簿上の面積(内法面積)よりも大きく表示されているんですね。我が家の場合は、3㎡程度大きく表示されていました。
今まで見てきた税制の優遇は、登記簿上の面積で判断します。なので、物件資料などで50㎡を少し上回る物件は、グレーゾーンということです。50㎡未満である可能性もあるので、
必ず、「登記簿上の面積はどのくらいですか?」
と質問をして、書面で確認しておきましょう。
最後にデメリットをまとめておきます。
- 住宅ローン控除が受けられない
- 不動産取得税の軽減措置が受けられない
- マイホームの贈与特例が受けられない
- 登録免許税の軽減が受けられない
このデメリットを受けてしまうと、数百万円の損にもなりかねません。たとえ、気に入った物件であっても、「床面積50㎡以上かどうかを登記簿謄本で確認する」ことは忘れなければ、税制の恩恵を受けることができますからね。
マイホームを買うときは、いろんなことを知っておく必要があります。予算を組む際にも、こうした税制優遇のことを知っておくといいと思います。
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