コロナ禍で影響を受けたのは、飲食や観光、交通などが大きいですね。
優良企業であるタイムズを運営するパーク24(4666)がかなり苦境に入っていますね。
企業の安全性を見る代表的な指標である自己資本比率は一桁となる4%台(21年10月期3Q決算)にまで下がっています。
私は保有しておりませんが、投資先としてはどうなのかを見ておきたいと思います。
パーク24が危機??
コロナ禍による長引く自粛生活によって、パーク24の財務が瀕死状態となっていますね。
久しぶりに決算を見てみると、21年10月期3Q時点で自己資本比率は4.9%と赤信号状態です。
投資をする際にはこの指標は重要ですが、指標だけで見ると投資先からは真っ先に外すレベルです。
コロナ前の自己資本比率は30%ほどありましたので、1/6に減ってしまっています。
21年10月に出した下方修正では大幅赤字を計上する見込みとしており、赤字額は前期末の純資産を41.7%毀損する規模となっています。
D/Eレシオを見てみると、1倍以下が健全とみられるなか20年10月期時点で4.8倍と大きく悪化しています(21年10月3Qでは2.44まで下がっています)。
配当金は無配に転落
パーク24は上場来減配知らずでした。
配当性向は高止まりしていましたが、株主還元の優等生だった同社はコロナ禍で無配に転落、株主優待も休止しています。
これだけの赤字を出しているので、配当なんて出してられないという危機的状況と言えるでしょう。
パーク24の業績がコロナ禍で大打撃に
コロナ前の19年10月期までは順調に業績も伸ばしていましたが、急転直下ですね。
同社のビジネスは大きく3つあります。
- 国内のコインパーキング
- カーシェアやレンタカー
- 海外のコインパーキング
です。
コインパーキングは、地主から土地を借りて、コインパーキングを運営する事業ですね。
月極もしていますが、21年10月3Q時点で、運営している73万台のうち6.5万台が月極なので、メインはコインパーキングであることが分かります。
コインパーキングは、どれだけ回転良く車が停まってくれるか?が大事なので、外出してもらえないととにかく稼働率が落ちてしまい、収益を圧迫してしまいます。
固定費は簡単に削減できませんので、稼働率が悪くなる分赤字になりやすいという点では、航空やホテル、新幹線などと似ていますね。
カーシェアやレンタカーも同じで、稼働率が重要です。
ちなみに、駐車場事業を手掛けるアズーム(3496)という会社がありますが、こちらはコロナ禍でも営業利益2倍になるなど業績は絶好調。
コインパーキングではなく、月極駐車場をしていますので、ストックビジネスとして安定しています。
海外は英国や豪州などで展開していますが、ロックダウンの影響もあって壊滅的です。
稼働率に加えて、台数が増えるほどに収益機会も増えるビジネスですが、21年の10月3Qで73.7万台ですが、2年前の19年の72.9万台からほとんど増えていません。
コロナ前と比較すると、駐車場の売上が戻っていないことが分かりますね。
パイ(台数)も増やせず、稼働率も低下して苦しいというのが見て取れますね。
営業キャッシュフローはプラス
もっともきついのが、利益は落ちる、キャッシュは入ってこないという状況です。
家計で例えると、給料は減るし、そもそも給料が遅滞、入ってこない状況ですので、絶望的となりますが、パーク24はキャッシュインが安定している会社ですね。
コインパーキングは利用すればほぼお金は払われますし、カーシェアやレンタカーも利用すればクレカ払いが多いでしょうから資金繰りにしんどいという状況は想定しづらいんです。
セグメント別に見る
メインは国内パーキングで、続いてカーシェアやレンタカーのモビリティ、そして、海外駐車場ですね。
国内駐車場事業が振るわないと同社にとっては厳しいわけです。
セグメント別利益を見ると、国内駐車場の利益もがた落ちであり、モビリティ、海外は赤字転落。
特に海外事業は大幅赤字と目も当てられない状況です。
利益率で見てみると、総じて下がっていますが、コロナ前に利益率10%もあったモビリティ事業が赤字転落、もともと赤字だった海外は大幅赤字です。
パーク24の事業はシンプルですが、稼働率が改善するか?ですね。
- 国内コインパーキングの稼働率UPで利益規模・利益率が改善するか?
- モビリティ事業の稼働率が改善するか?
- 足手まといの海外事業をどうするか?
幸いなことに、コロナ感染はほぼ落ち着いて経済活動は正常化に向かっていること、新政権発足で自民党も選挙圧勝したことで、GOTOなどの経済対策も期待できることなどを考えると、稼働率は上がっていくことが想定されますね。
ちなみに、足手まといの海外事業は長期の成長ドライバーと同社は位置づけているので、撤退することはなさそうです。
株価は厳しい状況
株価は16年7月の高値からはほぼ半値水準となっており、厳しい状況ですね。
業績は徐々に回復するでしょうけど、財務を回復するほどの急改善がないと不安が大きい投資先と言えるでしょう。
パーク24のまとめ
国内最大のコインパーキング事業者であり、カーシェア事業者であるパーク24ですが、
- コロナ禍で稼働率大幅低下で業績悪化
- 自己資本比率は4%台と危機的状況
です。
とはいえ、同社は、自己資本比率はめちゃくちゃ悪くなったのですが、
- 営業キャッシュフローは潤沢で現金を稼ぐ力がある
- キャッシュ(現預金)はコロナ前の19年10月期までは200億円~250億円
- 21年10月期3Q時点でキャッシュは約888億円保有
資金繰りの不安はそれほどないと言えますね。
自己資本比率を引き上げるために、増資も検討しているでしょうし、稼働率向上の兆しが見えている中業績は戻るでしょうけど、投資先としては迷う感じです。
私は10年近く同社のカーシェアを利用し続けているので、応援したい気持ちしかありませんが、投資をする際には慎重な判断が必要ですね。
私はほかに魅力的な投資先があるので、あえて同社に投資をしようとは現在思っていません。
分析するにあたり、LINE証券の銘柄スカウターを大いに活用しました。
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将来のお金の不安を小さくしていくためには、資産運用は欠かせません。
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