住宅ローンの金利動向に影響を与える10年物国債金利がマイナス圏で推移しています。
マンションを購入する際には、住宅ローンの利用をする場合がほとんどだと思いますが、借入金利が低く済むことは、借り手にとって有利な時期です。
新築マンションは価格の高騰が続いていますので、避けたいところです。
一方で、住宅ローン金利は史上最低水準で推移しているので、住宅ローンを借りるには良い環境だといえます。
マンションを買う場合、どんなマンションを買うのがいいのか。
「マンションを買うなら60㎡以下にしなさい」という本を見つけたので、早速読んでみました。
これからマンションを探す方に、参考になる情報が詰まった本でした。
60㎡が最強である4つの理由
マンションを買う場合、60㎡というのはちょっと狭いんじゃないかなという感じはするんですが、我が家は70㎡弱の分譲マンションに住んでいると、そこまでの狭さは感じません。
買った本はこちらです。
このなかには、マンション選びの視点が随所に盛り込まれています。
著者が30年以上マンション業界に携わってきた経験があるため、かなり具体的に書かれています。
狭過ぎず広すぎずだからこそ60㎡が最強である4つの理由として挙げられています。
- 売りやすい
- 貸しやすい
- コストパフォーマンスに優れている
- 税制メリットを効率的に受けられる
80㎡を超えてくると広いため、単純に物件価格が上がってしまいます。
そして、売るとき・貸すときのターゲットが子育て世帯になりやすいので、子どもの進学や入学に合わせた1~3月期に需要が集中してしまうものです。
この点、狭すぎず広すぎない60㎡マンションは、需要も多く供給も少ないため、売りやすい・貸しやすい面積であるというわけです。
社人研が出している将来推計世帯の推移を見てみると、子どもを持つ世帯は減少傾向。
単身世帯が増加し、夫婦のみの世帯は横ばいで推移します。
国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」(国勢調査における世帯の類型)によれば、2015年時点で、「家族と一緒に住む世帯(いわゆるファミリー世帯)」は約1429万世帯ですが、「1人暮らし世帯」は約1842万世帯、「夫婦のみ世帯」は約1072万世帯です。
既に「1人暮らし世帯」と「夫婦のみ世帯」の合計数が「ファミリー世帯」数の2倍以上になっており、「1人暮らし世帯」のみでも「ファミリー世帯」数を超えています。
さらに2025年の予測では、「ファミリー世帯」は約1369万世帯と減る一方で、「1人暮らし世帯」は約1996万世帯と急増し、「夫婦のみ世帯」も約1120万世帯と増える見通しです。
60 ㎡ はさまざまな側面から見て最も無駄がありません。 70〜 80 ㎡ に比べ、価格が手頃なのに加え、途中で売ることや貸すことになった場合でも、〝守備範囲が広い〟ことから「売りやすく、貸しやすい」 のです。
いざとなったときに「売る」「貸す」の選択肢が取れるように、立地の良い、資産性が高く、需要の多い物件を買うことが求められますね。
利便性の良い立地の物件を選べ
「利便性のよい立地」が資産価値によい影響をもたらすことは容易に想像がつくでしょう。
しかし頭ではわかっていても、予算が決まっている中で物件探しをすると、最新設備や豪華なエントランスなどに惹かれてしまいがちです。
しかし今は、人口減少・少子高齢化が加速し、 自治体も街をコンパクトにしようとしています。物件選びで「利便性のよい立地」という条件は不可欠です。
「利便性がよい」とは、主に都心までの交通が便利であることを指します。ポイントは4つあります。
駅から距離7分以内(できれば5分以内。10分は超えてはいけない)というのを推奨されています。
バス便、駅から徒歩15分以上とかなってくると、需要が極端にしぼんでいきます。
10分を超えると、検索されなくなるので、そもそも存在を知られないリスクがあるのです。
新築マンションで購入しようと思っているときは、そうした不便さも乗り越えられそうな気がするものですが、実際に中古になれば、大きなデメリットになっていきます。
マイホーム購入で最も後悔したのは「駅からの距離」という調査もあるように、駅からの距離はとても重要です。
そして、その駅が各駅停車駅ではなく、特急・急行などが停まる駅であり、乗降客数が多く、駅周辺に商業施設が充実していることも大切ですね。
特にスーパーやコンビニなどが複数あることが望ましいです(1店舗だと撤退した場合に、急にまちの魅力が衰えます)。
自治体は、人口減少社会を踏まえて「立地適正化計画」を打ち出し『居住誘導区域』を設定しています(自治体によります)。
要は、駅を中心とした場所に住んでもらおうとしています。
郊外にはこれまで通り、行政サービスを届けていくのは難しくなるといい始めていますからね。
上記は、大阪府箕面市の事例ですが、居住誘導地域以外は、商業施設、医療施設、教育施設など生活していくうえで欠かせない施設がなくなり、資産価値が落ちていくこととなってしまうのです。
物件を購入する際には、この立地適正化計画に目を通しておくことが大事です。
2001年以降の物件を選ぼう
- いわゆる「品確法」施行以降の物件である
2001年以降、「住宅性能表示」制度を意識したデベロッパーが増え、「耐震等級」「劣化対策等級」などの耐震、省エネルギー、遮音性などを向上させた物件が増えているようです。
1982年1月1日以降に新築された住宅でないと、不動産取得税の軽減も原則受けられなくなります。
さらに、1981年6月1日以降の建築確認を受けた建物(建築期間を考慮すると1983年完成以降くらい)でないと、「新耐震基準」を満たしていないため、注意が必要です。
「新耐震基準」で建てられたマンションであれば、震度6強や7程度の地震が起きても建物が倒壊することはない
いつ建築された物件か?というのは大切ですね。
2001年以降の物件であれば、新耐震基準も満たしているので、耐震性に優れているといえるのです。
また、2001年以降であればいつでも良いというわけではなく、2009年リーマンショックや2011年東日本大震災の頃は、新築価格も抑えられていました。
今のように、労務単価や資材単価のアップなど物件価格が高くなっていると、資産価値が下がるリスクが高いので、新築は避けた方が無難かもしれません。
マンションは購入すべきか
私は、賃貸派という考えでしたが、持ち家派に変わりました。
その大きな理由が、老後の住まいの考え方です。
借主の高齢入居者からすると、長年、現行の家賃で生活収支をやりくりしており、また、現在のアパートを終の棲家にしようと思っていることも多いです。
突然の「退去通知」に頭の中が真っ白になり、どうしたらいいかわからなくなってしまうことがあります。 仮に引っ越しのお金は負担してもらえるとしても、現在と同じくらいの賃料の物件は少なく、賃料が上がってしまったり、高齢であることを理由に次の転居先が見つからなかったりと、途方に暮れるという状況も考えられます。
もし「一生賃貸」を選択するのであれば、こうした現実もあることを理解したうえで、老後の住居は他人任せではなく、自分で考えておく必要があります。
持ち家も賃貸もどちらも何らかのリスクがあるわけですが、住む場所は必ず必要です。
もし、資産形成が十分にできず、また、住まいに困ってしまうとそもそも生活が成り立たないリスクがあります。
今のように住宅ローンが超低金利のときに、それを活用してマイホームを購入することは将来のリスクヘッジにもなると考えています。
十分な資産形成ができているのであれば、「いつでも引っ越しできる」という最大のメリットが使える賃貸のほうがいいでしょう。
十分な、家賃も気にならないくらいの資産形成ができそうでしょうか。
そうでなければ、持ち家でコツコツとローン返済(純資産の増加)を選択することも大切な視点です。
持ち家のリスクは、「引っ越ししにくい」ことが大きいので、『売りやすい』『貸しやすい』物件を選ぶことでそのリスクを小さくしておくことが重要ですね。
我が家は60㎡台のマンションを購入していますが、価格面・立地面でも快適で、思ったより広くて使いやすいです。
買い値より上がっていますし、立地の重要性を改めて感じています。
これからマンション選びを考えている方には、ぜひ一読をおすすめします。
単に交通利便性による立地や物件選びだけでなく、間取りやハザードマップを使った立地選びなど、不動産選びに必要な多岐にわたる情報が想像以上に詰まっていました。
タイトルからは想像できませんでしたが、マンション買う前に読んでおきたかった思える良書です。
また、この超低金利時代では、住宅ローン選びも大切ですね。
生涯金利上昇リスクを排除できるフラット35も選択肢に入れておきましょう。
フラット35であれば、 ARUHI(アルヒ) が取扱ナンバーワンです。
アルヒ・フラット35の詳細はこちらまた、メガバンクであれば取扱金額トップの 三菱UFJ銀行 が変動金利も低く、固定金利も抑えられています。
借入手数料も低いため、一度、相談に行ってみるといいでしょう。
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