高配当株投資に興味を持って、7年前から投資をはじめ、高配当にも多く投資をしてきました。
ただ、色々と経験値を上げていくなかで、高配当株投資は難しいという思いになり、最近は高配当よりも、毎年増配のできる「増配銘柄」、配当の成長力の高い銘柄への投資を優先しています。
もちろん、銘柄によりけりですので、高配当株も一部保有をし続けています。
高配当株においても、それが将来続けば、効率的な投資と言えます。
高配当株の場合、
- 事業の成長が難しくなったので、株主還元を充実させている
- 事業の成長に資金を振り向けながら、株主還元を充実し、取得ベースで増配の力によって高配当となる
前者の場合は、「高配当」というだけが魅力である場合、その「高配当」から転落した場合は、大きなショックを受けます。
- キヤノン(7751) 配当を50%減額。33年ぶり減配(20年12月期上期) 株価▲13.46%
- 日産自動車(7201) 配当を11年ぶりに無配 株価▲10.39%
- イオンフィナンシャルサービス 66%減配・上場来初 株価▲15.2%
※株価の下落率は減配発表後
このほか、直近では吉野家HD(9861)も上期無配(株価▲8.3%)を発表しています。
私もヤマハ発動機を保有しています(20年12月期上期無配)ので、偉そうなことは言えませんが、「高配当」というだけで投資をするのはやはり危険だなと改めて思いました。
配当性向が高まりすぎている銘柄は避けよう
業績が悪化し、配当性向が高くなり、配当利回りが高い銘柄は避けておきたいところです。
キヤノン、日産自動車、イオンフィナンシャルサービスも減配前には、配当利回りが6%を超えている超高配当株でした。
最低限チェックするものは、
- EPSの推移
- 配当性向の推移
この2点です。
EPSが基本的に右肩上がりで、配当性向が急激な上昇をしていなければ、まずは合格です。
EPSは株主の最終利益になるものですので、そこから配当金が支払われます。
配当性向は、1株利益であるEPSのうちどのくらい配当金を出しているかを見る指標です。
それでは、高配当株であった銘柄の配当性向の推移を見てみましょう。
日産自動車の配当性向の推移
日産自動車は、業績不振が絶えず言われてきました。
売上高の低迷、利益率の悪化。
EPSも最終赤字となり、2期連続の赤字となっています(21年3月期は予想)。
配当金の推移を見てみると、業績が良い時に順調に増やしていましたが、急激な業績の悪化により無配に転落しています。
配当性向はそこまで高くはありませんでしたが、業績の悪化がひどく、減配の可能性が出ていた銘柄です。
企業の業績は四半期ごとにチェックすることができますので、投資先は必ず見ておきたいですね。
IR BANKで見た配当利回りの推移を見ると、一時6.3%にまで上がっていました。
キヤノンの配当性向の推移
キヤノンの業績推移も見ておきましょう。
主力事業はカメラとプリンターですが、カメラはスマホの台頭により、プリンターはペーパーレスの流れにより、業績は悪化しています。
第3の柱として医療事業を育てていますが、主力事業を補うほどにはなっていません。
売上の減少と利益率の低下がひどくなっています。
1株最終利益であるEPSについても、大きく下がっています。
今回の減配は「資金繰り」を優先した結果のようですが、20年12月期上期は50%減配をし、通期の減配はやむを得ないでしょう。
高配当株であっても、ない袖は振れずです。
通期でも50%減配と仮定した場合であっても、配当性向は196%にもなります。
過去にも配当性向100%超えがあり、苦しい業績が見えていました。
上期は50%減配になっていますが、下期は無配ということもあるかもしれません。
キヤノンや日産自動車は、現金を稼ぐ力も高い企業ではありますが、「業績」と「利益」の推移の確認は大事ですね。
大東建託の配当性向の推移
大東建託は11期連続で増配を続けていました。
しかし、コロナ禍の影響で工事ができずに、月次でも悪い数字が出ていました。
月次情報を開示している銘柄は、こうした予想がしやすいので保有銘柄で月次を出している場合は必ずチェックですね。
売上・営業利益ともに、21年3月期は前年比マイナスとなっています。
EPSの推移ですが大きくマイナスとなり、37%も下がる予想です。
厳しくても黒字である点は、大東建託の強さでもありますね。
配当性向50%という経営目標があるため、それに基づき減配を実施しています。
配当金は37%もの減配となりました。
37%もの減配を実施しても、配当利回りは6.2%から4.5%から大きく下がりますが、4%の配当利回りはまだまだ高い水準ですね。
小松製作所(コマツ)の配当性向の推移
コマツも高配当株ではありましたが、業績が悪く、大きな減配を発表しています。
コマツも月次情報を出していますので、予想しやすかったかと思います。
営業利益率も5%と収益力が悪くなっています。
EPSの推移も56%もマイナスとなっています。
では、配当性向の推移を見ておきましょう。
コマツは配当性向40%以上とする方針を示しています。
大減配を実施しましたが、配当性向50%程度にまで下がっています。
もし、配当を維持していれば配当性向は100%を大きく超えていました。
60%を超える減配により、配当利回りは1%台にまで下がっています。
配当性向の目安を示している銘柄は、利益変動が激しい場合、減配リスクが高いと言えますね。
イオンフィナンシャルサービスの配当性向の推移
最後に、イオンフィナンシャルサービスの配当性向を見ておきましょう。
大減益による大減配を実施しています。
なんと25年以上減配をしていない、上場以来減配のない銘柄ではありましたが、減配となりました。
私も保有銘柄です。EPS下落はわかっていましたが、「上場以来減配したことがない」という点や財務状況を鑑みて、「減配はない」と高をくくっていた点は反省点です。
配当性向は99%にまで上昇しており、業績が下振れすれば更なる減配の可能性があります。
良い銘柄だと思いますが、コロナ禍の影響はすさまじいです。
イオン「FC」は誤字です。ごめんなさい。
高配当銘柄は「EPS」と「配当性向」を最低限チェック
高配当株は魅力的ではありますが、将来も高配当が続くとは限りません。
業績が右肩下がりの銘柄、配当性向を引き上げることで高配当を維持しているような銘柄は、やや危険だと思います。
もちろん、それだけで減配がされるとは限りませんが。
最低限、EPSの推移と配当性向の推移をチェックすることを強くお奨めします。
また、「現金を稼ぐ力」を見る営業キャッシュフローマージン(営業CF÷売上高)の推移も確認しておくと良いでしょう。
キャッシュを稼げていないと、配当金の支払いも厳しくなりますからね。
高配当株であった、
- 日産自動車
- キヤノン
- 大東建託
- コマツ
- イオンフィナンシャルサービス
の業績や配当性向の推移を見てみました。
今回のコロナ禍の影響による特別な理由もありますが、日産自動車、キヤノンは以前から業績不振であり、また、コマツは景気後退による減益が続いていたので、配当狙いの投資先としては避けておくほうが良かった銘柄と考えます。
中長期的に見れば、コマツは復活すると考えていますが。
以上、高配当株についてでした。
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