ビジネスモデルが良い企業は、良い業績を上げ、鉄壁の財務を築き、そして、株主還元も充実してくれます。
投資の神様バフェットが好む銘柄に、保険会社があります。
バフェットが運営するバークシャーのメイン事業は保険事業。
投資会社の印象が強いですが、実は世界最大の損害保険会社です。
保険を加入されている方はイメージしやすいですが、保険料は払っても、保険金を必ず受け取るとは限りませんね。
また、保険料は必ず先に払いますが、保険金は必ず後に受け取ります。
つまり、先にお金をもらって、あとでお金を払うかもしれないビジネスです。
キャッシュインが先にあり、キャッシュアウトが後にくるため、「キャッシュインとキャッシュアウトの時間差」が優位性を生む後払いのビジネスモデル。
この優位性があるため、多額のキャッシュを運用することができ、一等地にビルを持ち、多額の株式を保有していますね。
保険会社ではありませんが、これに似たビジネスモデルを展開している3社を紹介します。
キャッシュインが先に来る最強のビジネスモデル
ビジネスで最も大事なのが「お金の回収」なわけですが、そのお金の回収にあまり頭を悩ますことの必要がないビジネスです。
サービスを提供したときにキャッシュインがあり、キャッシュアウトはするかどうかは事由次第なので、よく考えるとすごいですね。
7164 全国保証
全国保証は、住宅ローンの保証会社です。
住宅ローンを貸す銀行にとって最も避けたのは、「お金を貸したローンが返ってこないこと」ですね。
このため、住宅ローンを借りる際には、必ず保証会社の保証を付ける必要があります。
貸した相手が住宅ローンを返さなくなったときには、全国保証が肩代わりするというわけです。
全国保証は、住宅ローンを借りる人から保証料を受け取り、連帯保証人になるイメージですね。
銀行は何かあれば、全国保証が払ってくれるので、安心して住宅ローンを貸せるわけです。
この保証料は、「一括で支払う場合」と「毎月支払う方法」があり、いずれもストックビジネスとなります。
一括でもらった保証料は、分割で売上計上し、貸借対照表の負債に前受収益として計上します。
ここがポイントです。
一括して受けた保証料は、お金はもらっているけれども、売上計上は数年にわたって計上しているので、全国保証にとってはキャッシュインは先にあり、手元に置いているのです。
全国保証にとっては、避けたいのは、「住宅ローンを代わりに返す事態」ですね。
代わりに返済している代位弁済は0.08%程度とほとんどなく、その70%は回収しているので、ほとんど銀行にお金を払う必要のない状態です。
全国保証を見る際には、損益計算書だけではなく、貸借対照表(BS)の負債欄の「前受収益」と「長期前受収益」が重要です。
将来の売上の源泉だからです。
住宅ローン自体が減少傾向というのはありますが、凄まじく良いビジネスですね。
会計上の純利益より、実際の現金収入を見る営業キャッシュフローが高い場合は、「質の良い利益(アクルーアル)」と言われます。
全国保証は、青色(営業キャッシュフロー)が純利益(黄色)を上回っており、質の良い利益が続いている銘柄ですね。
もはや鉄板銘柄と言っていいでしょう。
急成長はなくても、成長が続く銘柄と言えそうです。
8771 イー・ギャランティ
イー・ギャランティは、企業の売上債権を保証するビジネスで成長している会社です。
伊藤忠商事が大株主ですので、伊藤忠商事グループの会社ですね。
引き受けた保証は自社で保有せずに、投資商品に組成して再委託保証をしています。
同社も、「前受金」を見ることで将来の売上の源泉を見ることができます。
前受金は伸びており素晴らしいですが、何より業績も素晴らしいです。
営業利益率は、40%以上と国内屈指の収益力を誇っています。
さきにキャッシュが入るビジネスで、営業キャッシュフローが純利益を上回る質の良い利益を上げています。
自己資本比率も70%を超えており、盤石ですね。
3月権利日で100株保有で、1,500円相当のクオカードをもらうことができるので、クオカード銘柄としても着目ですね。
正直、最強レベルの会社かなと思います。
7320 日本リビング保証
最後3銘柄は、時価総額100億円程度の小型株、日本リビング保証を取り上げます。
同社は、「おうち事業」と「BPO事業」の二本柱ですが、住宅設備の保証を住宅事業者向けにするのが「おうち事業」でメーカー向けが「BPO事業」ですね。
おうち事業に関しては、住宅事業者に対して、アフターサービスを切り口にした経営支援コンサルティングを実施しています。BPO事業については、各種メーカーに対して、保証・修理手配のノウハウを活かし、保証制度構築コンサルティングを実施しています。
BPOは、メーカーに変わって保証の修理手配などをしています。
冷蔵庫などの大型家電やスマートフォンを買うときには、保証を付けることが多いと思うんですが、そのイメージですね。
住宅設備保証は同社が始めたもので、先駆者です。
この保証事業(おうち事業)は、入金は先にありますが、売上は分割して計上されています。
同社の自己資本比率は、わずか6.5%(21.6月時点)ですが、実態はキャッシュリッチの安全性の高い会社です。
預り金は、将来の修繕などに使えるように電子マネー事業を展開しているので、将来は顧客に返還されるものです(15年が期限なので、15年超えると未使用のポイントは利益に転換されるはず)。
長期前受収益や前受収益は、負債に計上されますが、これはキャッシュインのあった将来の売上の源泉ですね。
同社は、このキャッシュを活用して、収益不動産を購入するなど有効活用しています。
不動産のプロですので、こうした運用もできていますね。
業績を見ておきましょう。
業績は堅調で、利益率も上向いてきました。
長期前受収益の状況などを見ると、まだまだ伸びるでしょう。
純利益よりはるかに営業キャッシュフローは多く、質の高い利益を出しています。
キャッシュ入りまくりですね。
同社の手元流動性は24ヵ月もあり、現金の回収期間を見るCCC(キャッシュコンバージョンサイクル)は、マイナスとなっており、非常に資金繰りな楽な会社ですね。
競合は少なく、ニーズのある商品なので、成長期待です。
後払いビジネスは最強
売上があってもいつ回収(入金)があるのかは、企業が悩むところです。
保証ビジネスは、入金が先にあり、あとで払うかもしれないビジネス。
高収益、ストックビジネスと強いですね。
素晴らしい企業の3社をもう一度登場させておきますね。
PERで見る指標はやや高いのもありますが、いずれも営業キャッシュフローが純利益を上回る質の良い利益を出していますね。
世の中にはすごいビジネスもあるもんですね。
私は日本リビング保証を今回の決算を見て買ってみました。
長い目で見たい企業と言えそうですね。
気になる銘柄があれば、まずは投資です。
将来のお金の不安を小さくしていくためには、資産運用は欠かせません。
資産運用の代表的なツールが「株式投資」。
株式投資では、ある程度の資金が必要ですが、何事も「小さく始めること」が大事です。
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