配当利回りが高い銘柄は、投資額に対して配当金を多くもらえる点が魅力的ですね。
ただし、配当利回りが高くても、業績が悪かったり、配当性向が高い銘柄は、それほど魅力的ではありません。
また、配当性向が高いということは、事業に資金を振り向けるよりも株主に還元しようという意思ですので、業績の成長が鈍化している銘柄とも言えます。
そして、減配リスクが高まっている点は要注意です。
一方、もし配当を出し続けられるだけの事業を有して、長く保有することができれば、トータルリターンはプラスになる可能性が高いですね。
そのなかでも、増配を続けているような銘柄は、取得ベースでの高配当の実現もできます。
さて、高配当銘柄にはどんな銘柄があるのか?見ておきましょう。
2020年12月・高配当ランキング
2020年12月2日現在で、東証一部上場企業の高配当銘柄をSBI証券 を利用して見てみました。
- 配当利回り7%以上 3銘柄
- 配当利回り6%以上 9銘柄(7%以上を除く)前月比+2銘柄
- 配当利回り5%以上 20銘柄(6%以上を除く)-4銘柄
- 配当利回り4%以上 60銘柄(5%以上を除く)-6銘柄
配当利回りが6%以上の銘柄も12銘柄もありますね。
12月25日には、NTTドコモが上場廃止となります。歴史的な日です。
配当利回り7%以上
配当利回り7%以上の超高配当は、3銘柄のみ。
JTは配当性向が92%と高い点が気になるところです。
JTは1株154円と非常に高く、上場以来減配したことのない銘柄ではありますが、16期続けていた増配をストップしているのでサインは出ているようにも思います。
また、配当性向も高いので、減配リスクがやや高まっていますね。
コード | 銘柄名 | 現在値 | PER(予) | PBR | 配当利回り(予)(%) | 配当性向 |
8616 | 東海東京フィナンシャル | 319 | 6.02 | 0.5 | 10.03 | 60.4 |
2914 | 日本たばこ産業 | 2132 | 12.74 | 1.42 | 7.23 | 95.5 |
1852 | 浅沼組 | 4015 | 7.04 | 0.83 | 7.12 | 50.1 |
配当利回り6%
利回り6%台の銘柄は、9銘柄あります。
苦しい業績が続く日本郵政、ゆうちょ銀行がランクイン。
株価が上がって、利回り7%台から降格したソフトバンク。
そして、この中では、減配しない配当政策である累進配当を実践している三井住友FGが良いと考えます。
配当性向は、60%近くにまで上昇していますが、コロナ禍での影響が大きく、減益決算が想定されています。
配当の安定度で言えば、ソフトバンクでしょう。
ただし、NTTドコモの新プランの影響で、ソフトバンクの値下げプランがどのくらい業績に影響を与えるか、ですね。
コード | 銘柄名 | 現在値 | PER(予) | PBR | 配当利回り(予)(%) | 配当性向 |
9434 | ソフトバンク | 1266.5 | 12.12 | 6 | 6.95 | 84.2 |
6178 | 日本郵政 | 775.5 | 8.54 | 0.29 | 6.45 | 55.1 |
8304 | あおぞら銀行 | 1885 | 8.06 | 0.51 | 6.42 | 51.7 |
7278 | エクセディ | 1273 | 29.48 | 0.3 | 6.28 | 185.1 |
9810 | 日鉄物産 | 3685 | 4.99 | 0.5 | 6.24 | 31.1 |
6390 | 加藤製作所 | 1005 | 8.07 | 0.22 | 6.22 | 50.2 |
5020 | ENEOS HLDG | 360.9 | 10.75 | 0.5 | 6.1 | 65.6 |
8316 | 三井住友FG | 3138 | 9.36 | 0.4 | 6.08 | 56.9 |
7182 | ゆうちょ銀行 | 832 | 13.31 | 0.35 | 6.01 | 80.0 |
配当利回り5%以上
20銘柄あります。
長谷工、りそな、三菱商事、関西電力などの大手が入っていますね。
コード | 銘柄名 | 現在値 | PER(予) | PBR | 配当利回り(予)(%) | 配当性向 |
1808 | 長谷工コーポレーション | 1191 | 6.81 | 0.9 | 5.88 | 40.0 |
6417 | SANKYO | 2601 | 22.32 | 0.59 | 5.77 | 128.8 |
8308 | りそなHLDG | 368.8 | 7.16 | 0.41 | 5.69 | 40.7 |
5851 | リョービ | 1250 | 6.23 | 0.34 | 5.6 | 34.9 |
8411 | みずほFG | 1344 | 9.22 | 0.4 | 5.58 | 51.4 |
6412 | 平和 | 1446 | 143.17 | 0.61 | 5.53 | 791.7 |
8306 | 三菱UFJ FG | 454.7 | 9.41 | 0.37 | 5.52 | 51.9 |
9513 | 電源開発 | 1403 | 5.12 | 0.32 | 5.5 | 28.2 |
5019 | 出光興産 | 2183 | 239.34 | 0.56 | 5.5 | 1316.4 |
5857 | アサヒHLDG | 3190 | 7.91 | 1.81 | 5.49 | 43.4 |
8593 | 三菱UFJリース | 487 | 7.07 | 0.56 | 5.48 | 38.7 |
9743 | 丹青社 | 771 | 12.24 | 1.3 | 5.45 | 66.7 |
8604 | 野村HLDG | 560.6 | 5.53 | 0.64 | 5.34 | 29.5 |
1861 | 熊谷組 | 2399 | 5.78 | 0.76 | 5.34 | 30.9 |
1820 | 西松建設 | 1988 | 6.09 | 0.55 | 5.28 | 32.2 |
5302 | 日本カーボン | 3795 | 12.72 | 0.93 | 5.27 | 67.0 |
8058 | 三菱商事 | 2493.5 | 16.73 | 0.71 | 5.27 | 88.2 |
9503 | 関西電力 | 954.7 | 7.09 | 0.53 | 5.24 | 37.2 |
7593 | VT HLDG | 386 | 10.92 | 1.23 | 5.18 | 56.6 |
7167 | めぶきFG | 214 | 7.21 | 0.28 | 5.14 | 37.1 |
非推奨は先月に引き続いて出光興産です。
元株主ですが、もう買うことはないでしょう。
なぜなら、配当性向100%超え、中期経営計画の下限配当160円を理由も出さずにあっさり撤回と信用できません。
金融、エネルギー、建設銘柄が多いですね。
景気敏感株なので、多少の減配リスクを負いながらの投資が必要です。
私は三井住友や三菱フィナンシャルなどを保有しています。
配当性向の低い銘柄
高配当でも、配当性向の低い銘柄をピックアップしてみました。
- 配当性向が高いと減配リスク高い
- 配当性向が低いと、十分は配当余力を有している
- 無理した配当ではないため、増配力もある
配当性向が低い銘柄では、ランキング上位ではレンゴーや芙蓉総合リースなどがありますね。
コード | 銘柄名 | 現在値 | PER(予) | PBR | 配当利回り(予)(%) | 配当性向 |
8795 | T&D HLDG | 1230 | 5.57 | 0.66 | 3.61 | 20.1 |
4043 | トクヤマ | 2310 | 7.08 | 0.95 | 3.03 | 21.5 |
1802 | 大林組 | 941 | 6.62 | 0.83 | 3.35 | 22.2 |
3941 | レンゴー | 799 | 7.42 | 0.71 | 3 | 22.3 |
8203 | MrMaxHD | 847 | 6.61 | 1.14 | 3.54 | 23.4 |
8424 | 芙蓉総合リース | 6510 | 6.99 | 0.71 | 3.41 | 23.8 |
2730 | エディオン | 992 | 7.04 | 0.59 | 3.43 | 24.1 |
8341 | 七十七銀行 | 1490 | 7.45 | 0.25 | 3.36 | 25.0 |
8002 | 丸紅 | 630.1 | 7.77 | 0.72 | 3.23 | 25.1 |
7189 | 西日本フィナンシャルHLDG | 761 | 6.37 | 0.23 | 3.94 | 25.1 |
このほかにも配当性向が低い高配当は魅力的な銘柄がありますね。
もちろん、配当性向が低くても、丸紅のように減配している銘柄もあります。
このため、絶対に大丈夫というわけではありませんが、低いほうがいいですね。
配当性向が100%超えの銘柄
それでは、逆に、配当性向が高い銘柄を見ておきましょう。
- 配当性向が100%を超える銘柄
- 100%を超えると、利益以上に配当を出している証拠
- 配当を維持するために、内部留保を取り崩すか、借金をしている
- 借金していたらかなりバッド
利益も出ていないのに、配当を出すために、借金をしている場合もあります。
かなり最悪、危険です。
必ずキャッシュフロー計算書はチェックしておきましょう。
コード | 銘柄名 | 現在値 | PER(予) | PBR | 配当利回り(予)(%) | 配当性向 |
5019 | 出光興産 | 2183 | 239.34 | 0.56 | 5.5 | 1316.4 |
6412 | 平和 | 1446 | 143.17 | 0.61 | 5.53 | 791.7 |
3105 | 日清紡HLDG | 783 | 130.5 | 0.55 | 3.83 | 499.8 |
6644 | 大崎電気工業 | 563 | 139.01 | 0.58 | 3.55 | 493.5 |
6480 | 日本トムソン | 339 | 138.37 | 0.42 | 3.02 | 417.9 |
4188 | 三菱ケミカルHLDG | 601.8 | 71.48 | 0.73 | 3.99 | 285.2 |
4619 | 日本特殊塗料 | 1203 | 88.46 | 0.65 | 3.16 | 279.5 |
7718 | スター精密 | 1547 | 73.67 | 1.09 | 3.68 | 271.1 |
6724 | セイコーエプソン | 1625 | 62.69 | 1.12 | 3.82 | 239.5 |
4927 | ポーラ・オルビスHLDG | 2080 | 73 | 2.41 | 3.19 | 232.9 |
4044 | セントラル硝子 | 2240 | 60.38 | 0.56 | 3.35 | 202.3 |
8050 | セイコーHLDG | 1369 | 44.23 | 0.55 | 4.53 | 200.4 |
7751 | キヤノン | 1945 | 43.86 | 0.77 | 4.4 | 193.0 |
4502 | 武田薬品工業 | 3839 | 39.81 | 1.27 | 4.69 | 186.7 |
7278 | エクセディ | 1273 | 29.48 | 0.3 | 6.28 | 185.1 |
2651 | ローソン | 4790 | 58.55 | 1.77 | 3.13 | 183.3 |
5201 | AGC | 3615 | 51.37 | 0.69 | 3.01 | 154.6 |
3863 | 日本製紙 | 1174 | 40.53 | 0.36 | 3.41 | 138.2 |
4246 | ダイキョーニシカワ | 754 | 38.81 | 0.69 | 3.48 | 135.1 |
6143 | ソディック | 830 | 43.4 | 0.67 | 3.01 | 130.6 |
8130 | サンゲツ | 1466 | 32.65 | 0.95 | 3.96 | 129.3 |
6417 | SANKYO | 2601 | 22.32 | 0.59 | 5.77 | 128.8 |
4928 | ノエビアHLDG | 4295 | 23.47 | 2.82 | 4.77 | 112.0 |
7844 | マーベラス | 897 | 28.48 | 2.31 | 3.68 | 104.8 |
私は投資したい銘柄はありませんが、配当性向が100%を超えるタコ足配当銘柄は、もし投資するのであれば、それなりのリスクと覚悟をもっての投資が必要だと考えます。
投資先から外すのが無難です。
自己資本比率の高い銘柄
財務基盤の分厚い銘柄を見ておきましょう。
過去の利益の蓄積が素晴らしい銘柄もあり、財務が極めて良好な銘柄です。
コード | 銘柄名 | 現在値 | PER(予) | PBR | 配当利回り(予)(%) | 配当性向 | 自己資本比率(%) |
2121 | ミクシィ | 2619 | 16.11 | 1.09 | 4.56 | 73.5 | 88.81 |
4927 | ポーラ・オルビスHLDG | 2080 | 73 | 2.41 | 3.19 | 232.9 | 83.91 |
6417 | SANKYO | 2601 | 22.32 | 0.59 | 5.77 | 128.8 | 82.39 |
6345 | アイチ コーポレーション | 926 | 15.17 | 1.06 | 3.02 | 45.8 | 82.09 |
6718 | アイホン | 1613 | 12.8 | 0.55 | 3.1 | 39.7 | 81.62 |
4521 | 科研製薬 | 3805 | 10.83 | 1.15 | 3.94 | 42.7 | 81.37 |
7740 | タムロン | 1633 | 13.99 | 0.77 | 4 | 56.0 | 78.7 |
1883 | 前田道路 | 1694 | 8.73 | 0.68 | 3.54 | 30.9 | 77.74 |
2461 | ファンコミュニケーションズ | 445 | 13.86 | 1.6 | 4.27 | 59.2 | 77.46 |
業績とセットで投資する際には確認しておきましょう。
経常利益率の高い銘柄
経常利益率の高い銘柄も見ておきましょう。
コード | 銘柄名 | 現在値 | PER(予) | PBR | 配当利回り(予)(%) | 配当性向 | 自己資本比率(%) | 売上高経常利益率(%) |
8628 | 松井証券 | 830 | 22.99 | 2.66 | 4.22 | 97.0 | 11.31 | 37.33 |
5302 | 日本カーボン | 3795 | 12.72 | 0.93 | 5.27 | 67.0 | 57.92 | 33.62 |
8871 | ゴールドクレスト | 1488 | 14.06 | 0.43 | 3.36 | 47.2 | 64.84 | 32.49 |
7337 | ひろぎんHLDG | 600 | 8.62 | 0.39 | 4 | 34.5 | 5.11 | 30.67 |
4521 | 科研製薬 | 3805 | 10.83 | 1.15 | 3.94 | 42.7 | 81.37 | 30.2 |
8410 | セブン銀行 | 223 | 9.31 | 1.19 | 4.93 | 45.9 | 20.37 | 26.82 |
8308 | りそなHLDG | 368.8 | 7.16 | 0.41 | 5.69 | 40.7 | 3.43 | 24.34 |
3003 | ヒューリック | 1085 | 11.7 | 1.58 | 3.22 | 37.7 | 25.85 | 23.69 |
8304 | あおぞら銀行 | 1885 | 8.06 | 0.51 | 6.42 | 51.7 | 8.06 | 23.5 |
7186 | コンコルディアFG | 376 | 11.28 | 0.41 | 4.52 | 51.0 | 5.8 | 23.3 |
12月優待銘柄のヒューリックは、注目ですね。
毎年増配を続けており、配当と優待が楽しめる銘柄です。
12月権利日の高配当株
2020年も最後の月となりました。
12月権利日の高配当株を見ておきましょう。
断トツトップは、やはり日本たばこ産業(JT)ですね。
コード | 銘柄名 | 現在値 | PER(予) | PBR | 配当利回り(予)(%) | 配当性向 |
2914 | 日本たばこ産業 | 2132 | 12.74 | 1.42 | 7.23 | 95.5 |
5851 | リョービ | 1250 | 6.23 | 0.34 | 5.6 | 34.9 |
5302 | 日本カーボン | 3795 | 12.72 | 0.93 | 5.27 | 67.0 |
6440 | JUKI | 536 | 7.48 | 0.42 | 4.66 | 34.9 |
7751 | キヤノン | 1945 | 43.86 | 0.77 | 4.4 | 193.0 |
5214 | 日本電気硝子 | 2330 | 17.08 | 0.48 | 4.29 | 73.3 |
2461 | ファンコミュニケーションズ | 445 | 13.86 | 1.6 | 4.27 | 59.2 |
2429 | ワールドHLDG | 2088 | 7.01 | 1.54 | 4.25 | 29.8 |
7740 | タムロン | 1633 | 13.99 | 0.77 | 4 | 56.0 |
キヤノンもおなじみのメンバーですが、30年ぶりに減配しています(減配してなおこの利回りはすごいですが)。
JT株はこのまま保有ですが、買い増し予定はありません。
ポートフォリオのなかでは、含み損が大きい銘柄ですね。
優待と配当でのんびり保有しておきます。
高配当株のメリット・デメリット
高配当株は、高い配当利回りは魅力的ですが、注意も必要です。
など、配当以上の株価下落を受けることもありますので、業績の安定、良い銘柄に投資したいものです。
私たちの年金資産の一部を運用しているGPIFの運用収益の約6割はインカムゲインから得ています。
株の配当だけでなく、債券の利子なども含まれていますが、インカムゲインが収入の柱になっていますね。
安定したインカムは、長期で見ると積み上がっていくので、確実に増えていきます。
その安定したインカムを得ることを続けるには、配当を出し続けられる業績が続いている銘柄に投資したいものですね。
高配当株のなかにあるかもしれません。
私は最近は高配当よりも、増配力の高い銘柄に投資することを重視していますが、将来の高配当を持つことが大事かなと考えています。
高配当ランキングのなかには、配当性向が高すぎる銘柄などもありますので、利回りだけを見た投資は絶対にしないでおきましょう。
絶対にダメです。
大事なことなので2回言いました。
高配当投資は難易度が高い投資法ですが、業績が良く、利益が安定していて、配当性向が低い銘柄が良いのがいいですね。
業績、財務が良い銘柄は株価もついてくることが多いですので、含み益を作りながら、配当金をもらい続けるのが理想的です。
ではでは。
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