リーマンショックから10年の歳月が経ち、いつ暴落が来てもおかしくないと言われています。
伝説の投資家ハワード・マークスの「投資で一番大切な20の教え」は、リーマンショックのときのことも記されており、投資をするうえでの必読書。
特に、投資手法よりも投資に対する思考を養える良書であり、手元に置いて、定期的に繰り返し読んでおきたい本です。
特に「リスク」の章は何度も読んでおくべきでしょう。
読み返し、投資におけるリスクを改めて考えてみました。
投資におけるリスク
投資をするには、リターンを得ること。
そのためには、リスクを負うわけですが、リスク管理ができていないと、リターンどころか大きな痛手を負うことになります。
私もこのリスクを理解しておらず、痛手を負ったことがあります。
常々思っていたのですが、リスクを数値化するというのは難しい。
ハワードは、先の著書では、
リスクを数値化する基準は存在しない(P.77)
としています。
それは、ある投資について、高いリスクと見る物もいれば、低いリスクと思う者もいるからです。
リスク許容度というのは、人それぞれですので、定量的な基準を用いて、リスク許容度を図ることは困難なわけです。
また、こんなことも言われています。
リスクは未来にのみ存在する
「未来に起こりうるリスクのほとんどは主観的で、見えにくく、定量化できない」(P.78)
「リスクは未来にのみ存在するのであり、未来がどうなっているのかを正確に知ることは不可能」(P.87)
この言葉は私は好きで、リスクを正確に把握できるというのは困難なんですよね。
リスクを把握できれば、それはもう安全な投資であって、誰でもお金を投じるわけです。
まだまだ下がるかもしれない。
そんな恐怖のなかで、お金を投じることで、リターンを得られるわけです。
抽象的な表現になってしまいますが。
投資におけるリスクは自分
私が思っているのは、「狼狽売り」というのをしてしまうときが、リスク許容度を超えた投資をしているときだと思っています。
自分のリスク許容度を理解していれば、狼狽売りなんてものはしません。
このリスク許容度というのは、投資をした頃は全く分かりません。
これは、「経験」と「資産の積み上げ」で変わり、わかってくるものだと思います。
何に投資をしているのかを理解せずに、皆が買っているからと買うのは投資においてはご法度です。
また、投資先のリスクをすべて把握することも困難です。
そんななかで、投資をするのは、
投資をしていくことで身に付く「経験」。
そして、キャッシュフローが安定しており生活に影響のない範囲で投資できる環境(資産の積み上げ)が必要なのです。
強気相場のときには、リスクを軽視しがちになる
人はリスクを計測し、まったく経験したことのないメカニズムを理解する自分の能力を過信する。
理論上、人間と他の生物との違いの一つは、経験がなくても何か危険が起きることが分かる点にある。
たとえば、我々はやけどしてからではななくても、ストーブの上に座ってはいけないことを知っている。
だが、強気相場のとき、人はこうした機能を果たさなくなりがちだ。
私も資産の多くを株式投資に投じています。
リスクをどう認識するかというのは、投資をするうえでとても大事なことです。
私が気を付けている点は、
- 一発退場しないこと(レバレッジをかけない)
- 他人の意見により投資をしない(自分で判断する)
- キャッシュフローを持ち、生活に影響しない範囲で投資する
- 生活防衛資金を常に確保しておく
を必ず守ること。
投資をするときは、不安なので、誰かに頼りたくなる部分も出てくるんですが、最後は自己責任において投資するわけなので、自分で決断することが大切です。
リスクを抑えた投資を続けること
リスクを抑えるためには、王道ですが、
- 長期投資
- 時間分散
- 分散投資
が大事です。
長期的に考えた場合、右肩上がりが高い確率で起こりうるであろう資産を購入する。
具体的には米国株への投資。
もう一つは、配当金を永続的に出すであろう企業への投資。
具体的には、配当貴族、配当王などへの企業群。また、通信株や生活必需品などの内需株。
ジェットコースターのような企業ではなく、赤字真っ赤かの将来期待だけで株価が吊り上がっている企業に投資せず、地味に、着実に資産形成できるさきに投資をし続けること。
リスクは定量化できないため、「狼狽売り」をしてしまうような投資先にお金を投じず、暴落も楽しめるような投資先を選び、投資するのが大切ですね。
最後に投資における最良の方法とは、
「暴落時にどんな価格でもとにかく売らなければならない人から買うことである」
投資を始めたら、一度ならず定期的に読んでおきたい本です。
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