本格的に株式投資を始めて7年ほどが経っています。
定期的に本を読み、知識をブラッシュアップしているんですが、
配当金投資で損切りはすべきか
非常に悩ましい問題ではないでしょうか。
かくいう、自分自身もこの点は非常に悩ましいと感じています。
なぜなら、配当金を得る目的である点と、資産をどう増やすかという点のはざまに立つときがあるからです。
配当金投資は将来のキャッシュフロー作りが目的
配当金投資の目的は、キャッシュフローを作っていくことです。
私自身は、投資で頭がいっぱいになるという状態は避けたく、夜もぐっすり眠れる投資手法を続けたいと考えています。
そのため、配当金の再投資による複利効果を活かしていくことを選んで、投資を続けています。
毎月のように定期的な、キャッシュイン(配当金)があるのは、非常に心地良いです。
頻繁な売買はあまり望んでいないのです。
配当金投資と同じようにアパート投資も、その目的は家賃収入、つまり、キャッシュフローです。
手にしたアパートの評価額が下がったからと言ってすぐに売りにいくだろうか?
おそらく、そんなことはなく保有し、家賃収入を得ていくんだと思います。
株式投資の場合は、不動産と違い、流動性が極めて高いため、すぐに売ることができる点では売ってしまいやすいという難点があります。
資産形成もしていきたい
欲張りなもので、配当金をもらいつつ、株価の上昇も望んでいます。
私の保有株で含み損が大きいのがJT(2914)です。
8%~10%で損切りするというルールを持っていれば、さっさと手じまいしています。
8%損切りしておいて、2200円で買い戻していればなんて考えもします。
しかし、それは結果を知っているからそう思うだけです。
実際には、これ以上下げなくて、配当株を手放し、キャッシュフローを手放ししまうのではないか。
こんな思いにもなります。
配当株を手放すことは、キャッシュフローを生む資産を手放すことになるからです。
また、8%の下落は頻繁にあることです。
損切りの効用
一方、損切りの効用もあります。
10%下落すれば、11%の上昇が必要です。
50%失ったら、その損失を取り戻すのに、100%のリターンが必要です。
これがいかに難しいか。
損失 | 元に戻すのに必要な利益率 |
5.0% | 5% |
10.0% | 11% |
15.0% | 18% |
20.0% | 25% |
25.0% | 33% |
30.0% | 43% |
35.0% | 54% |
40.0% | 67% |
50.0% | 100% |
もしルール通り売りをしていれば、下落相場から私たちの資産を守ってくれます。
投資格言には、「天井3日、底100日」というものがあります。
上げるときはじわじわですが、下げるときは圧倒的に早いのです。
配当株ではありませんが、トラベルコで有名なオープンドアは、じわじわと下げて、大きく下げています。
こういうときにはさっさと手じまいすべきですが、もう少し待ってみようと思ってしまうものです(ちなみにオープンドアは保有していません)。
2018年末は株価が急落しましたが、あっという間に資産が減っていきました。
電光石火だったので、放置していましたが。
下げるときには滑り落ちるように下がっていきます。
高配当だった日産自動車は、業績が非常に悪化して減配していますが、こういう場合は、問答無用で損切りすべきだったと思うのです(ただ、自分は保有していないので外野の意見ですが)。
損切りのメリット
損切りのメリットは、
- 損失の拡大を防ぐことができる
- 手持ち資金を増やすことができる
- 損益通算が使える
という点です。
損切りは、損失の拡大を防ぐ点で、私たちの資産を守ってくれる唯一の方法と言えるのではないでしょうか。
また、損益通算をしていくことで、今まで出た利益とぶつけることで税金を抑えることもできます。
ぶつける利益がなくても、確定申告により3年間は損益通算することができます。
配当金投資でも損切りが必要なとき
配当金投資でも損切りは必要だと考えています。
問答無用で損切りが必要なのは、
- 配当を維持する能力に疑義が出た場合
つまり、業績がポンコツレベルに落ちているときには、配当金を出すこともできなくなるので、さっさと売るべきです。
配当金投資における10%下がったら損切りをあてはめるかは非常に悩ましいです。
このルール通りであれば、私はJT株は売っています。
一方、配当金を積み重ねることで、トータルリターンでプラスになる確率を高めてくれます。
JTは安定配当株として今後も続くだろうと考えて保有を続けていますが、それが正解かは10年後くらいです。
保有を続ければ、トータルリターンはプラスですし、基本的には配当金投資は売らずに長く保有していきたいと考えています。
ただ、最近は考えも柔軟になっている部分もあり、20%も値上がりしたあとに、下落相場に入れば、買値を下回るまでには売るつもりです。
20%も上がったのに、損をするなんてあってはならないと思っています。
底値の確認は難しいですが、安く買い戻す、買い値が高くなったとしても、良ければ買い直せばいい。
ダラダラと含み損を膨らませるようにならないように気を付けたいです。
JT株は一定数売却し、成長株に振り向けることとしました。
配当金再投資のメリット
配当金投資では、配当金が定期的に入る点でメリットがありますね。
私の好きな言葉です。
相場が下落する局面で、配当はとくに次の2つの役割で投資家に貢献する。
まず再投資を通じて保有株を余分に積み増せるので、これがポートフォリオの価値下落を受け止めるクッションとなる。
下落局面に再投資を通じて保有株を積みます配当の働きを、わたしは「下落相場の安全装置プロテクター」と呼んでいる。
しかも、買い増した株式は、相場がいったん回復すれば、下落に対するクッションどころではない役割を果たす。保有株数が増すほど、将来のリターンが加速するからだ。
つまり、配当再投資は、下落局面でプロテクターとなり、株価がいったん上昇に転じれば「リターンの加速装置(アクセル)」となる。
-引用-株式投資の未来 ジェレミー・シーゲル
年金資産を運用する市場のクジラGPIFが、次のように述べています。
インカムゲインは確実に得られる利益であり、景気変動の影響を受けにくい
管理運用法人の収益のうちインカムゲイン(利子・配当収入、13 ページ参照)は、資産の時価変動に関わらず安定的に一定の収益が見込めるものですが、キャッシュとして保有せず、自動的に再投資しています。
これは、長期投資家の場合には、インカムゲインをそのまま再投資に回した方が、長い期間で見れば大きな複利効果が得られるからです。
配当金投資をメインとしつつ、将来の高配当株となるような増配力の高い銘柄を最近は好んでいます。
株価も上がりやすいので、増配力の高い銘柄を選別して長く保有していきたい。
ではでは。
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