まずはいきの相場の一週間でした。
日経平均株価、週間の下げ幅過去最大 3318円安
となりました。
私は将来のお金の不安を小さくし、資産を増やし、収入源を作るために、配当金投資を実践しています。
世の中には万能な投資はありませんが、下落相場のなかでは、配当金投資を進めていくうえで、自分の心理面も踏まえて、どうしていくかを改めて考えていきます。
下落相場のなかでの配当金投資戦略
すさまじいほどの下落相場ですね。
下落相場は恐いですが、チャンスとして考えています。
配当金投資を続けている理由
私が配当金投資を続けている理由は、
- インカム収入(配当金)によるキャッシュフローが作れる
- 配当金再投資によるトータルリターン(複利の効果)を得る
ことです。
有名なジェレミー・シーゲルの「株式投資の未来」において、次のような言葉があります。
相場が下落する局面で、配当はとくに次の2つの役割で投資家に貢献する。
まず再投資を通じて保有株を余分に積み増せるので、これがポートフォリオの価値下落を受け止めるクッションとなる。
下落局面に再投資を通じて保有株を積みます配当の働きを、わたしは「下落相場の安全装置プロテクター」と呼んでいる。
しかも、買い増した株式は、相場がいったん回復すれば、下落に対するクッションどころではない役割を果たす。保有株数が増すほど、将来のリターンが加速するからだ。
つまり、配当再投資は、下落局面でプロテクターとなり、株価がいったん上昇に転じれば「リターンの加速装置(アクセル)」となる。
-引用-株式投資の未来 ジェレミー・シーゲル
私はこの言葉を信じ、実践してきました。
2017年から配当金投資を実践し、JT株など高配当株に投資を続けてきたわけですが、JT株は下落の一途をたどり、資産を減らしていきました。
一方で、配当金を増やす増配株への投資は、株価上昇にも寄与し、資産を増やしてくれたわけです。
シーゲル氏の言葉は、「将来の株価が上昇する」ことが前提ですが、私はややはき違えて理解していたように思います。
配当金の成長力の高い銘柄は、下落相場が終われば、株価の上昇が見込めますが、配当金が低成長の場合は、そうではないように思います(だからといって投資先に一切ならないわけではない)。
保有株を積み増すこと(ナンピン買い)は、投資額が増えることでリスクを増大させているわけです。
そこで、思い切って今年に入り、配当成長株への振り向けを実践していました。
急激な下落相場で耐えることは大事なのか
下落相場が始まったところで、私は保有株の縮小を始めました。
どんなに含み損を抱えても、耐え続けて、ひたすら株価が戻ることを待つべきなのか?
昨年の11月頃から「配当金投資における損切り」で書いたように、悩んでおり、気持ちのシミュレーションをしていた甲斐がありました。年初から実践してことに加えて、下落相場の始まりがスイッチを押してくれました(上記キャプチャのところで売れた銘柄もあれば、そのあと下げた時に売った銘柄もあります)。
配当金再投資は、配当金をもらい続ければ負けにくい投資です。
ただし、それは株価の下落が致命的なものでなく、配当金を出し続ける企業であることが条件です。致命的な下落率は、投資額など投資家の状況によりますが。
含み損を抱え続けると塩漬けになり、マーケットが上がっているときにも、待期期間が長くなり、チャンスを逃しかねません。
長期投資をしていくためには、撤退しないことが最も大事であり、上昇相場のときに、投下できる資本があること。
もし、50%も下がれば、元に戻るのに100%のリターンが必要です。
私は、「戦える状態にあること」を優先し、下落相場が始まると、
- ナンピン買いはしない
- 買値を割りそうなら売却する
- 買値から8%下がれば損切りする(92%の資産は守れる)
ことを実践していきました。
ただ、気持ちの弱い部分もあり、また、ここが底だろうという・我慢しようという気持ちもあって、ルールを守れない銘柄もありました。
特に優待狙いや、NISAで保有している銘柄は、顕著にそうでした(今も持ってます泣)。
結果、資産を大きく減らしました。
私は、株を保有することが好きなようで、好きな銘柄を売るのは身を切るような思いでしたが、その気持ちを優先する以上に資産を大きく減らし、再起にあまりにも長い時間を要するよりは、素早く手仕舞いするほうが良いと考えています。
それは、次で儲けるチャンスを作れるからです。
オニールの本からの引用です。
たとえ損切りをしなくても、株価が下がればすでに損失を被っているのだ。
そのような銘柄は売って現金に戻しておいたほうが、もっと客観的な立場から考えられるだけずっとましである。
引用:オニールの成長株発掘法
忘れてはならない――七~八%が損切りの絶対的な最低基準である。
ここまで含み損が出たら躊躇なしに売らなければならない。
様子見でもう数日待ってみることも、株価が再び上昇を始めるかもしれないと希望を持つことも、その日の市場の引けまで待つ必要もない。
買値から株価が七~八%下がってしまったというその事実だけで損切りをする十分な理由なのである。
引用:オニールの成長株発掘法
最後に、大きな損失を出して打撃を受ける前に損切りをするべき重要な理由がもう一つある。
それは今後の決断力と勇気を失わないためである。
保有株を取り巻く状況が悪化し始めたときに素早く損切りをしないでいると、その後の売買判断をするときに必要となる自信がいとも簡単に失われてしまう。
もっとひどくなると、損切りをせず損失を膨らませてしまい、しまいには降参して失意のうちにマーケットから去ったため、何が間違っていたのかも知ることなく、誤った手法を正すこともないまま、素晴らしいチャンスを与えてくれるアメリカの株式市場の持つ未来への可能性を、一切あきらめてしまうことになる。
引用:オニールの成長株発掘法
下落した際に元に戻すのに必要な上昇率
さきほど、50%下がれば、元に戻すのに100%のリターン、つまり2倍になる必要があることを言いました。
これは、買い値からの下落率で、元本に戻すのに必要なリターンです。
買値からの下落率 | 元本を取り戻すのに必要な上昇率 |
△10.0% | 11% |
△15.0% | 18% |
△20.0% | 25% |
△25.0% | 33% |
△30.0% | 43% |
△35.0% | 54% |
△40.0% | 67% |
△45.0% | 82% |
△50.0% | 100%(株価の上昇が2倍必要) |
△55.0% | 122% |
△60.0% | 150% |
△65.0% | 186% |
△70.0% | 233% |
△75.0% | 300%(株価の上昇が4倍必要) |
△80.0% | 400%(株価の上昇が5倍必要) |
△85.0% | 567% |
△90.0% | 900%(株価の上昇が10倍必要) |
△95.0% | 1900% |
もし仮に75%も棄損すれば、そのあと株価は4倍の上昇が必要です。
配当利回りが5%あったとしても、税金考慮せずで15年かかります。
下落が大きくなるほどに、難易度が格段に上がることが分かります。
「見切り千両」という相場の格言がありますが、
上記の一覧は、
損失を大きくしないことがいかに大切かが分かるものです。
見切り千両とは、損失が少ないうちに見切りをつけることは千両の価値があるが、損失を大きくさせないようにある程度の損を覚悟して売買することを万両の価値があるという格言
長期投資と長期保有は違う
私は生涯投資をしていこうと考えています。
今回の下落相場までは、長期投資=長期保有と考えている節がありました。
長期保有の難しさをまとめた記事でも、触れました。
ただし、利確や損切りを実践してきたことで、「戦える状態(投資資金が豊富にある)」ため、大暴落もある意味楽しめています。精神的な余裕があります。
長期投資をするには、長期保有が前提ではなく、長くマーケットに居続けることだと思います。
今回の暴落でも高値から70%下がっている銘柄もちらほらあります。
我が家は、約4000万円ほどのお金を運用していましたが、もし50%も減れば2000万円も減ります。30%でも1200万円です。
精神的なダメージも大きくなりすぎ、正常な判断ができなくなっていたかもしれません。
長期投資で配当金投資を実践
現時点では年間配当収入は保有株の減少により減っていますが、幸いにして、投資資金が豊富にある状態です。
そして、マーケットの混乱により、優良株がありえないような株価をつけており、異常なほどに魅力的は配当利回りで保有することもできます。
そして、今のように株価が下がり、配当利回りが上昇しているなかで、優良銘柄を高い配当利回りで買い戻せば、強いプロテクターを手に入れることができ、その後のリターンを加速させると考えています。
以前より少ない資本で、配当収入は戻せる状態です。
配当金投資を続けるうえで、ほかの投資法と変わらず、致命的な損失を回避して、長期投資することが大事です。
具体的な投資先は、リーマンショックのときも減配していないような強い銘柄や、増配力がすさまじい銘柄が候補です。ほかにもピックアップしています。
以前から記事にしているNTTドコモ、KDDI、NTTのような銘柄は、株価の下落も小さく、安定配当もあることから、永久保有するつもり。
10年に一度の大チャンスの相場です。
退場しないように、優良株をコツコツと拾っていきます。そして、生涯の配当収入を増加させるチャンス。
投資しない選択肢はない。
ジョージ・ソロス『まず生き残れ。儲けるのはそれからだ。』
投資では「売りのルール」が死ぬほど大事だと改めて思いました。
ではでは。
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