たばこ大手のフィリップモリス・インターナショナル(PM)とアルトリアグループ(MO)の合併協議があったんですが、破談となりましたね。
私は、PMもMOも保有していたんですが、PMは売却済で、MOだけ持っています(JTとBTIも持っています)。
MOは株価の下落がきつく、保有株のなかでは一番の含み損です。
ただ、株価の下落で配当利回りがすさまじい高さとなっています。
配当利回り8.2%(税引き後約5.8%)
なかなかお目にかかれない配当利回りです。
株価下落はきついが配当利回りの高さは魅力
まずは、MOとPMの株価の推移(1年)です。
水色がPMです。
アルトリアグループ(MO)は、えげつない株価の下げです。
2018年はブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)が約50%下げましたが、2019年はMOの出番ですw
過去1年、約33%も下落しています。
配当利回り5%でも高いと思っていましたが、今になっては8%超えていますからね。
50年連続増配の配当王
MOの魅力は、増配力です。
50年連続で増配をしており、この50年の間に52回増配しています。
50年以上増配している配当王です。すばらしいです。
この10年でも、配当は約3倍近くになっています。
増配率の推移を見てみると、安定して8%以上を増配していますね。
フィリップモリス・インターナショナル(PM)も増配を続けていますが、増配率にはばらつきがあります。
安定したキャッシュフロー推移
2018年は電子たばこJUULへの出資でフリーキャッシュフローがマイナスとなっていますが、安定したキャッシュフローを作っているのがたばこ会社の魅力です。
現金を稼ぐ力を見る営業キャッシュフローマージンは高いレベルで安定しています。
百万$ | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 |
営業CF | 5,810.0 | 3,821.0 | 4,901.0 | 8,391.0 |
投資CF | -15.0 | 3,708.0 | -467.0 | -12,988.0 |
財務CF | -6,747.0 | -5,329.0 | -7,771.0 | 4,716.0 |
フリーCF | 5,795.0 | 7,529.0 | 4,434.0 | -4,597.0 |
営業CFマージン | 22.8% | 14.8% | 19.2% | 33.1% |
電子たばこは、全米で味付き電子たばこが規制対象となる予定ですが、店頭販売による対面のみであり、ネット販売に力を入れているので、そこまで大きな影響はないかもしれません。
現に、規制対象の報道が出た後のMOの株価はほとんど下げませんでした。
MOが出資するJUULは、全米電子たばこのシェア75%とトップシェアを誇っているので、影響は大きいと思いますが、そこまで懸念材料ではないのかもしれません。
MOの成長余力
日本で加熱式たばこトップシェアは、iQOSです。売っているのはPMですが。
MOが全米での、加熱式たばこのiQOSの販売にこぎつければ、全米の紙巻きたばこ5%~6%減少を補うことにもつながるかもしれません。
PMとの合併は破談のガイダンスと合わせて、2019年の通期ガイダンスを見直しています。
- 当初予想)4.15ドルから4.27ドル
- 今回予想)4.19ドルから4.27ドル
2018年に調整された希薄化後EPSベース3.99ドルから5%から7%の成長率を意味しています。
アルトリアグループ(MO)は長期保有方針
アルトリアグループ(MO)は、たばこ株のなかでも、最も逆風が吹いています。
株価の下落がそれを物語っています。
一番は、電子たばこ大手のJUULの件でしょう。
中国のネット販売で電子たばこをJUULが発売しましたが、わずか数日足らずで販売禁止に追い込まれました。
また、インドでも電子タバコの全面禁止が発表されるなど、電子たばこには逆風です。
JUULへの出資に1兆円以上もつぎ込んでいるアルトリアグループ(MO)には、マイナスのオンパレードですね。
たばこ株は、過去も訴訟などで市場から忌み嫌われてきましたが、結果的には市場平均を大きくアウトパフォームする結果を出してきています。
PER11倍、配当利回り8.28%は、いくらなんでも売られ過ぎなのではないかと思います。
株数を増やす絶好の機会であり、
- 安定したキャッシュフロー(営業キャッシュフローマージン15%以上が毎年)
- 安定配当(50年連続増配中)
この2点を見るだけでも、安心して保有して、配当再投資による株数増加を図っていきます。
それにしても、配当利回り8%は異次元の世界に突入してきましたね。
シーゲル銘柄としても、アルトリアグループ(MO)は有名ですね。
相場が下落する局面で、配当はとくに次の2つの役割で投資家に貢献する。
まず再投資を通じて保有株を余分に積み増せるので、これがポートフォリオの価値下落を受け止めるクッションとなる。
下落局面に再投資を通じて保有株を積みます配当の働きを、わたしは「下落相場の安全装置プロテクター」と呼んでいる。
しかも、買い増した株式は、相場がいったん回復すれば、下落に対するクッションどころではない役割を果たす。保有株数が増すほど、将来のリターンが加速するからだ。
つまり、配当再投資は、下落局面でプロテクターとなり、株価がいったん上昇に転じれば「リターンの加速装置(アクセル)」となる。
-引用-株式投資の未来 ジェレミー・シーゲル
アルトリアグループの投資継続して、配当を増やしていきます。
ではでは。
コメント
MOは2007年から2008年にかけて配当減っていませんか?ほとんどのwebページで50年連続増配と書いているのですが、2008年以前の配当実績を載せているサイトがなく、どうなのかなと思っています。
https://jp.investing.com/equities/altria-group-dividends
TTさん、こんばんわ。
米国株の連続増配のカウントは、いくつか種類があります。
こちらの記事で書いている本で詳しく解説されています。
https://jin-plus.com/list-of-u-s-stock-dividend-increases/