NTTドコモが2019年に携帯料金の大幅値下げ(2割~4割)を発表しています。
菅官房長官の発言がきっかけだと思われますが、株主としては、配当金の原資が小さくなることにもつながるので、ちょっと不安です。
ドコモが下げると、KDDIやソフトバンクも下げざるを得ないという懸念から株価が暴落しました。絶賛含み損に突入しています。
- NTTドコモ(9437) ▲14.74%
- KDDI(9433) ▲16.15%
- ソフトバンク(9984) ▲8.16%
ディフェンシブ株であるドコモやKDDIがこんなに暴落したのは初めてみました。
ドコモとKDDIが2018年度上半期の決算を発表していましたので、備忘録的にまとめておきます。
ドコモ・KDDI 2018年度第2四半期決算
ソフトバンクは決算発表前のため、NTTドコモとKDDIの決算です。
どちらも前年同期よりも上昇していますね。KDDIのほうが売上高は大きかったのか。
営業利益率はドコモが25.5%(前年同期比+1.1%)、KDDIが22.8%(前年同期比+0.3%)と高収益企業ですね。
通信事業に限ると、
- ドコモ 25.9%(前年同期 25.8%)
- KDDI 21.5%(前年同期 21.2%)
- ソフトバンク 24.9%(前年同期 25.8%)
これもドコモのほうが収益力は高いですね。
契約数の比較
契約数は圧倒的にドコモです。
ドコモは解約率も低いですが、KDDIも解約率が前年同期と比較して大きく下がっていますね。
ちなみに解約率ではソフトバンクが最も高いです。ドコモの2倍近いですね。
以前、ドコモの担当者と話をしたときには、ドコモの契約者は年齢層も高いため、解約率は他社より低いんだそうです。
20代はキャリアを転々とする人が多いため、ソフトバンクのように契約者の年齢層が若いと解約率がどうしても高くなってしまうだとか。
月間一人当たりの通信料
ARPUは通信料金です。ドコモは割引前の金額で見ています。
モバイルARPUで見ると、ドコモのほうが低くなっていますね。
ドコモは2割~4割の値下げ(最大4,000億円規模)を2019年に実施すると発表しています。株価暴落のきっかけとなった発表ですが・・・。
まだ値下げ余地があるのか、頑張って値下げをするのか。。。
ちなみに、KDDIはすでに平均請求額は約3割も下げており、すでに値下げは実施済との見解だったので追随はしないかもしれません(auピタットプラン)。
単純な比較はできませんが、個人的にはauピタットプランは使いづらいですね。
私の場合にあてはめると、通信量が少なすぎて、5GB超えるのであればauフラットプランを選ぶことになります。
通信以外の収益が育っている
ドコモもKDDIも通信事業の成長鈍化を踏まえて、非通信分野への力を入れています。
ドコモはdポイントクラブを軸とした事業を展開しており、dポイントを貯める・使う人もかなり増えていますね。
私も貯めていますが・・・。
KDDIも同様に、auスマートパスやauウォレットをはじめとするau経済圏の構築に力を入れています。
こちらもかなり順調に育っていますね。
しかも、KDDIは楽天と提携を発表しました。
楽天は設備投資にお金のかかる自前主義よりも、今の楽天モバイルの延長戦略といった感じになるんでしょうね。
設備投資額を考えても、楽天はほかのキャリアのようになろうとは思ってなさそうですね。
第4のキャリアというのは、首都圏など限られた地域だけになりそうな気がします。
どうなるやら。
株主還元(配当金)の方針
どちらも高配当利回り株として、我が家は夫婦ともに両銘柄を保有しています。
ドコモもKDDIも、非常に高い増配率を出してくれています。
増配率 | 過去3年 | 過去5年 | 過去10年 |
NTTドコモ | 16.3% | 12.9% | 8.6% |
KDDI | 12.6% | 18.2% | 18.5% |
ソフトバンク | 2.4% | 1.9% | 33.2% |
AT&T(T) | 2.1% | 2.2% | 3.3% |
ベライゾン(VZ) | 2.8% | 2.9% | 3.5% |
株主としては、この増配を維持してほしいところなので、今回のドコモの大幅値下げ発表は残念です。
政府の口先介入に屈しないで欲しかったw
連続増配年数です。
銘柄 | 連続増配年数 |
NTTドコモ | 5年 |
KDDI | 17年 |
ソフトバンク | 0年 |
AT&T(T) | 34年 |
ベライゾン(VZ) | 13年 |
NTTドコモは過去に一度も減配をしたことがありません。
ドコモの配当金方針
ドコモはまだ5年連続増配と、増配年数は小さいですが、過去に減配したことがありません。
配当性向も50%を超えていますが、まだまだ増配余地はあります。
今回の決算発表で、
- 継続的な増配
という文言を出してきていますので、増配意思はかなり強いと思っています。嬉しいこと。
過去最大の自己株式の取得を発表し、株主還元に力を入れています。
ポジティブサプライズより値下げによるインパクトが大きく、株価は暴落していますが。。
KDDIの配当性向・増配率
KDDIのほうが配当性向が低く、増配余地があります。
また、2019年3月末は大台の営業利益1兆円を予定していること、また、楽天との提携、カカクコムの資本参加など多角化をしているので、収入の複線化が進めば更に期待できそうか。
ドコモはどんな形で値下げをするのか
今後のドコモの値下げは注目ですね。
ただ、個人的には政府の方針にはとても疑問視です。
日本経済新聞の経済教室というコラムでも書かれていましたが、個人の携帯料金を下げたければ、格安スマホであるMVNOの普及をもっと進めればいいだけです。
それをせずに、キャリアへの値下げ圧力によって、キャリアが値下げしていけば、MVNOは淘汰される運命にあると思います。
競争を生むにはプレーヤーの数を増やせばいいですが、せっかくMVNOというプレーヤーが増えているのに淘汰されればキャリア3社あるいは楽天を入れた4社での寡占のままでしょうね。
MVNOと大差ない、あるいは、少し高いくらいの料金体系がキャリアで実現されれば、キャリアへの回帰が進むのではないでしょうか。
私はmineo を使っていますが6GBで月2000円ほどです。
ドコモで同じ料金あるいは、3000円くらいで利用できるのであれば、MNPでドコモに移行しようと思います。
なぜなら、通信品質の劣るMVNOを使い続ける理由がなくなるからですね。
ま、もしかしたら、ドコモの安い料金プランは通信品質を落とすというのもあるのかもしれません(妄想)。
いずれにしろ、ドコモの動向は注目しておきたいところです。
ドコモとKDDIの配当利回り比較
KDDIは株主優待もあるので、配当と優待を含めた利回りはかなり魅力的になっています。
ドコモとKDDIの株は買い増しか。
先行き不透明です。底値は分かりません。
ただ、先行き不透明とか、底値がどこかとか言っていたらいつまで経っても投資できません。
今回のクラッシュ(暴落)で利回りが4.5%を超えたところで、ドコモ株を100株買い増ししました。
投資資金との兼ね合いですが、KDDIも買い増しを考えています(NISA口座なので、来年かなと)。4.5%を越えるまではもうすこし株価が下がってほしいところ。
○株価2426円 配当利回り 4.53%(’18年11月1日終値)
○株価2200円 配当利回り 5.00%
○株価2000円 配当利回り 5.50%
○株価2360円 4.23%(優待込5.5%)(’18年11月1日終値)
○株価2222円 4.5%(優待込5.85%)
○株価2000円 5.0%(優待込6.5%)
○株価1818円 5.50%(優待込6.9%)
さて、どこら辺が底値でしょうね。
時間外のPTS市場ではすでに株価が上がっているので、底値だったのかも。わかりませんが。
来年も増配するでしょうから、更に配当利回りは上がると思います。
KDDIは、株主優待もあるので、買い増ししたい。
ソフトバンクの上場
ソフトバンクGの決算は11月9日を予定しています。
また、ソフトバンクGは携帯会社ソフトバンクのIPO、新規上場を予定しています。
まだ具体的な日程は発表されていませんが、年内への上場との情報が出ていますね。
私も申し込みする予定ですが、IPOであれば SMBC日興証券 の口座は持っておくといいでしょう。
IPO取扱銘柄数も多く、ほとんど当たったことのない私も過去にサントリー、ゆうちょ銀行など大型株は当選しています。
今回のソフトバンクも超大型案件ですので、当選期待をしています。
通信株は、高配当利回りで安定しています。
日本の場合は、政府の介入がまかり通っているので、株主としてはプンプンと怒りたくなるところもありますが、この高品質で割安に利用できるのであれば、キャリアを使いたいですね。
以上、ドコモとKDDIの2018年度上半期決算の内容でした。
ではでは。
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