製薬会社は高収益企業も多いわけですが、そのなかでもずば抜けた収益力を誇る塩野義製薬(4507)に着目してみました。
配当利回りはそれほど高くないんですが、安定した増配を続けており、30年以上減配もしておらず、株主還元にも積極的な会社です。
抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」や英グラクソ・スミスクラインと共同開発の抗HIV薬「テビケイ」が主力製品。
私たちの身近なところでは、「鎮痛セデス」「ビタミン剤ポポン」「かぜ薬パイロン」などがありますね。痛くなったらすぐセデス!です。
中国の平安グループと合弁会社を設立するなど、中国事業に期待あり、ですね。
塩野義製薬の業績についてまとめてみました。
超高収益企業!!
塩野義製薬は大阪に本社を構える医薬品メーカーです。本社建物は外観がかっこいいですね。
塩野義製薬の営業利益率の推移
その塩野義製薬は、ここ2年は売上高が伸び悩んでいますが、21年3月期は営業利益率41.9%と非常に高い利益率を誇ります。
2016年から段違いの営業利益率を出すようになっていますね。
製薬会社は利益率が高いイメージではありますが、大手医薬品メーカーと比較してみると、塩野義製薬の利益率の高さはかなり高いことが分かります。
中外製薬、武田薬品、アステラス製薬と比較してみると、塩野義製薬の利益率の高さはぶっちぎりですね。
塩野義製薬がひとつ頭を抜けている感がありますね。
これは、塩野義製薬がロイヤリティ収入を得るビジネスを手掛けているのも大きな要因です。
塩野義製薬の売上高の半分はロイヤリティ収入であり、ロイヤリティ収入のうち約80%は抗HIV薬となっています。
現在の収入源の大きな柱でありますが、一本足打法的なところもあり、抗HIV薬の特許が切れる2028年頃までには次の収入の柱を育てる必要があります。
同社社長も新中計の発表の際に、「ロイヤリティのみでずっと成長できるわけではない。少なくとも日、米、中では自社売りを立てて、ここで成長していく」と危機感を持っていることが分かります。
そういう意味でも、中国における合弁会社の設立は期待が大きいところ。
また、新型コロナ関連でも期待されていますが、インフルエンザの流行が小さくなっている点も同社の業績にダメージを与えています。
そして、保有株の配当収入など金融収益も多いので、経常利益率は50%超えとなっています。
魅力的な株主還元!
「成長をともに実感していただける株主還元政策」
な、なんて良い響きなんでしょうか。
定期的な自社株買いに加えて、9期連続増配の増配株です。
また、後程触れますが、DOE(株主資本配当率)を基準にしている点は注目ですね。
そして、配当性向が30%未満と低く、安定した配当が期待できる銘柄です。
売上がやや落ちていますので、連動して増配率が落ちています。
ワクチンビジネスなどが伸びてくれれば、再び強い増配率に戻してほしいものですね。
1株当たり利益であるEPSの上昇は、私たち株主にとっても最重要指標の一つですが、新中計においてEPSの上昇を意識している点は良いことです。
また、株主還元指標としてDOE4%以上を掲げています。
DOE(株主資本配当率)=配当総額÷純資産
- (配当総額÷当期利益)×(当期利益÷純資産)
配当性向×ROEで計算することができます。
配当の指標としては、単年度に稼いだ純利益に対する配当の割合を示す配当性向が一般的だ。
しかし、純利益は年度によって変動が大きく、配当性向だけを基準にすると配当金額が安定しなくなることもある。
一方、DOEの場合、ベースとなる株主資本は株主が出資した資本に、これまで蓄積した利益剰余金を加えたストックであり、比較的変動が少ない。
利益に左右される配当性向による数値目標より、株主資本に着目したDOEによる数値目標のほうが好ましいです。
配当が安定して出してくれるからですね。
強固な財務基盤
塩野義製薬は、自己資本比率87.7%と非常に高く、財務は鉄壁です。何の心配もありません。
利益率の向上に伴い、自己資本も厚くしており、充実した財務状況ですね。
財務基盤は、どこも高い自己資本比率を誇っていますが、塩野義製薬はさらにその上を行きますね。
大型買収を繰り返している武田の財務が悪いのは仕方ないかもですが。
理想的なキャッシュフロー
そして、強固な財務とキャッシュフローも素晴らしいです。
現金を稼ぐ力を見る営業キャッシュフローは安定してプラス推移であり、フリーキャッシュフローも大きくプラスです。
ロイヤリティ収入が安定しているうちは、何の問題もないでしょう。
株価指標
株価はコロナ後に急上昇しましたが、やや業績の鈍化を懸念して株価は下げています。
5000円割れは買いのチャンスかもしれませんね。
やや反発してきています。
指標面を見ておきます。PER14倍とそれほど過熱感ないと思わます。
塩野義製薬は高収益企業
塩野義製薬は、非常に高収益企業として魅力的ですね。
- 製薬業界トップクラスの収益力(営業利益率40%超え)
- 財務基盤は超優良(自己資本比率80%超え)
- 株主還元にも積極的(9期連続増配、30年超減配なし)
- 還元指標にDOE(株主資本配当率)を採用!安定配当が期待
塩野義製薬はとても良い銘柄だと判断しています。
安定配当に加えて、増配も期待できる銘柄ですね。
ロイヤリティ収入に依存している点とインフルエンザの流行が小さくなっている点は、同社のリスクでもあります(ロイヤリティ収入が安定している点は同社の強みでもある)。
製薬企業のなかで、中外製薬のように株価も大きく上げてくれる銘柄として期待したい。
ではでは。
将来のお金の不安を小さくしていくためには、資産運用は欠かせません。
資産運用の代表的なツールが「株式投資」。
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