ホテル宿泊優待券のある共立メンテナンス(9616)。
施設管理の運営をメイン事業として、寮(学生寮・社員寮)ビジネスから始まり、社員の一言をきっかけにドーミーインというホテル事業を展開しています。
このほか、サポート(デベロップメント、フーズ、ビルマネジメント)、育成(シニアライフ、PKP)事業で受託・管理・運営業務を展開。
株価は高値圏からやや下がっていますが、成長力にほれ込み、保有しています。
ビジネスホテルのドーミーインの口コミは非常に高いですね。
その共立メンテナンスの株主優待、業績、配当金推移についてまとめてみました。
共立メンテナンスの株主優待
毎年3月31日及び9月30日現在の最終株主名簿に記載された100株以上の株主に株主優待がもらえます。
- 3月末株主 ⇒ 7月上旬に優待発送
- 9月末株主 ⇒ 12月上旬に優待発送
です。
優待内容は3種類あります。
- 株主優待割引券(年2回)
- 長期保有株主優待制度
- リゾートホテル優待券(年2回)
公式HP 共立メンテナンスの株主優待
株主優待割引券(年2回発送)
ドーミーインなどの運営施設で1000円割引券が保有株に応じて、もらうことができます。
対象施設
学生会館 / 社員寮 / リゾートホテル / ドーミーイン / スパ / 研修センター / 高齢者向け住宅 / 地方自治体からの受託施設 / 通販サイト「共立トラスト NET SHOP」(共立トラスト) / 浅草変身写真館 スタジオ七色(共立トラスト) / 外食店舗(一期一会グループ) / 提携外食店舗(共英グループ)
ご所有株式数 | 枚数 |
---|---|
100株以上~200株未満 | 1枚 |
200株以上~500株未満 | 3枚 |
500株以上~1,000株未満 | 8枚 |
1,000株以上~2,000株未満 | 10枚 |
2,000株以上~5,000株未満 | 25枚 |
5,000株以上~10,000株未満 | 35枚 |
10,000株以上 | 60枚 |
また、毎年3月末時点で3年以上継続保有する株主に「株主ご優待割引券」の長期保有制度があります。
ご所有株式数《長期保有制度》 | 枚数 |
---|---|
200株以上~500株未満 | 1枚 |
500株以上~1,000株未満 | 3枚 |
1,000株以上~2,000株未満 | 4枚 |
2,000株以上~5,000株未満 | 10枚 |
5,000株以上~10,000株未満 | 14枚 |
10,000株以上 | 24枚 |
リゾートホテル(年2回発送)
リゾートホテル(ラビスタ・ドーミー倶楽部を含む)限定の優待件です。
ご所有株式数 | 枚数 |
---|---|
100株以上~500株未満 | 2枚 |
500株以上~1,000株未満 | 3枚 |
1,000株以上~2,000株未満 | 4枚 |
2,000株以上 | 10枚 |
■割引率(目安)
平日(及び一部特定期間):通常料金の約30%割引
休前日・特日等:通常料金の約10%割引
※別途ホテルごとに株主様専用の料金・カレンダーをご用意しております。
※ホテルや季節により、割引率やお食事の設定(1泊2食or1泊朝食)が異なります。■ご利用可能人数および泊数
優待券1枚につき、 ご1泊(1グループ大人10名様まで) ご利用いただけます。
尚、小学生以下のお子様は、ご利用人数制限に含みません。
複数枚のご利用で、連泊や10名様以上でのご利用も可能です。
宿泊費は、家族旅行などでも高くなってしまうので、少しでも割引があると嬉しいですね。
ホテル優待は魅力的です。
株価は50万円近いですので、優待利回りはそれほど高くありません。
ドーミーインに実際に泊まってみましたが、ホテルも快適で、スタッフの対応もいいですね。
名物の無料で食べられる夜鳴きそばは、多くの人が食べに来ていました。
おいしかったです。
共立メンテナンスの業績
共立メンテナンスの業績も確認しておきましょう。
優待が魅力的であっても、業績が悪ければ投資対象とはなりえません。
ただ、共立メンテナンスの業績はすこぶる好調です。
共立メンテナンスの売上高推移
全国の拠点数(寮485、ドーミーイン84、リゾートホテル31、シニアライフ8、2019年3月)を保有しています。
売上高推移です。
2007年度以降、13期連続増収!
安定している、また、需要が旺盛な寮事業、訪日客やビジネス客を取り込み高稼働率で推移しているホテル事業が好調です。
共立メンテナンスは、業界でもトップクラスのホテル運営を展開しています。
対前年度比で見ると、共立メンテナンスは+12.4%(アパホテルは+8.0%)と断トツのトップを誇ります。
外国人には和室のホテルが人気のようですね。
おいしい朝食に、無料の夜鳴き蕎麦(夜食ラーメン)が有名です。
セグメント別の売上高
共立メンテナンスは、寮(学生寮、社員寮・独身寮・社宅、寮・食堂受託)で出発した事業ですが、ホテル事業がメインとなっていますね。
寮事業との2本柱です。
寮は、全国に485棟を保有しています。
学生寮を中心に、外国人学生のシェア寮なども新たに展開しています。
また、口コミの高いドーミーインは全国に84拠点を構えています。
同社の新・中期経営計画によると、22年3月期に、好調な売上を2,200億円にまで増収させる計画です。
営業利益の推移
営業利益の推移を見ておきましょう。
もちろんというばかりで、赤字なんてありません。
営業利益率は、長期で見ていくと右肩上がりで推移しており、収益力が上がっているのが分かります。
セグメント別の利益
最も売り上げの高いホテル事業は10%の利益率ですが、寮事業は16%の利益率と最も高く稼ぎ頭ですね。
デベロップメントは、建設・企画・設計・仲介、分譲マンション、不動産流動化事業ですね。
売上高はまだまだ小さいですが、この部門も伸びていけば、共立メンテナンスは3本柱で成長が進むかもしれません。
共立メンテナンスの成長力
同社の中期経営計画をもう一度見てみましょう。
今でこそ十分な成長期かと思っていたんですが、会社としては開発先行期として捉えているんですね。
花開く20年以降に更なる収益化が始まることを思うと、なんだかワクワクします。
収益の柱である寮事業、ドーミーインやリゾートホテルなどが続々と増えていきますね。
D/Eレシオは1.0以下で推移しており、財務の健全性も維持しています。
業績の推移です。
20年3月期1Qは、会社予想比19.6%とやや遅れていますので、決算状況を注視する必要があります。
【業績】 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 1株益(円) | 1株配(円) |
連17. 3* | 135,828 | 11,815 | 11,514 | 7,135 | 184.4 | 31 |
連18. 3 | 152,021 | 13,087 | 12,928 | 8,778 | 225.9 | 40 |
連19. 3 | 162,811 | 14,567 | 14,321 | 9,567 | 245.4 | 45 |
連20. 3予 | 183,000 | 15,700 | 15,400 | 10,200 | 261.6 | 47 |
連21. 3予 | 200,000 | 18,000 | 17,700 | 11,700 | 300.1 | 48~50 |
20年3月期2Q決算情報
非常に好調な決算でした。通期進捗率も昨年決算よりも進んでいますね。
ホテル事業が前年同期比で10.4%増(営業利益)と、好調に進んでいますね。
決算期 | 売上高 | 営業益 | 経常益 | 最終益 | 修正1株益 | 対通期進捗率 |
17.04-09 | 70,936 | 7,215 | 7,061 | 4,632 | 119.4 | 54.6 |
18.04-09 | 79,204 | 8,044 | 7,839 | 5,319 | 136.4 | 54.7 |
19.04-09 | 93,815 | 9,066 | 8,972 | 6,114 | 156.8 | 58.3 |
前年同期比 | 18.4 | 12.7 | 14.5 | 14.9 | 15 | (%) |
単位:百万円
共立メンテナンスの株主還元(配当)
共立メンテナンスの配当金推移を見ておきます。
配当金・配当性向
配当金は、株式分割考慮後でグラフ化しています。
2010年3月期以降減配なし。
20年3月期の増配を実施すれば、
8期連続増配
となります。
増配を続けてくれるのは、嬉しいですが、注目すべきは配当性向の低さです。
十分な配当余力を有しています。
増配率の推移
増配率の推移です。
やや直近は増配率が低くなっていますので、中期経営計画にあるように、業績が上向けば増配は間違いないでしょう。
配当利回りの推移
株価が好調ですので、配当利回りは1%程度と低いです。
株主還元では、配当性向を20%超をめざしていますので、増配にも期待できます。
営業キャッシュフローマージン
配当金を生みだすための、現金創出力を見る営業キャッシュフローマージンの推移です。
こちらも、徐々に上向いており、現金創出力が高まっています。
共立メンテナンスの株価推移
株価の推移を見ておきます。
まず、1年チャートです。
やや低調ですが、9月以降は上昇基調に再び入っています。
10年チャートです。
18年以降はややもたもたしている感じがします。
ただ、好調な業績を考えると、狙い目とも考えられます。
ホテルの優待もある共立メンテナンス
ドーミーインは訪日外国人にも非常に評判がいいようです。
私はまだ泊まったことがないので、近々泊まりに行ってみたいと考えています。
共立メンテナンスの株価指標を確認しておきます。
- 株価 4895円
- PER 18.7倍(予)
- PBR 2.37倍
- 営業利益率 8.6%(20年3月期予想)
- 配当利回り 0.96%
- 配当性向 18%
- 配当金 8期連続増配(20年3月期予想)
- 営業キャッシュフローマージン 11.0%
- 時価総額 1920億円
- 株主優待 運営施設割引券、リゾートホテル優待券
配当性向は22年3月期に20%をめざしていますが、その先は30%をめざしていくようですので、さらなる増配が期待できる銘柄です。
安定事業である寮事業と、成長ドライバーであるホテル事業、また、規模は小さいですがデベロップメント(建設・企画・設計・仲介、分譲マンション、不動産流動化)事業の成長も楽しみな会社です。
指標面で割安さはありませんが、長期保有には良い銘柄ではないかと考えています。
以上、共立メンテナンス(9616)のご紹介でした。
ホテル優待は、次の記事でもまとめていますので、あわせてご覧ください。
投資判断における指標まとめ
割安ではないですが、成長性を見越して保有方針。
項目 | 現状 | 判断基準 | 結果 |
株価 | 5,260 | ||
PER | 20.1 | ||
PBR | 2.43 | ||
PER×PBR | 48.9 | 22.5以下 | NG |
PEG | 2.6 | 1.0以下 | NG |
配当性向 | 18.0% | 50.0%以下 | OK |
増配年(予) | 8期連続 | 5期連続以上 | OK |
配当利回り | 0.9% | ||
優待利回り | 0.2% | ||
総合利回り | 1.1% | 4.0%以上 | NG |
ROE | 10.4% | (税後営業利益÷自己資本) | |
営業CFM | 11.03% | 15.0%以上 | NG |
EPS成長率 | 7.81% | 10.0%以上 | NG |
自己資本比率 | 40.38% | 50.0%以上 | NG |
BPS | 2,164 | ||
時価総額(億円) | 2062.88 | 300.0以下 | NG |
将来の配当利回り | 4.35% | 7年後の独自試算 | |
配当利回り(将来÷現在) | 4.86 |
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