不動産再生を展開しているサンフロンティア不動産(8934)は、ホテル割引券が株主優待でもらえる会社です。
都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷区)を中心に、不動産再生事業(リプランニング・ホテル開発・賃貸ビル・不動産証券化)を主力に事業を展開しています。
また、不動産サービス事業(仲介、プロパティマネジメント)を展開しており、都心に特化していますが、非常に稼働率が高い状況。
また、海外事業も展開しており、国内富裕層にベトナム・インドネシアへの不動産投資機会を紹介しており、マンション販売などを手掛けています。
ホテル事業が非常に好調で、今後の成長株としても魅力であり、保有しています。
業績の推移
サンフロンティア不動産の堀口社長は、京セラ創業者の稲盛塾の出身者で有名なアメーバ経営を取り入れています。
アメーバ経営は、京セラ名誉会長 稲盛和夫が会社を経営していく中で、実体験から編み出した経営手法です。
アメーバ経営を行っている京セラは、1959年の創業以来一度も赤字を出しておらず、1984年に創業されたKDDIの前身である第二電電も高収益を上げ、発展し続けています。
アメーバ経営は、かつて京セラグループ内で門外不出とされてきましたが、対外的にもコンサルティングを行っていくことに方針を転換、専門展開するために設立されたのが京セラコミュニケーションシステム(KCCS)の経営コンサルティング事業本部です。
これまでさまざまな企業に導入され、近年では、日本航空(JAL)の再建や医療・介護分野へ導入・運用されるなど、アメーバ経営も進化・発展するとともに、大学などの機関からも着目され、学術的な見地からも研究が進められています。
売上高推移
サンフロンティア不動産は、一度死にかけています。
そう!数々の不動産会社がバタバタと倒れてきたリーマンショックです。
大幅な減収に見舞われ、会社は倒産の危機に陥っています。
そこからV字回復をしているわけですが、この時の経営危機が同社をさらに強くしています。
経営の安全性に重点しており、財務も健全で推移。
また、不動産会社のなかでも、非常に高い利益率を誇っています。
高い利益率を誇っているのは、主力の不動産再生が高い利益率を誇っていることが要因ですね。
2019/03 (12か月) | 売上高 | 利益 | |||
---|---|---|---|---|---|
金額 | 構成比 | 金額 | 構成比 | 利益率 | |
不動産再生 | 45,491 | 84.1% | 14,962 | 82.9% | 32.89% |
オペレーション | 3,898 | 7.2% | 413 | 2.3% | 10.60% |
不動産サービス | 3,180 | 5.9% | 1,899 | 10.5% | 59.72% |
その他 | 1,508 | 2.8% | 785 | 4.3% | 52.06% |
リプランニング事業は、ホテル開発も含まれますが、都心の不動産を再生し、不動産投資家や富裕層、私募ファンドへの販売を行っています。
すでに来期の売上の仕入れも完了している点も見逃せません。
都心5区を中心に、5億円から30億円くらいの物件をターゲットとしており、年収数億円の富裕層が顧客であり、銀行側も融資しやすい顧客層を基盤として持っています。
都心のビルオーナーをメインターゲットとしていますが、その顧客は国内だけでなく、海外にも広がっています。
同業他社にはないような不動産会社ですね。
2020年3月期の売上予想は、売上高700億円(経常利益140億円)ですが、1,000億円(経常利益140億円)に引き上げる計画です。
経常利益は前倒しで達成できそうですね。
利益率60%のプロパティマネジメント
また、不動産の管理業務も行っており、稼働率は98%と非常に高い稼働率を誇っています。
利益率が60%超の高収益事業です。
個人的には、貸し会議室事業の成長にも期待しています。
今後、シェアリングビジネスは拡大が予想され、レンタルオフィスは14拠点、5,000席にまで拡大しています。
また、社長がこだわっているホテル事業も順調に進んでいます。
2023年3月には5,000室のホテル開業をめざしていますね。
顧客層に合わせて、4つ程度のホテルブランドを展開し、ニーズに合ったホテル事業を展開していく予定ですね。
あとで、出てきますが株主優待で同社のホテルに泊まることができます。
経営指標
サンフロンティア不動産は、不動産会社のなかでも高収益事業であり、リーマンショックの経験がありますので、自己資本比率50%以上を経営指標の目安としています。
リスクを取り過ぎない経営をしている点も魅力です。
サンフロンティア不動産の株主還元
サンフロンティア不動産は、株主還元にも積極的です。
当社グループは、株主への長期的かつ安定的な利益還元に努めるとともに、将来の成長に向けてホテル事業や海外事業に積極果敢に挑戦する投資資金を確保すると同時に、財務の安定強化も勘案し、総合的に株主の利益に資することを基本方針としております。
配当金は3月期の年1回のみを実施しています。
9期連続増配を予定しており、配当金は10倍以上に増やしています。
また、配当性向は20%程度と十分な増配余地があります。
増配率は低下していますが、業績は好調ですので、増配は期待できます。
キャッシュフロー
営業キャッシュフローマージンはマイナスで推移していますが、棚卸資産が増えているためであり、不動産会社では、よくあることです。
キャッシュフローの推移です。このところは、フリーキャッシュフローがマイナスで推移しています。
株主優待はホテル割引券
保有数 | 宿泊ご優待券 | 宿泊補助券 |
---|---|---|
100株以上 | ◯ | − |
500株以上 | ◯ | ◯ |
100株以上保有している場合は、対象ホテルを1泊12,000円の優待券をもらうことができます。
また、500株以上の保有で、12,000円の優待券に合わせて、5,000円の宿泊補助券をもらうことができるので、実質7,000円で泊まることができますね。
対象ホテルは次のようになっています。
これをさらに拡充されました。
宿泊ご優待券
- 日和ホテル舞浜
- 日和ホテル大阪なんば駅前 (2019年5月開業)
- 日和ホテル銀座東 (2019年12月開業予定)
- コートヤード・バイ・マリオット大阪本町
宿泊補助券(3年以上で500株~2枚、1000株~4枚)
- 日和ホテル舞浜
- 日和ホテル大阪なんば駅前 (2019年5月開業)
- 日和ホテル銀座東 (2019年12月開業予定)
- たびのホテル飛騨高山
- たびのホテル佐渡
- コートヤード・バイ・マリオット大阪本町 (2019年10月開業予定)
同社のホテルは、非常に口コミも高いようですので、期待ができます。
株主優待がもらえるのはうれしいですね。
【2021年3月の権利確定日】
- 3月末日が権利確定日の権利付き最終日は3月29日(月)(この日までに株保有が必要)
権利落ち日は、3月30日(火)(この日以降に株を売っても優待がもらえる日)
サンフロンティア不動産の株価チャート
サンフロンティア不動産の株価チャートです。
2020年3月期2Q決算の発表を受けて、株価は暴落しました。
その理由は、7月-9月期の業績が非常に悪かったためです。
決算期 | 売上高 | 営業益 | 経常益 | 最終益 | 修正1株益 | 売上営業 損益率 |
---|---|---|---|---|---|---|
17.10-12 | 8,987 | 1,973 | 1,853 | 1,257 | 29.3 | 22.0 |
18.01-03 | 13,990 | 3,732 | 3,561 | 2,514 | 56.8 | 26.7 |
18.04-06 | 18,211 | 4,839 | 4,747 | 3,258 | 66.9 | 26.6 |
18.07-09 | 14,818 | 4,201 | 3,997 | 2,718 | 55.8 | 28.4 |
18.10-12 | 12,167 | 3,122 | 3,002 | 1,987 | 40.8 | 25.7 |
19.01-03 | 8,095 | 1,143 | 1,067 | 820 | 16.8 | 14.1 |
19.04-06 | 32,652 | 9,867 | 9,758 | 6,697 | 137.5 | 30.2 |
19.07-09 | 7,983 | 1,325 | 1,284 | 845 | 17.4 | 16.6 |
前年同期比 | -46.1 | -68.5 | -67.9 | -68.9 | -68.8 | (%) |
売上、利益ともに大きくマイナスでした。
セグメント別にも見ておきましょう。
売上高 | 不動産再生 | 不動産サービス | オペレーション | |
4-6期 | 2018 | 16,394,483 | 788,388 | 903,031 |
4-6期 | 2019 | 30,447,154 | 844,334 | 1,277,971 |
7-9期 | 2018 | 12,807,908 | 896,543 | 1,060,673 |
7-9期 | 2019 | 5,167,917 | 870,696 | 1,437,788 |
4-9期 | 2018 | 29,202,391 | 1,684,931 | 1,963,704 |
4-9期 | 2019 | 35,615,071 | 1,715,030 | 2,715,759 |
4-6期 | 前年同期比 | 185.7% | 107.1% | 141.5% |
7-9期 | 前年同期比 | 40.3% | 97.1% | 135.6% |
7-9月期で見ると、主力の不動産再生事業が大きく減少しています。
利益 | 不動産再生 | 不動産サービス | オペレーション | |
4-6期 | 2018 | 5,149,344 | 459,210 | 133,234 |
4-6期 | 2019 | 10,665,752 | 544,127 | 108,088 |
7-9期 | 2018 | 4,422,245 | 589,457 | 123,831 |
7-9期 | 2019 | 1,627,431 | 560,909 | 99,471 |
4-9期 | 2018 | 9,571,589 | 1,048,667 | 257,065 |
4-9期 | 2019 | 12,293,183 | 1,105,036 | 207,559 |
4-6期 | 前年同期比 | 207.1% | 118.5% | 81.1% |
7-9期 | 前年同期比 | 36.8% | 95.2% | 80.3% |
7-9月期のセグメント利益でも、大きく減少しており、全部門でマイナスです。
利益率で見れば、そこまで大きくは減っていませんが、主力の不動産再生は利益率も低下しています。
利益率 | 不動産再生 | 不動産サービス | オペレーション |
4-6期/2018 | 31.4% | 58.2% | 14.8% |
4-6期/2019 | 35.0% | 64.4% | 8.5% |
7-9期/2018 | 34.5% | 65.7% | 11.7% |
7-9期/2019 | 31.5% | 64.4% | 6.9% |
4-6月期が好調過ぎたので、その反動かもしれません。
10-12月期以降の決算を注視しておく必要がありますね。
おかげで含み損ですが、今のところ大して気にしていません。
第2四半期累計決算【実績】
上半期で見ると、1Q決算が爆益決算でしたので、増収・増益を達成しています。
決算期 | 売上高 | 営業益 | 経常益 | 最終益 | 修正1株益 | 対通期 進捗率 |
---|---|---|---|---|---|---|
17.04-09 | 24,486 | 5,534 | 5,341 | 3,649 | 85.4 | 49.7 |
18.04-09 | 33,029 | 9,040 | 8,744 | 5,976 | 122.7 | 68.2 |
19.04-09 | 40,635 | 11,192 | 11,042 | 7,542 | 154.9 | 78.9 |
前年同期比 | +23.0 | +23.8 | +26.3 | +26.2 | +26.2 | (%) |
ひそかに上方修正を期待していましたが、「意思のある踊り場」として人材育成や仕入れ重視で、あえて上方修正はせずに、通期予想をしっかりと達成していくことを重要にしているようです。
月足の株価チャートです。
株価指標を見ておきます。
- 株価 1264円
- PER 6.5倍
- PBR 1.0倍
- 配当利回り 3.13%
- 配当性向 21.3%
- ROE 16.8%
- 時価総額 616億円
- 自己資本比率 50.3%
指標面でも割安に感じます。
サンフロンティア不動産はホテル優待株としても魅力
配当性向は20%程度であり、9期連続増配株と増配力のある銘柄です。
また、配当利回り3%程度と高く、増配と合わせて将来の高配当株としても着目しています。
加えて、株主優待。
同社が運営するホテルの株主優待も魅力ですね。
100株保有で1泊12,000円で泊まれる優待券がもらえるので、旅行にも使えますね。
高い収益力と健全な財務基盤を有しており、主力の不動産再生を中心に、ホテル事業、貸し会議室、プロパティマネジメントと非常に魅力的に感じます。
将来の高配当株候補として、のんびりと保有していく方針です。
以上、サンフロンティア不動産のご紹介でした。
ではでは。
将来のお金の不安を小さくしていくためには、資産運用は欠かせません。
資産運用の代表的なツールが「株式投資」。
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