東証2部上場企業のMCJ(6670)はあまり知られていないかもしれませんが、「mouse」などを手掛けるPCビジネス中心の持株会社です。
5年前に買ったパソコンが突如動きが鈍くなったと思ったらそのまま逝ってしまったので、急遽エディオンに駆け込みました。
色々とパソコンの話を聞いていたんですが、mouseのパソコンについて、「性能も良く大手メーカーにはできない低価格で出しているので人気が出ている」と店員さんの話を聞き、mouseを製造している会社を調べてみたのがMCCJという上場企業でした。
特化型製品のクリエイター向け・ゲーム向けパソコンは受注生産(BTO)も得意で、ゲームPCコーナーにはmouseのパソコンがずらりと並んでいます。
パーツの仕入れからパソコン・モニターの開発、アフターサービスまでの一気通貫のバリューチェーンを有しているのが強み。
mouseは目的に応じてカスタマイズできるのも人気のようです(WEBから買えばほしいのがあったのですが、1分でも早くほしかった私は別ブランドを買うに至りました)。
このほか、パソコンショップと修理の「パソコン工房」運営「iiyama」ブランドの液晶ディスプレイなどを手掛けています。
配当金、株主優待も魅力的な銘柄です。
MCJの業績
MCJはパソコン関連事業が大部分を占めます。
業績は順調に伸びてきていますね。
Windows7のサポート終了に伴うパソコン買い換え需要を取り込めているのもプラスのようです。
営業利益の推移
パソコンメーカーは熾烈な競争下のなかで、順調に利益を上げており、営業利益率は上昇傾向。
特にこの四半期決算の推移ですが、2020年3月期の7-9期(2Q)は増税前という事情もありますが、利益率が上昇している点は良いですね。
中間決算では、通期予想に対してすでに67.1%に達しており好調です。
四半期決算で爆益決算をたたき出していますね。
期 | 売上高 | 営業益 | 経常益 | 最終益 | 修正1株益 | 売上営業損益率 |
17.10-12 | 34,086 | 2,472 | 2,493 | 1,663 | 17.1 | 7.3 |
18.01-03 | 34,494 | 2,521 | 2,721 | 1,764 | 18.1 | 7.3 |
18.04-06 | 32,489 | 2,616 | 2,542 | 1,774 | 18.1 | 8.1 |
18.07-09 | 31,294 | 1,922 | 1,964 | 1,360 | 13.9 | 6.1 |
18.10-12 | 34,897 | 2,300 | 2,352 | 1,695 | 17.3 | 6.6 |
19.01-03 | 38,584 | 2,850 | 2,832 | 1,826 | 18.6 | 7.4 |
19.04-06 | 34,654 | 3,007 | 3,038 | 2,113 | 21.6 | 8.7 |
19.07-09 | 38,075 | 3,645 | 3,721 | 2,485 | 25.3 | 9.6 |
前年同期比 | 21.7 | 89.6 | 89.5 | 82.7 | 82 | (%) |
mouseブランドは利益率の高いEC販売、法人向けの販売が堅調。
ゲーミングPCや増税前のプロモーションが奏功したようです。
欧州でも人気のiiyamaブランドのディスプレイ。為替の影響を乗り越えて好調。
20年3月期決算予想
単位は百万円です。
20年3月期は上方修正を出しており、増税後の売り上げ状況によってはさらなる上方修正もあるかもしれません。
増配も続いており、配当株としても魅力が高まってきています。
決算期 | 売上高 | 営業益 | 経常益 | 最終益 | 修正1株益 | 1株配 |
2016.03 | 103,288 | 5,167 | 5,014 | 3,087 | 31.7 | 13 |
2017.03 | 108,727 | 7,463 | 7,503 | 5,030 | 51.7 | 26 |
2018.03 | 124,544 | 8,504 | 8,743 | 5,811 | 59.8 | 36 |
2019.03 | 137,264 | 9,688 | 9,690 | 6,655 | 67.9 | 20.5 |
2020.03 | 143,480 | 10,110 | 10,071 | 6,821 | 69.5 | 20.87 |
中期経営計画の進捗を見ておきます。
同社は3年ごとに中期経営計画を策定していますね。
営業利益率は上昇傾向ですので、目標の6~7%を上回る9.1%となっています。
ROIC、ROEの効率性指標は通期で開示予定。
配当性向は段階的に引き上げており、30%以上としています。
MCJの株主還元(配当金、株主優待)
MCJの株主還元を見ておきましょう。
配当金の推移
配当金の推移ですが、8期連続の増配を予定(21.3)しています。
配当性向を段階的に引き上げており、現在の目安は30%としています。
利益成長がなければ、配当の維持・減配があります。
増配率の推移
2016年に配当性向25%へ引き上げ、2018年に配当性向を30%に引き上げており、株主還元を強めています。
当面は配当性向30%で推移すると想定されるので、増配は業績次第ですね。
営業キャッシュフローマージン
営業キャッシュフローマージン(営業キャッシュフロー÷売上高)の推移ですが、それほど高くありません。
株主優待
MCJは株主優待を実施しています。
100株保有の場合は、ワンコインのパソコン診断が2枚もらえますね。
1,000株以上保有する場合は、パソコン診断券に加えて、1万円相当のオリジナルカタログがもらえます。
優待利回りは1.5%程度です。
iiyamaブランドのディスプレイももらえます。
私は、飯山市のふるさと納税で手に入れましたが、目にもやさしく使いやすく、大満足の商品。
優待で選んでもらうこともできるので、魅力的な優待ですね。
MCJのライバル会社との比較
MCJのライバル会社として、
IOデータ(6916)、エレコム(6750)、バッファロー傘下のメルコHD(6676)をピックアップしてみました。
ライバル会社との指標面や業績面での比較は、LINE証券の「銘柄スカウター」というツールが便利ですので、同社の口座を持っておくといいです。
スマホアプリでも見れるようになったので、ますます便利です。
指標の比較
指標面でみると、MCJが特別割安というわけではありません。
IOデータはPER7.7倍、PBR0.49倍とかなり割安ですね。
成長株のエレコムも興味がありますが、MCJの良さはエレコム同様ROEが高く、経営効率が良い点が挙げられます。
業績(通期)面での比較
MCJとエレコム、IOデータともに好調ですね。
営業利益も好調です。
青線棒グラフが売り上げ、赤線折れ線グラフが営業利益です。
四半期売り上げ・営業利益の推移
青線棒グラフが売り上げ、赤線折れ線グラフが営業利益です。
四半期ごとの推移です。
IOデータがやや他社と比較して、見劣りするように見えます。
前年同期比で比較してみると、MCJの業績がかなり好調なのが分かりますね。
MCJはプロモーション活動にも力を入れているようなので、それが奏功しているのかもしれません。
PER・PBRの推移(過去2年)
M
Jは高値からやや下がってきています。
PBRの推移です。
エレコムの株価はかなり好調なので、PER、PBRも高いですね。
最後に実績配当利回りの推移です。
配当利回りでみると、MCJとIOデータが3%程度と高くなっています。
財務分析結果です。
MCJへの投資方針
MCJが目標としているKPIです。
ROIC12%以上、ROE12%以上と効率経営ができています。
配当性向を引き上げ、増配にも力を入れている株主還元を強化する姿勢にも共感できますね。
株価の推移ですが、高値からはやや落ちています。
2018年9月の高値を超えてくることがあれば、さらなる株価上昇が期待できるのではないでしょうか。
eスポーツの普及やゲーミングPCなど今後の成長期待を持っています。
増配株、そして、株価の成長期待もあり、同社株へ投資をしています。
まだ少額なので、株価の状況を踏まえながら買い増ししていく方針。
東証2部銘柄ですので、1部上場への期待もあり、しばらく保有していこうと思います。
ではでは。
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