商社のなかでも最強とも思える三菱商事(8058)。
20年3月期は海外子会社の清算などもあり、純利益を800億円も下方修正しています。
一方、配当金は年125円の期初予想を132円に引き上げ、増配としていますね。
業績を下げているのに、増配を断行したわけですが、日経新聞の記事を読んで、そのからくりを知ることができました。
三菱商事は無理なく増配を実施しており、累進配当銘柄として、魅力度が上がっているように思います。
三菱商事の株主還元
三菱商事は、「累進配当」政策を掲げる数少ない上場企業です。
「累進配当」とは、減配せず、配当を維持または増配をする株主還元方針のことを言います。
減配をしないというのは非常に心強いですね。
三菱商事の2021年中期経営計画では、配当性向を35%程度に引き上げることを目標に掲げています。
配当性向は目標の35%超え
20年3月期を1株132円(前期比+7円)の増配を発表したことで、
配当性向は39.7%
と、すでに目標の35%を超える水準になっています。
この点で、20年3月期2Q の決算説明会において、
次の3点を述べられています。
- 配当性向35%の目安は、日経225組入銘柄の平均水準を意識している
- 配当性向40%は、東証上場銘柄の時価総額上位100社の平均と同等であり、おかしくない水準
- 累進配当により1株配当額を下げないことを主眼に置く
増配は、4期連続の増配となりますね。
増配でも配当総額が増えていない
三菱商事が無理なく増配を実施している理由です。
増配を実施したのにも関わらず、
配当総額が増えていません。(むしろ若干減っている)
- 19年9月30日 97,935百万円(1株64円)
- 18年9月30日 98,360百万円(1株62円)
配当総額の推移をグラフ化しました。
グラフの20年3月期は上半期時点ですので、注意してください。
配当性向の引き上げとともに、配当総額も増えていたのですが、20年3月期は、配当総額を増やさずに増配を実施しています。
今日の日経新聞。
— ジン@配当金再投資 (@jin_walletplus1) November 22, 2019
三菱商事は、自社株買いをすすめて、増配をしても配当総額は増えておらず、無理のない増配となってる。
なるほど。自社株買いにはそういう効果もあるのか。
小さな記事だけど、非常に勉強になった。
三菱商事は累積配当で減配しない方針。https://t.co/jpvtiKHHxV
気付きを与えてくれた記事ですが、
『自社株買いで配当を支払う株数が減ったため、約2000億円の配当総額を維持したまま増配できる』
というわけです。
自社株買いについては、知識不足でしたが、こんな効用もあったとはと非常に勉強になりました。
三菱商事は、
20年3月期に3000億円の自社株買いを実施する予定です。すでに1700億円は自社株買いを実施。
つまり、三菱商事は自社株買いによって配当総額を減らしつつ、増配を維持できているというわけですね。
ちなみに、NTTも同様に自社株買いを積極的に行い、配当金を増やし続けています。
キャッシュ創出力が高い
配当の源泉は、事業利益から生み出す「キャッシュ」です。
20年4月~9月期のフリーキャッシュフローは、3852億円となっており前期比で2357億円も増えています。
こうしたキャッシュを生む力が強いので、増配を続けることができるわけですね。
日本経済新聞の記事によると、他社と比較しても、事業売却によるキャッシュ創出力が高いようです。
- 三菱商事 事業売却益 2584億円
- 三井物産 900億円
- 伊藤忠商事 800億円
いずれも、20年3月期上半期ベース。
三菱商事は、約17.5兆円の資産を有し、約1.2兆円の現金を有しています。
財務良し、キャッシュ創出力良し、配当良しともう言うことない会社ですね。
三菱商事の株主優待
また、三菱商事の隠れ優待として、静嘉堂文庫美術館の無料招待券がもらえます。1株でももらえます。
安定配当株として、配当成長株としても有望
三菱商事は、株主還元に積極的であり、今回の決算(20年3月期2Q )で配当性向に対する考えも分かり、ますます魅力的になりました。
株主通信では、19年度の増配に対する考えは全然わかりませんでしたが、きちんと増配を知れっと発表してくれるあたりがにくいですね。
再掲ですが、決算発表時の質疑応答での注目の発言です。
- 配当性向35%の目安は、日経225組入銘柄の平均水準を意識している
- 配当性向40%は、東証上場銘柄の時価総額上位100社の平均と同等であり、おかしくない水準
- 累進配当により1株配当額を下げないことを主眼に置く
増配は、4期連続の増配となりますね。
最後に株価チャートを見ておきましょう。
株価は底値を打って上昇に入り始めているように思いますね。
PER8倍、PBR0.79倍と指標面でも割安な水準です。
加えて、配当利回り4.6%は魅力的すぎますね。
項目 | 現状 |
株価 | 2,840 |
PER | 8.3 |
PBR | 0.79 |
PER×PBR | 6.6 |
PEG | -3.9 |
配当性向 | 33.1% |
増配年(予) | 4期連続 |
配当利回り | 4.6% |
優待利回り | 0.0% |
総合利回り | 4.6% |
三菱商事は、日本でもトップクラスの会社。
株主還元に積極的になっていますので、魅力的な銘柄です。
やはり、キャッシュ創出力の高い銘柄はいいですね。
ではでは。
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