新型コロナウイルスの影響が決算にも表れてきています。
保有株のうち、通信大手のNTTドコモ(9437)が決算を発表しています。
1998年の上場以来、22年減配しておらず、安定高配当株として魅力的な銘柄です。
コロナショックで株価が暴落したときも、下落幅は小さく、安心して保有できていた銘柄です。
通信株は、新型コロナウイルスの影響を受けていない銘柄という認識でしたが、決算を見ると影響を少なからず受けている様子。
携帯電話収入の減少
政府の圧力もあり、料金プランの変更によって、NTTドコモには逆風が吹いている状況です。
通信料金の4割削減という官房長官の言葉もあり、4割削減プランを導入したことで、営業利益は15%の減少となっています。
当初想定よりは、減益幅は小さくなっていますね。
21年3月期は、コロナの影響が見通せないため、業績予想は、配当金を除いて、非開示となっています。
こんなことはNTTドコモにとっては、初めてではないかと思います。
ほかの上場企業も決算予想は非開示というのが多いですね。投資家としては判断しづらい状況が続いています。
営業利益の増減要因
モバイル収入の大幅減に加えて、端末割引制限の影響も大きく出ています。
モバイル収入の減少より、端末販売の収入減のほうがかなり大きいですね。
販売関連でそれだけ利益を上げていたのだなと改めて思いました。
新型コロナウイルスの影響
新型コロナウイルスの影響って何があるんだろうかと思っていたんですが、開示されていました。
NTTドコモは、訪日外国人向けに国際ローミングを提供していますが、訪日外国人は20年3月は前年同月比93%減という状況。
壊滅的です。
また、端末販売は割引制限に加えて、営業時間短縮などにより来店者数の減少なども影響しているようです。
4月の携帯ショップの来店客数は7割減少しているようで、さらなる減益要因となりそうです。
加えて、通信部門以外の収益源である金融・決済部門も消費減少で影響を受けています。
平均単価は下がっていない
一人当たりの利用料金収入ですが、4760円とあまり下がっていないですね。
ただ、モバイルが下がっていることが業績に影響していますね。
18.4Qの5240円から19年4Qには4890円にまで下がっています。
20ギガ以上の大容量となるデータプランは、NTTドコモはその比率が22%ですが、ソフトバンクの49%やKDDIの25%よりも低い状況。
また、契約者の4割が1ギガ(月)のライトユーザーであることも影響しているようです。
dポイント・dカード
ドコモ会員以外でも利用できるdポイントクラブの会員数は順調に増えていますね。
私もドコモは利用していませんが、dポイントは貯めていますw
dカードとdカード GOLD、d払いなどが順調に増えています。dカード GOLDの割合が、dカード保有者の約半分という高い数字に加えて、前年比から30%も増加しています。NTTドコモにとって、安定して年会費収入もあるので、この分野が伸びていることはプラスですね。
気になる配当金の推移
NTTドコモは1998年の上場以来、一度も減配をしておらず、配当を減配しない累進配当銘柄と言えます。
配当性向は徐々に切り上がっています。
20年3月期は66.7%とやや高い水準ですが、余力は十二分にあります。
21年度は決算予想を非開示としているため、配当性向の算出はできません。
配当金は1株120円を維持するとのことなので、6期連続で続けていた増配はストップということになります。
手元資金のこともやや残念です。決算説明資料についても、配当について触れられていません。
現金を稼ぐ力は健在
業績はやや悪化していますが、現金を稼ぐ力は高いレベルを保っていますね。
営業キャッシュフローマージンは28%と極めて高く、現金等は約4000億円を保有していますので、長期的には増配も続いていくだろうと考えます。
NTTドコモの株価推移
コロナショックの際には株価は大きく下げていますが、ほかの銘柄に比べるとかわいいものです。
すぐさま切り返して、コロナショック前の水準で推移しています。
強固な財務と安定配当株として投資資金が集まっていますね。
9437 NTTドコモの株式指標 | |
株価 | 3,295円(R2.4.28) 最新の株価はこちら(株探) |
PER(予) | – |
PBR(実) | 2.03 |
ミックス係数 | – |
配当利回り(予) | 3.6% |
配当性向(予) | – |
NTTドコモは配当株として保有
NTTドコモを手放す予定はありませんが、今回の増配ストップはやや残念でした。
安定配当株として配当収入減として保有し続ける方針です。
5Gの計画も発表されていましたが、今後5Gが普及するにつれて、そのインフラを支えるNTTドコモにも期待ですね。
新型コロナウイルスの影響は、各社の決算に表れており、きつい決算が出ることが予想されます。
そのなかで、1株配当維持を発表したことは良いことですし、安定通信料収入のあるドコモは保有できますね。
解約料金の引き下げにより、他社へ移り変えがしやすくなっていますが、解約率は18年度の0.57%から0.54%(19年度)と下がっており影響なしです(そもそも1%を切る解約率はほかのサービスではほとんどないでしょう)。
NTTドコモは増配ストップですが配当維持!という内容でした。
ではでは。
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