我が家は日本たばこ産業(JT、2914)を4000株以上保有しており、3月には20万円以上の配当金を受け取りました。
そのJTが2019年第1四半期の決算を発表しましたね。
JTの株価は2018年以降下落が止まらないので、我が家も大量保有しているのに、含み損が膨らんでおります・・。
ただ、配当金目的なので、さほど気にせず淡々と買い増しする方針ですが、やはり決算は重要なので見ておきたいですね。
2019年第1四半期の決算とJTの株価が下落が止まらない理由を考えてみました。
JT 2019年第一四半期決算は好調!
国内たばこ事業は年10%ずつ縮小していますし、海外は新興国を中心に為替の影響で業績はどうせよくないんだろうな・・・と思っていたら、意外にも好調な決算発表となりました。
営業利益は、対前年四半期で+24.4%と大幅増益、純利益も+27.9%にも上っています。
営業利益率は36.1%と対前年同期の28.5%から急上昇しました。
医薬品の一時金収入も大きいようですが、好決算でしたね。
セグメント別に見てみると、たばこ事業の収益の高さが伺えます。
- 国内たばこ事業は営業利益率 35.2%
- 海外たばこ事業の営業利益率 28.9%
たばこ事業は利益率が高いですね。
ホント。超高収益です。
為替一定調整後営業利益は7%成長
JTは海外たばこ事業が6割ほどを占め、為替の影響を受けます。
そのため、その影響がないと仮定した為替一定調整後の営業利益を見るのが大切です。
海外たばこ事業は為替の影響は受けていますが堅調に推移し、国内事業はプルームテックの数量が伸びているようです。
売上収益は微減でしたが、収益力が増している決算です。
国内たばこ事業
プルームテックの販売数量が伸びており、売上に貢献しています。
決算資料からは分かりにくいですが、プルームテックの国内シェアは8%程度。
トップシェアのiQOS(アイコス)率いるフィリップモリスが8割程度なので、その差は歴然たるものがあります。
決算資料にも目盛りをあえていれていないのは、その自信のなさの表れでしょうか。
これまでプルームテックは低温式だけで吸い応えに不満があったようですが、アイコスと同じ高温式(紙巻きたばこと同じ吸い応え)の商品を導入し、巻き返しを図る戦略です。
全国販売を開始するので、どこまでフィリップモリスの牙城を崩せるかですね。
海外たばこ事業
為替の影響を加味すると減益決算でしたが、為替一定ベースでは対前年同期と比較して、増収増益の決算となりました。
国内たばこ事業は縮小するしかありませんので、海外での売り上げをどこまで増やせるかですね。
JTの株価が下落しているのは?
JTの株価は下落しまくっているわけですが、その一つの理由にJTの株主(所有者別)の影響があるのではないでしょうか。
下記は、有価証券報告書の所有者別株主から分かる株主の構成です。
JT法で政府が33%保有しています。
決算期 | 個人 | 法人 | 外国 | 金融 | 証券 | 政府 |
第16期 平成13年03月31日末 | 7.2 | 1.3 | 10.7 | 13.9 | 0.1 | 66.8 |
第17期 平成14年03月31日末 | 6.7 | 1.2 | 11.2 | 14.1 | 0.1 | 66.7 |
第18期 平成15年03月31日末 | 6.2 | 1.1 | 11.7 | 13.8 | 0.4 | 66.7 |
第19期 平成16年03月31日末 | 8.2 | 1.1 | 12.8 | 13.1 | 0.3 | 64.5 |
第20期 平成17年03月31日末 | 9.4 | 1.1 | 23.7 | 15 | 0.7 | 50 |
第21期 平成18年3月31日末 | 8 | 0.9 | 27.4 | 12.7 | 0.9 | 50 |
第22期 平成19年3月31日末 | 7.4 | 0.9 | 29 | 11.8 | 0.9 | 50 |
第23期 平成20年3月31日末 | 7.1 | 0.8 | 28.9 | 12.7 | 0.6 | 50 |
第24期 平成21年3月31日末 | 7.4 | 0.8 | 26.1 | 15.2 | 0.5 | 50 |
第25期 平成22年3月31日末 | 7.2 | 0.7 | 26.5 | 15 | 0.6 | 50 |
第26期 平成23年3月31日末 | 7.8 | 0.7 | 26.6 | 14.4 | 0.6 | 50 |
第27期 平成24年3月31日末 | 7.5 | 0.5 | 27.4 | 13.5 | 1.1 | 50 |
第28期 平成25年3月31日末 | 15.9 | 1.1 | 33.5 | 15 | 1.1 | 33.3 |
第29期 平成26年3月31日末 | 13.4 | 0.9 | 35.1 | 15.9 | 1.4 | 33.3 |
第30期 平成26年12月31日末 | 13.7 | 1.3 | 33.6 | 15.9 | 2.3 | 33.3 |
第31期 平成27年12月31日末 | 14.0 | 0.6 | 32.1 | 17.2 | 2.8 | 33.4 |
第32期 平成28年12月31日末 | 14.8 | 0.8 | 30.9 | 17.3 | 2.8 | 33.4 |
第33期 平成29年12月31日末 | 16.3 | 1.0 | 27.4 | 18.6 | 3.3 | 33.4 |
第34期 平成30年12月31日末 | 22.4 | 1.1 | 20.0 | 19.9 | 3.2 | 33.4 |
国の予算にJTの配当金はくみいれられているので、配当の持続性は高いでしょう。
この所有者別から「外国株主」の動向を抽出してみます。
なんだか見たことのある動きですね。
JTの株価月足チャートです。
うーん、そっくりです。
外国人がJTの株価を売りまくっているのは間違いありません。
では、JT株を外国人が売りまくっているのはなぜか?
その一つの理由にESG投資が挙げられると言われています。
日本取引所がプロデュースしている東マネ部によると、
ESG投資とは、
ESGとは、環境(Environmental)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの頭文字「E」「S」「G」をつなげたものです。
そして、ESG投資とは、これら3つの要素に対する企業の取組み状況に基づいて投資対象企業を選別する投資手法のことです。
つまり、CO2の排出量削減など環境(E)に配慮した経営を行っている企業、女性の社会進出支援など社会(S)に配慮した経営を行っている企業、そして、社外取締役の採用などガバナンス(G)に配慮した経営を行っている企業に投資をする、という投資手法です。
たばことかアルコールとかそういう企業への投資を排除しようという流れです。
一度手放せば、買い戻すことはないでしょうから、外国人投資家がJT株を買いまくって株価が底上げされるというのは難しいでしょう。
JT株の業績うんぬんより、ESG投資の方針により、たばこ株は買わない
というメッセージです。
環境、健康を守らない企業には投資しない
世界最大の政府系ファンドであるノルウェー政府年金基金(GPRG)は、2019年3月8日に石油やガス関連株の一部を投資対象から外すと発表しています。
同基金のサイトには、「環境破壊に影響」「たばこを製造」「人権侵害」などを理由とした投資排除リストを明記しています。
<ノルウェー政府年金基金(GPRG)の主な投資排除・経過観察リスト>
石油・資源 |
|
電力 |
|
たばこ |
|
人権侵害 |
|
核兵器関与 |
|
などが挙げられています。
こうした銘柄は、ESG投資の対象外となり買いが入りにくい状況ですね。
フィリップス・モリス・インターナショナル(PMI)は紙巻きたばこから全面撤退(次世代たばこへの転換)を方針として打ち出しています。
JT株は買いか?
こうした外国人投資家の売りまくりの状況なので、株価は一向に上がりません。
海外の年金機構などが売りつくせば、株価下落リスクは小さくなるかもしれませんね。
2018年末時点で外国人株主は、まだ20%ほどあります。
ピーク時の35%(平成26年3月末)から半分近くにまで下がっていますが、まだまだ下がるかもしれませんね。
我が家はJT株を買い増す方針です
JTの株価は下がっていますが、業績がめちゃくちゃ悪いかと言われると、そうではありません。
むしろ、ほとんど横ばいで推移しています。
営業利益率も高く、赤字になるような会社ではありません。
現金を稼ぐ力を見る営業キャッシュフローマージンも20%前後と高水準で推移しています。
我が家は、政府保有株であることや、株価の下落が業績の急落から来ているものではないと考えているので、淡々と買い増す方針です。
※投資は自己責任でお願いします。
JTの魅力は安定した配当金
JTは15年連続で増配を実施していますし、安定配当株として魅力があります。
配当性向は70%ほどと高くなっていますが、たばこ会社はフィリップモリス・インターナショナルしかり、ブリティッシュ・アメリカン・タバコしかり、アルトリア・グループしかり、どこの大手たばこ会社も80%くらいの配当性向です。
ちなみに、株主の話に戻しますが、外国人投資家はJT株を売りまくっているわけですが、
個人は買いまくっています!!w
やはり、配当利回りが急上昇してから買いまくっているんですね。
我が家も利回り4.5%超えてから買いまくりましたが、ちと動くのが早かったなーと反省。
外国人投資家が売りまくって、個人が買いまくれば、株価はそろそろ・・・?
まとめ
JTの第一四半期決算は、
- 営業利益率36.1%と好決算
JTの株価が下落しているのは、
- 外国人投資家が売りまくっているから?(ひとつの要因)
JTの業績は、
- とっても安定している
JTはESG投資の対象外であり、
- ノルウェー年金基金などから投資されない状況
JTにキャピタルゲインを求めてはいけません。
インカムゲイン狙いなら良い投資対象になりそうですが、値上がり益を狙うのであれば痛い目に合うだけでしょう。
インカム狙いのため、JTは安定配当株として、我が家は5000株を目標に買い増ししていきたいですね。
高配当株として魅力があります。
以上、JT株に関する考察でした。
将来のお金の不安を小さくしていくためには、資産運用は欠かせません。
資産運用の代表的なツールが「株式投資」。
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少額でも投資する良い方法があります。
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コメント
初めまして
いつも拝見させていただいております。
私もジンさんと同じく高配当株投資をさせていただいています。
3月末に購入後、下がっているところを買ったのですが、まだ
下がって行くのでなんとなく海外の人々が、ESGを理由に売って
いるのかな?とは思っていたところ、ジンさんのブログで参考データを
拝見し、「やっぱりそうだな」と実感しておりました。
今後もブログ活動がんばってください。
yysbさま
はじめまして!
コメントありがとうございます。
高配当株投資をされているんですね。同じ仲間ですね。
JTの下げはきついですが、配当金は安定して出ると思いますので、
これからも保有していきたいですね。
はい、ブログ活動も続けていきます^^ありがとうございます。