イオンって普段、身近な存在なんですが、株式投資をする際にはあまり見てこなかったので、見てみました。
グループ企業数は上場企業26社を含む300社を超え、連結営業収益は8兆5,100億円(2019年2月期)と、小売業界ではダントツの売上を誇ります。
2位のセブン&アイHDは、6兆7,400億円(2019年2月期)ですので、約2兆円もの差があるわけです。
イオンすごいな!
日本国内のみならず中国、ASEAN各国においても、事業展開をしており、グローバルに活躍する会社がイオンですね。
イオンの配当利回り、株主優待や、そもそも一体どうやって稼いでいるのかを見てみました。
イオンの株主還元
イオンは、純粋持ち株会社であり、その下に様々な会社をぶら下げていますね。
この持ち株会社であるイオンの配当金と配当性向の推移です。
過去5年減配していませんが、配当性向は100%を超えており、利益以上に配当を出しています。
配当の原資となる営業キャッシュフローマージンを見てみると、5%程度と高い部類ではありません。
小売業はそんなに儲かるってわけじゃないですからね。
株主優待
ちなみに、株主優待は株数に応じて、割引が受けられるオーナーズカードがもらえます。
3年以上継続保有であれば、イオンギフトカードももらうことができます。
優待内容名 | 優待獲得株数 | 備考 | |
---|---|---|---|
優待カード(オーナーズカード) | 3% | 100株以上 | ※新規株主に対して案内書を送付し、カード発行 |
4% | 500株以上 | ||
5% | 1,000株以上 | ||
7% | 3,000株以上 | ||
自社ギフトカード | 2,000円相当 | 1,000株以上 | (2月のみ) |
4,000円相当 | 2,000株以上 | ||
6,000円相当 | 3,000株以上 | ||
10,000円相当 | 5,000株以上 |
普段、イオンやマックスバリューなどイオングループで買い物をする方は、持っておくと重宝する優待(オーナーズカード)と言えますね。
【2022年8月の権利確定日】
- 8月末日が権利確定日の権利付き最終日は8月26日(金)(この日までに株保有が必要)
権利落ち日は、8月29日(月)(この日以降に株を売っても優待がもらえる日) - ※20日が権利日の銘柄は権利付き最終日は8月16日(火)
イオンのビジネスモデル
イオンって小売業のキングなわけですが、一体どうやって稼いでいるんでしょうか。
営業収益(売上)
イオンの売上高の推移です。
2012年2月期に5兆円だった売上高は、わずか8年たらずで8兆5,100億円(2019年2月期)にも増えています。
凄い伸びですね。
それでは、イオンのセグメント別の売上を見てみます。
2019年2月期のものですが、
- GMS(総合スーパー) 35%
- SM(スーパーマーケット) 34%
と、小売で約7割の売上を叩き出していますね。
営業利益率推移&セグメント利益
営業利益率の推移を見てみましょう。
見事に安定していますが、利益率は高くありません。
イオンの営業利益率は2.5%(2019年2月期)ほどとなっていますが、セグメント別に見てみると、イオンに対する見方がガラリと変わりました。
- 総合金融 33%(構成比)
- ディベロッパー 26%(構成比)
利益の半分は、金融とディベロッパー(不動産事業)で稼いでいることが分かります。
セグメント利益率
では、セグメント別の利益率を見てみましょう。
売上の3分の2を占めるGMS(総合スーパー) 、SM(スーパーマーケット) の利益率はなんと1%を切っていました!
小売業ではほとんど稼いでいない!
イオンで買い物したら、ほとんど利益乗ってないわけですな。
利益額の多かった、
- 総合金融 利益率16.23%
- ディベロッパー 利益率15.43%
圧倒的に稼いでいることが分かりますね。
イオンは集客に特化
つまり、イオンのスーパーは豊富な品揃えと安価な商品で集客して、利益率の高い「金融」「やモール」事業に送客している役割を果たしていると言えますね。
イオンの金融
金融では、イオン銀行やイオンカードなど、イオンを利用している方であれば、持っているのではないでしょうか。
イオン銀行では住宅ローン(→イオン銀行)や投資信託なども手掛けており、フィービジネスとして収入を得ています。
また、イオンカードでは、リボ払いなどの手数料収入がありますね。
上場子会社ではイオンフィナンシャルサービス(8570)があります。
イオンモール
イオンモール(8905)も上場企業です。
イオンモールは、テナント出店料で利益を出すビジネスモデルです。
国内最大のモール事業を運営しているイオンモールは、中国など海外展開もしており、海外事業は年率10%と高い成長率で伸びています。
イオンのビジネスモデルはすごい
イオンは、利益率の低い「小売」で集客して、利益率の高い「金融」や「不動産」で稼いでいる
ということが言えますね。
小売は価格競争も激しく、ほとんど利益が出ていません。
デフレ日本のなかで、利益が出ない中で「金融」「不動産」に活路を見出したイオンの経営はすごいなと改めて思いました。
最後に、一部ですが、イオンとイオンが大株主の上場会社をまとめておきます。
リンク先は、各会社のIRページに飛びます。
銘柄 | 証券コード | 現在値 (¥) | 営業利益率(%) | 配当 (¥) | 配当(%) | 配当性向(%) |
イオン(株) | 8267 | 1,871 | 2.67% | 36 | 1.92% | 121.2% |
イオンモール(株) | 8905 | 1,695 | 19.02% | 40 | 2.36% | 27.0% |
イオンフィナンシャルサービス(株) | 8570 | 1,550 | 16.28% | 68 | 4.39% | 38.6% |
(株)イオンファンタジー | 4343 | 2,875 | 6.92% | 50 | 1.74% | 45.9% |
イオンディライト(株) | 9787 | 3,235 | 5.71% | 65 | 2.01% | 30.1% |
ウエルシアホールディングス(株) | 3141 | 5,390 | 3.88% | 46 | 0.85% | 24.0% |
やはり、不動産のイオンモールや金融のイオンフィナンシャルサービスがとびぬけた利益率を誇っていますね。
投資する際には、普段の生活で身近な企業に投資することで、配当や優待などで生活にメリットもあります。
イオンへの投資をするのもいいですが、配当性向は100%を超えておりますし、利益率も低いです。
それよりも、利益率の高いイオンモールやイオンフィナンシャルサービスのほうが投資妙味があるのかもしれませんね。
なみに、私は海外での高い成長率が期待できるイオンモールに投資をしています。
いずれも株主優待もあるので、イオンだけでなく、子会社も見てみると良さそうですね。
ライバル会社のセブン&アイHDも分析してみたので、あわせて読んでみてくださいね。
ではでは。
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