高配当株で人気の高かった日産自動車(7201)が大幅減配を発表しました。
日産自動車やSUBARUなど、自動車株は高配当株でも過去に大きな減配をしていることもあり、例え高配当であっても投資をしてきませんでした。
日産自動車株は減配により、配当利回りは、6.78%から4.76%(株価840円)に2%も下がりました。
株価の下落は止まらず、配当の不安定さもあり、改めて投資対象から外しておいてよかったと感じています。
日産自動車の2018年度決算
日産自動車が発表した2018年度決算の主要財務指標です。
売上高、営業利益、純利益、フリーキャッシュフロー(FCF)と軒並み悪化しました。
2018年度通期連結売上高は11兆5,742億円、連結営業利益は3,182億円となり、売上高営業利益率はわずか2.7%にまで下がっています。
一過性の費用計上が原因とも言及していますが、2018年度通期のグローバル販売台数は前年比4.4%減の551万6,000台となり、売れ行きが思わしくありません。
2019年度の業績見通し
新車販売台数は微増の554万台を見込んでいるようですが、厳しい数字となっています。
営業利益率はさらに悪化し、わずか2.0%にまで下がる予想です。
日産自動車のセレナをカーシェアリングで利用した際には、快適そのものでとても好感を持ちましたが、会社の業績は悪化の一途をたどっているように思えます。
日産自動車の株主還元
配当金推移 17円の減配へ
冒頭にも触れましたが、2019年度は17円の減配となります。
これまで9期連続で増配を続けていただけに、株主としては残念極まりない結果です。
上記、日産自動車の決算説明資料では右肩上がりの状況ですが、さらに過去の状況を見ておきましょう。
2008年3月期のリーマンショック前夜のときに40円から11円に大幅減配が実施され、
2009年3月期には無配に転落しています。
過去に大きな減配をしているとどうしても減配リスクが高くなるように思います。
完成車を作る自動車メーカーは景気の影響をもろに受けます。
配当金狙いだと長期で保有し、配当をもらいたいので減配があると読みづらいですね。
【追記】2020年3月期は配当金10円に(期末配当ゼロへ)
なんと期末配当ゼロを発表。配当利回りは1.76%まで下がりました。
日産自動車の増配率の推移
大幅減配の時を除けば、増配率は高かったのですが、このところは増配率が下がっていましたね。
結果論ではありますが、増配率の低下は黄信号なのかもしれません。
我が家が大量保有するJTさんもそうなんですけど・・・。
【追記】減配率は29.8%から82.5%に大幅に悪くなりました。
日産自動車の配当性向
配当性向の推移です。
業績悪化により、EPSが下がっていますので、配当性向も高くなっています。
ここまで上がってくると、配当余力が乏しく、減配やむなしという感じですね。
配当性向の急上昇は大幅増配をしているわけでもないので、業績の悪化を顕著に表していると言えますね。
日産自動車のEPS推移
1株純利益の推移です。
上昇傾向でしたが、急悪化していますね。
2009年3月期は赤字決算のため、グラフにありません。
やはり、配当金狙いでは安定した収益を出せるのが大切です。
この点、JTやNTTドコモなどは、減益はあっても急落はありません。
日産自動車の営業キャッシュフローマージン
現金を稼ぐ力を見る営業キャッシュフローマージンの推移です。
営業キャッシュフローマージンを見る際に、単純にマージン率が上がっているからいいと思っていました。
しかし、日産自動車のように売上高の減、営業キャッシュフローの増加の中身によっては、数字は良くても、中身は良くないというのが分かります。
営業キャッシュフローは増加していますが、売上債権の減少によるものであるため、過去の売上分の入金があったためですね。
参考:なぜ売上債権が増加するとキャッシュフロー計算書でマイナスされる?
キャッシュフローの推移
最後に、キャッシュフローの動きを見ておきます。
フリーキャッシュフロー(FCF)をあまり生み出せる体質ではないんですね。
日産自動車は高配当株から転落
大幅減配とはいえ、配当利回りは4.7%あり、高配当ではあります。
今回の大幅減配で1.7%まで下がりました。
しかし、過去に無配転落をしていることもあり、配当金投資の対象としては外しておきたい銘柄だと再確認できました。
日産自動車からの学びは、
- 過去の配当金推移をチェックしておく(大幅減配はないか)
- 業績のチェックは怠らず(EPS、営業利益、営業CFマージン、配当性向など)
- 営業キャッシュフローマージンが高くても、売上高の減少はないか、また、営業キャッシュフローの中身はどうか
配当金投資をしていくうえで、日産自動車株から学ぶことがあり、今後に活かしておきたい。
配当金投資による複利運用をしていくためには、過去に大幅な減配のない業績の良い銘柄を選ぶのが大切です。
リーマンショックのときにも、減配せずに、配当を維持または増配してきた大型株のおすすめをまとめていますので、参考にしてみてください。
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