日本たばこ産業(JT、2914)の配当利回りが6.0%を超えており、魅力的なものとなっています。
半面、株価はズルズルと下がっており、一向に上がる気配はありません。我が家も、2017年くらいから買い始めているので、絶賛含み損です。
とはいえ、目的は安定した配当金なので、減配さえなければ良いというスタンスです。
果たして減配はないのか、上場以来の配当金を推移を見てみました。
JTは上場以来30年減配なし!
JTが上場したのは、平成6年10月27日です。
そのときは、株価1,100円だったんですね(平成18年4月1日、平成24年7月1日の株式分割考慮後)。
上場以来、一度も減配しことがなく、
2019年で
30年減配なし!
ということです。
株主としては心強い数字です。
加えて、16期連続増配中です。
あのリーマンショックのときも減配せず、増配しています。
JTの配当金推移・配当性向推移
財政制度等審議会 たばこ事業等分科会(第29回)資料「たばこ産業を取り巻く状況」によると、昭和60年度からの配当金推移は次のとおり。
これによる40年減配していないわけですね。すごい。
配当金に関する注意事項
- H18.4.1に1株当たり5株の割合、H24.7.1に1株当たり200株の株式分割をしているため、分割後を換算して配当金を表示
- H22以前は日本基準、H23年度以降はIFRSベース
- 連結決算はH4年度から
- 中間配当はH7年度から開始
- H26年度より国内事業部門の決算期を4-3月期から1-12月期に変更。このため、H26年度の国内部門は4-12月の9か月決算。配当金は年3回となるが、他年度との比較のため2回分で記載
JTの純利益と配当金の推移
続いて、純利益と配当金の推移です。
純利益もどんどん増えて、それに合わせて、配当金も増えていますね。
過去に赤字決算があったのは意外です(平成16年度)。
2019年期の予想では、配当性向が70%を超えており、配当金余力は乏しくなっていますね。
こうしてみると、ここ数年の配当金の増やし方は、利益成長以上に増配を続けているようにも見えますね。
JTは海外たばこ会社を買収により成長
JTはご存知のとおり、国内の人口減少、喫煙人口の減少を補うために海外のたばこ会社を買いまくっています。
多角化もしていますが、医薬品(鳥井薬品)、食品(テーブルマーク)も全体から見ると影響は小さいです。
海外のたばこ会社の買収で大きいのは、1999年のRJRナビスコの米国外たばこ事業です。
1980年代には買収話を持ち掛けられていましたが、そのときは断り、以後ずっとウォッチし続けて狙っていた企業を射止めた形です。
次に、2007年の英国ギャラハーの買収です。
この買収によりシェアNo2以上の市場の数が10以上となり、世界第3位のたばこメーカーとしてのポジションを確固たるものにしています。
中国を除くたばこメーカーでは、フィリップモリス(PM)、ブリティッシュアメリカンタバコ(BTI)、JTという順位ですね。
まだ、再編はあるかもしれませんね。
JTの買収の履歴です。
買収年 | 買収会社 | 買収額 |
---|---|---|
1992 | マンチェスタータバコ(イギリス) | |
1999 | RJRナビスコ(アメリカ) | 9,240億円 米国外タバコ事業 |
2007 | ギャラハー(イギリス) | 1兆7,310億円 |
2011 | ハガー(スーダン) | 350億円 |
2013 | ナラハ(エジプト) | 非公表 |
2015 | フラクソ(ブラジル) | 非公表 |
2015 | アリヤン(イラン) | 非公表 買収当時イラン第5位のメーカー |
2016 | ラ・タバカレラ(ドミニカ共和国) | 約20億円で株式50% |
2016 | レイノルズ・アメリカン(アメリカ) | 約6,000億円 米国外のたばこ事業 |
2017 | マイティー(フィリピン) | 約1,100億円 |
2017 | カリヤディビア・マハディカなど2社(インドネシア) | 約1,100億円 |
2017 | ナショナル・タバコ・エンタープライズ(エチオピア) | 約490億円で、出資比率70% |
2018 | ドンスコイ・タバック(ロシア) | 約1,900億円 |
2018 | アキジグループ(バングラディッシュ) | 約1,645億円 バングラデシュのたばこ市場シェア2位 |
安定配当株として半期ごとに100株買い増し方針
JT株は株価の浮上の気配を感じることなく、沈みゆく船のごとく株価は下がっています。
一方、業績はというと株価ほどに悪いものではなく、安定したものです。
JT保有理由は、安定した配当金の享受の一点ですので、配当金に影響がない限りは、基本的に永久保有する方針です。
以前にもまとめているものですが、
【JTの魅力】
- 独占企業である
- 値上げできる商品&習慣性のある商品
- M&A巧者で海外たばこ事業の増加
- 営業利益率&営業キャッシュフローマージンが20%以上と安定
- 自己資本比率47%と財務良好
- 16期連続増配(リーマンショック時も増配継続)
- 上場以来一度も減配をしていない
- 国(財務大臣)が大株主であり、配当金・たばこ税収は貴重な財源(国・地方で年間2兆円の税収)
そして、今日まとめたように、
上場以来30年間一度も減配がなく、
上場前を含めると40年減配をしたことがない
のがJTです。
もちろん、過去に減配したことがないから、将来も減配しないとは限りませんが、
減配履歴のないことは、経営陣へのプレッシャーになることは間違いなくあり、そうそう簡単には減配という方法は取れないかと思っています。
また、減配するほどの業績の悪化も想定しづらいのがJTの業績構造ではないでしょうか。
JT株を保有している身として、ややポジティブに介している面は否めませんが、減配リスクが高ければ株数を増やすことには注力しません。
基本的には、
半期ごとに最低100株追加
を目途に、株数の増加に注力して、安定配当を投資資金に活用したいと思っています。
今回の権利落ち後のバーゲンセールは買えずじまいでしたが。
今のところ(といっても株歴は短いですが)、半期ごとに100株以上は追加しているので、順調に含み損は膨らんで・・・じゃなくてw、配当金は増えております。
これで株価も上がってくれるとありがたいけど、売却予定はないので、今のままの安値で放置されて、株数を増やしやすいほうがいいかなという複雑な心境です。
以上、JTの上場以来の配当金推移でした。
JTの買収に対する考え方は、ギャラハー買収の際に現場を仕切っていた方の本にまとめられていますので、JT保有している方はガチで読んでおくことをお薦めします。
将来のお金の不安を小さくしていくためには、資産運用は欠かせません。
資産運用の代表的なツールが「株式投資」。
株式投資では、ある程度の資金が必要ですが、何事も「小さく始めること」が大事です。
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