購読している日経ヴェリタスで日本たばこ産業(JT)とフィリップモリス・インターナショナル(PMI)の特集が組まれていました。
たばこ株は高配当株としても人気です。
我が家も、JTを4000株以上保有しており、安定配当株として家計に寄与してくれています。
PMIについては、かつて保有はしていましたが、いまはPMIは保有していないため、興味津々で読んでいました。
紙巻きたばこ市場は右肩下がりであり、加熱式たばこは今後の成長が見込まれます。
一方、電子たばこは新たなプレーヤーが出てくるのだと、競争環境は激化していますね。
国内の加熱式たばこは、iQOS(アイコス)が好調なPMIがトップシェアを誇っています。
株主がJTやPMIに求めるのは、安定した配当金を株主に届けてくれること。
どちらのほうが安定して配当を出し、増配を続けてくれるのか、改めて見てみました。
次世代たばこはアイコスのフィリップモリス・インターナショナル
JTは2019年12月期も減益予想で4期連続の減益。
日経ヴェリタスの記事によると、意外にもJTの社内は重たいムードが漂うというよりは、活気づいているそうです。
加熱式たばこは、200~350度程度の温度でたばこの葉を加熱する高温タイプと、30~40度程度で熱する低温タイプに分かれます。
アイコスやブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)のグローの高温タイプは、紙巻きたばこのような吸い応えがあるそうです。
一方、JTのプルームテック(低温タイプ)は、煙やにおいが少ないメリットはあるものの、吸い応えがないようで、私の周りではプルームテックは吸った気にならないという発言がありました。
我が家は、非喫煙家であるため、両社の違いを知ることはありませんが・・・。
そのJTも、プルーム・エス(高温タイプ)を2019年1月から発売しており、これでやっと戦えると社内は活気づいているそうです。
加熱式たばこの市場
JT推計によると、出荷ベースでたばこ全体における加熱式たばこの市場占有率は、2020年末で30%にまで上昇する見込み。
2018年の加熱式たばこの日本市場のシェアは、PMIのアイコスが7割以上を占めており、圧倒的シェアを誇っています。
JTとPMIの業績比較
JTとPMIの業績を簡単に比較してみましょう。
キャッシュフローの比較
JTは1999年の米RJRナビスコ、2007年英ギャラハーと大型買収を成功させ、新興国市場でも買収により海外売上高を増やしています。
キャッシュフローの動きで見てみると、そうした買収費用もあり、フリーキャッシュフロー(FCF)が乏しくなっていますね。
2019年は前年比2.5倍のFCFを予定しているので、キャッシュが貯まりそう。
JTの寺畠社長は「将来の投資に備えてキャッシュをためる」と語っており、純利益が減っているなかで増配を続けてきているのにも限界が来ています。
一方、PMIのキャッシュフローの流れは、かなり理想的ですね。
新型アイコスを除けば、従来ブランドは事業を維持するための投資がほぼ不要なため、潤沢な高次元のフリーキャッシュフロー(FCF)があります。
実は、フィリップモリス・インターナショナルは債務超過(負債が資産を上回る状態)ですが、こうした潤沢なキャッシュフローを背景に、S&Pグローバル・レーディングによるPMIの格付けはシングルAを維持しています。
配当金の推移
JTの利回りは6%近くあるので、超魅力的です(利回りは2019年5月23日現在)。
増配余力は乏しくなっていますが、毎年増配を続けてくれております。
配当性向も高まっており、2018年までは為替影響を加味しない独自の配当政策を掲げていましたが、新興国通貨の下落を受けて方針を余儀なくされています。
フィリップモリス・インターナショナルも毎年のように増配してくれる増配銘柄です。
2018は(予)となっていますが、確定値です。
配当性向は88.4%とJTよりも高い状況ですが、安定したキャッシュフローがあるので、配当kんを今後も届けてくれることが予想されます。
増配の姿勢
過去の増配履歴を見ると、この会社が株主還元に力を入れているのかを見るヒントになります。
JTの増配余力は年々そがれていますが、増配を続けています。
PMIも増配余力はそれほど高くはないのですが、アイコスの好調、世界有数の「マルボロ」ブランドを保有していますので、安定して増配してくれます。
営業キャッシュフローマージンの比較
配当金の原資となるキャッシュフローの動きは特に重視する必要があります。
得られた営業キャッシュフローを設備投資などに充て(投資キャッシュフロー)、残ったお金から配当金を出すためです。
PMIは、財務は債務超過ですが、安定したキャッシュフローがあるため、格付けも高くなっているのはさきほど述べたとおり。
営業キャッシュフローを売上高で除した、営業キャッシュフローマージンは、「現金を稼ぐ力」を見る指標として重要視しちえます。
その営業キャッシュフローマージンを見ると、PMIのすごさが分かりますね。
もう、圧倒的です。
営業利益率の比較
最後に、営業利益率の比較もしておきましょう。
営業利益率もPMIが圧倒的に上回っていますね。
たばこ会社は儲かるんですね。設備投資ほとんどいらないですものね。
配当金狙いならPMIも魅力
- 営業利益率
- 営業キャッシュフローマージン
- フリーキャッシュフロー(FCF)
- 過去の増配
こうしたことを比較すると、JTよりも
PMIのほうが増配余力に強みがある
と言えますね。
PMIは、ドル建て配当金で、かつ、米国のように現地課税がないため、税制面でもメリットありますね。
BATはポンド建ての配当金なので、為替リスクがあります。
PMIは次世代たばこを中心に。JTは新興国拡大。
PMIは、将来的には紙巻きたばこをゼロにする作戦です。
アイコスを世界中に広める作戦です。
JTは、国内の紙巻きたばこ市場が年10%ずつ縮小しており、新興国を中心に紙巻きたばこの拡大を狙っています。
しかし、新興国の通貨安という為替の影響が大きく、配当金の原資が損なわれているのが現状。
安定配当株として、どちらも魅力的な存在です。
我が家は、JT、BTI、MOと保有していますが、世界的な動きも知っておくためにもPMIへの再投資も検討しています。
やはり、株を保有することで、そこに注意がいくことや、PMIの財務指標はほれぼれしますね。
株価チャートの比較
株価のチャートを比較しておきましょう。
青がJT、赤がPMです。
1年チャートで見ると、年明け以降はPMIの株価が堅調です。
5年チャートで見ると、JTの下落がひどいものですね。
10年チャートで見ると、両社はほとんど変わりません。
そうなると、配当金を含めたトータルリターンが大事ですね。
たばこ会社の投資リスク
紙巻たばこ市場は、上位5社で世界の8割を独占しています。
一方、加熱式たばこと電子たばこをくくった次世代たばこでは上位5社で5割弱のシェアにとどまり、新興勢力に存在感が出ています。
世界4位のJTでさえ、次世代たばこのシェアはわずか2.7%であり、米ジュールの2.5%と肉薄しています。
JTにとっても、PMIにとっても、紙巻たばこで高いキャッシュフローを獲得しつつ、次世代たばこでいかにシェアを握り取るかが今後の成長のカギとなりそうです。
今のところは、PMIが一歩リードといったところです。
安定株であり、高配当であるため、投資したくなりますね。
我が家はたばこ会社への投資比率が高いので、少し自粛しつつ、PMIへの再参戦をもくろんでおります。
将来のお金の不安を小さくしていくためには、資産運用は欠かせません。
資産運用の代表的なツールが「株式投資」。
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