高配当株の代表格に総合商社があります。
「三菱商事・伊藤忠商事・三井物産・住友商事・丸紅」ですね。
景気敏感株である点や、多角化された事業がわかりづらく、万年割安株です。
私は、総合商社は私たちの生活を支えている存在であり、日本企業のなかでもトップ級の優秀な人材が集まった先鋭集団への投資ができるという点で魅力を感じています。
そのなかでも、私は非資源分野の割合が高く、安定感のある伊藤忠商事を好んで投資をしています。
トップ集団が稼いだ利益の一部を享受できる高配当株として、魅力とも言えますね。
高配当株投資では、外せない総合商社の配当や業績について比較してみました。
断りない場合は、時価総額や配当利回りは2019年10月18日時点のものです。
5大総合商社を徹底比較
三菱商事・伊藤忠商事・三井物産・住友商事・丸紅の5大総合商社への投資は魅力度が高いと思っていますが、比較してみましょう。
時価総額の比較
ダントツで大きいのは、三菱商事です。
日本最強にして、最大の商社というわけです。
イメージ的には三井物産が次いでかと思いきや、伊藤忠商事が商社2位ですね。
いずれも時価総額1兆円を超えている大企業です。
配当利回り
気になる配当利回りの比較です。
住友商事は特配込みとは言え、5%を超えており、最も高配当となっています。
伊藤忠商事を除いて、いずれも5%前後の高配当株であり、ほぼ倒産リスクがありませんので投資先として魅力を感じます。
このなかでは、三菱商事が累進配当政策(配当維持または増配をする方針で減配しない還元策)をとっています。
伊藤忠商事も20年3月期は累進配当政策をとっていますね。
売上高の比較
肝心の業績も見ておきましょう。
やはり、三菱商事がダントツトップの売上を誇ります。
時価総額では最も小さい丸紅が3番目の売上だったんですね。
これは意外。
三菱商事と並んで、総合商社の双璧である三井物産は、やや落ち目という印象ですね。
経常利益の比較
経常利益でも、三菱商事がトップで、次点では伊藤忠商事となっています。
売上と違い、3番目には三井物産が出てきますので、丸紅の利益率の低さが伺えますね。
三菱商事はやはりすごいですね。
セグメント別に見た各社の比較
それでは、セグメント別に総合商社を見ていきます。
組織の三菱商事
「組織の三菱」と言われるほど、圧倒的な安定感と総合商社No.1の売上と利益を誇る三菱商事。
非常にバランスの良いポートフォリオを構築していますね。
2015年度に上場以来初の赤字決算を出し、その要因が資源価格の暴落によるものだったため、非資源分野への注力しています。
ローソンなどを傘下に持っていますね。
株価のチャートを見ておきます。
10年チャートの推移ですね。
このところは3000円割れで推移しており、非常に魅力的な株価となっているように思います。
非資源分野でNo.1の伊藤忠商事
三菱や三井のように財閥系とは一線を画す伊藤忠商事。
山崎豊子の「不毛地帯」のモデルにもなった会社です。
非資源分野に強みがあり、抜群の安定感を誇ります。
ヤナセやファミリーマートを子会社し、「ドール」「エビアン」なども取り扱っていますね。
繊維や食品に強みを持つ伊藤忠商事は、市場からも評価が高く株価も上昇していますね。
資源分野に強い三井物産
伊藤忠商事とは対照的に、資源分野に強みを持つのが三井物産です。
資源分野は、資源価格の影響に左右されますので、2016年度に上場以来初の赤字決算を出しています。
三井物産が力を入れているのは、医療事業、病院経営ですね。
海外でも展開を始めており、パナソニック子会社の株式を取得するなど、力を入れはじめています。
株価の10年チャートです。
住友商事は不動産とメディアに強み
株主還元に積極的な印象を受ける住友商事。
住友商事はバランスの良い事業ポートフォリオを構築していますが、不動産やケーブルテレビ事業などを持っており強みでもあります。
10年チャートの推移です。このところ株価も上がってきていますね。
食品(穀物)と電力の丸紅
非財閥系の総合商社・丸紅が最後に登場です。
「食品(穀物事業」と「電力事業」が強みで、このほか航空機リースなども収益力の高い事業を持っています。
世界各地で発電所を70か所ほど運営しており、電力事業に強み。
通信分野では、全国に光ファイバー網を持つアルテリアネットワークスの親会社でもありますね。
10年チャートの推移です。
総合商社の比較(まとめ)
5大総合商社の比較をしてみました。
特徴的なのは、
総合商社の特徴比較
- 【三菱商事】「組織の三菱」バランスの良い事業ポートフォリオ、総合商社最強
- 【伊藤忠商事】非財閥系、非資源分野でトップ、総合商社のなかで安定感は抜群
- 【三井物産】「人の三井」と言われ自由闊達な社風、資源分野に強み
- 【住友商事】不動産、メディア事業に強み、高配当還元
- 【丸紅】非財閥系、電力や穀物に強み、リースにも強い
指標面を見ておきます。
コード | 会社名 | 株価 | PER | PBR | 配当利回り(%) | ROE(%) | 3Q決算 |
8058 | 三菱商事 | 2,872 | 8.8 | 0.8 | 4.6 | 9.13 | 4-12月期(3Q累計)税引き前は14%減益 |
8001 | 伊藤忠商事 | 2,605 | 8.3 | 1.41 | 3.26 | 17.02 | 4-12月期(3Q累計)税引き前は7%増益 |
8031 | 三井物産 | 1,946 | 7.5 | 0.8 | 4.11 | 10.56 | 4-12月期(3Q累計)税引き前は4.2%減益 |
8053 | 住友商事 | 1,667 | 6.9 | 0.75 | 4.8 | 10.82 | |
8002 | 丸紅 | 798 | 5.8 | 0.7 | 4.39 | 12.14 | 今期最終を一転13%減益に下方修正 |
8015 | 豊田通商 | 3,725 | 8.8 | 1.1 | 3.22 | 12.54 | 4-12月期(3Q累計)税引き前が2%増益 |
2768 | 双日 | 348 | 6 | 0.7 | 4.89 | 11.64 | 今期最終を一転6%減益に下方修正 |
どれも割安ですね。
万年割安株とも揶揄されますが、それを物語っていますね。
最後に、10年チャートの推移です。
株価で見ると、
伊藤忠商事(8001)がダントツでトップ
ですね。
ほかの4社はほとんど変わらずです。
総合商社のなかで投資するなら伊藤忠商事が最も優先順位は高いですが、いずれも欲しいので1株から購入できて積立投資もできるLINE証券を活用しています。
日本最強集団でもある5大総合商社への投資は、魅力的にうつります。
ではでは。
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