建機世界2位の小松製作所(コマツ、6301)。
世界1位は米国キャタピラーですが、キャタピラーの時価総額は約8兆円あり、コマツは約2.5兆円と3倍の差があります。
コマツは建設機械の遠隔監視システム「コムトラックス」を業界に先駆けて導入したり、世界で初めて無人運転のダンプトラックを商用化するなどIoTに強みがあります。
そのコマツは、配当にはそれほど力を入れているイメージをもっていなかったのですが、いつのまにか高配当株になっています。
この記事では、コマツの配当金推移、配当性向、業績推移をまとめています。
コマツは配当性向を40~60%に引き上げ
私がかつてコマツ株を保有していたのは2010~2012年くらいだったのですが、そのときは配当利回りは2%前後と低かったことを記憶しています。
久しぶりに同社のHPを訪れてみると、
連結配当性向が40%~60%と株主還元の強化をしていることに気付きました。
配当金に対するコマツの姿勢ですが、
当社は、企業価値の増大を目指し、健全な財務体質と柔軟で敏捷な企業体質作りに努めています。
配当金につきましては、連結業績を反映した利益還元を実施し、引き続き安定的な配当の継続に努めていく方針であり、連結配当性向を40%以上とし、連結配当性向が60%を超えないかぎり、 減配はしない方針です。
下線は筆者、引用:コマツHP
配当性向が60%を超えない限り、減配しないという魅力的な表現で締めくくられています。
2019年度からは、配当性向40%以上に変更になっています。
当社は、持続的な企業価値の増大を目指し、健全な財務体質の構築と競争力強化に努めています。配当金につきましては、連結業績に加え、将来の投資計画やキャッシュ・フローなどを総合的に勘案し、引き続き安定的な配当の継続に努めていく方針です。具体的には、連結配当性向を40%以上とする方針です。
コマツの配当金推移、配当性向
それでは、コマツの配当金と配当性向の推移を見てみましょう。
順調に配当金を増やしており、配当性向も30%~40%台と増配余力を残しています。
19年度は、配当維持の当初予想から14.5%の減配となりました。
配当性向が60%を超えていたため、減配になりましたね。
20年度は、61.7%の大減配となりました。
コマツの配当利回り推移
コマツの配当金を据え置き、または、増配をしていますので、配当利回りは上昇しています。
株価が2018年初以降、暴落していることもあわさって、利回りアップにつながっていますね。
コマツの売上
コマツの建設機械・車両の売上が90%
コマツは、建機の売上がほとんど示していますね。
建機も売るだけではなく、部品交換などメンテナンス事業も高収益ですが、建機一本という構成です。
中国関連銘柄とみなされるコマツですが、中国での売り上げはわずか7%程度です。
市場規模として中国は大きいですが、今では現地メーカーの三一重工に中国のトップシェアを明け渡し、ライバルであるキャタピラーにもそのシェアでは落ちている状態です。
最大市場は、キャタピラーのおひざ元である北米市場。
売上高の推移
売上高の推移を見てみると、2010年3月期にリーマンショックの影響でガタンと落ちていますが、その後は横ばい、やや上昇で推移しています。
コロナ前から減益基調でしたが、コロナでさらに減益となったという感じです。
コマツの営業利益推移
コマツの営業利益と営業利益率を見てみると、10%から15%のボックス圏内で推移しています。
ライバルであるキャタピラーを同じくらいの高い収益率を誇ります。
配当金を据え置いていた2014~2016年の3年間は、売上・営業利益ともに下がっていますので、コマツの配当金を予想するのに使えます。
売上が急減したときには、減配を予測しなければならないでしょう。
コマツの営業キャッシュフローマージン
現金を稼ぐ力を見る、営業キャッシュフローと売上高で見た『営業キャッシュフロー・マージン』を見るようにしています。
15%以上あれば、高い現金創出力があると考えていますが、2018年3月期の急減が気になります。
コロナの影響により、手元資金を厚めに用意したようです。
コマツの株主資本推移
コマツは2000年の赤字に陥落したことを契機に徹底したコスト管理を実施し、収益を出す体制ができています。
リーマンショックのときにも、減益にはなったものの、黒字であったように、安定した収益力を誇っています。
このため、株主資本も順調に増えていますね。
19年度はやや利益剰余金が減っています。
コマツのチャート
コマツの週足チャートです。
2018年初めまでは、右肩上がりで株価も上がっていましたが、そのあとは坂を転げ落ちるように下げている状態です。
6301 小松製作所の株式指標 | |
株価 | 2,260円(R2.7.30) 最新の株価 |
PER(予) | 31.83 |
PBR(実) | 1.21 |
ミックス係数 | 38.36 |
配当利回り(予) | 1.6% |
配当性向(予) | 50.7% |
増配率(3期平均) | -15.1% |
営業利益率(予) | 5.6% |
PSR (時価総額÷売上高) | 1.06 |
PEGレシオ (PER÷EPS成長率) | -1.45 |
ROE(実) | 3.8% |
ROA(実) | 1.8% |
営業CFマージン(実) | 12.1% |
コマツは高配当株を維持できるか
コマツが7年間減配せずに、配当金を再投資し続ければ、株数は1.24倍に増えます。
購入価格より約20%下落しても、トータルでは負けない投資となりますね。
増配もあれば、さらに負けない投資になるといえます。
コマツの気になるところは、営業利益がでこぼこしていることと、減配リスクは小さい株主還元方針に変わっているとはいえ、少し心配な面もありますね。→減配になりましたね。
今の配当利回りは魅力的です。→魅力はなくなりました。
また、3月末の株主(3年継続)であれば、コマツの優待がもらえるのも気になっています。
コマツは良い企業なので、ウォッチ継続です。
以上、コマツの配当金、業績推移でした。
将来のお金の不安を小さくしていくためには、資産運用は欠かせません。
資産運用の代表的なツールが「株式投資」。
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