万年割安株の一例として商社株がありますが、いずれも優良銘柄かつ高配当株なので、大手5社はすべて保有したいという思いです。
その一角である住友商事は、非資源分野の利益ウェートが高いのが特徴ですね。
安定した高配当株を保有することで、配当金収入を増やすことを目的にしています。
そのため、住友商事のような高配当・増配銘柄はポートフォリオに組み入れたい。
住友商事の配当金、配当性向、増配率、配当利回りの推移について見ておきます。
配当利回り5%超え!住友商事は配当金が魅力
住友商事は、大手商社5社のなかでは、唯一配当利回りが5%を超えていましたが、配当の下方修正で5%を下回りました。
どの商社も4%を超えており、高配当として魅力なのですが、住友商事は頭一つ抜けていますね。
コード | 会社名 | 株価(円) | 配当利回り(%) |
8058 | 三菱商事 | 2,952.50 | 4.23 |
8001 | 伊藤忠商事 | 2,109.00 | 4.03 |
8031 | 三井物産 | 1,815.50 | 4.41 |
8053 | 住友商事 | 1,655.50 | 4.81 |
8002 | 丸紅 | 730 | 4.79 |
住友商事の配当方針
住友商事は、継続的な増配を方針として謳ってくれていますので、増配姿勢を持った会社です。
【配当金の基本方針】
- 長期にわたり安定した配当を行うことを基本方針としつつ、中長期的な利益成長による1株当たりの配当額増加を目指す
中期経営計画2020年では、連結配当性向30%程度を目安としています。
2019年度は住友商事の創立100周年であるため、記念配当10円が予定されています。
記念配当を除けば、配当利回りは4.8%と丸紅と同じくらいになりますね。
配当金推移・配当性向推移
住友商事の配当金推移です。
2015年度は軒並み商社が赤字決算をした年度ですが、その際に配当金を維持しています。
リーマンショック後では、2013年度に減配をしていますね。大きな減配ではありませんが。
配当性向の目標は、30%程度となっています。
20%~30%程度で推移していますね。
増配余力は十二分に有しています。
増配率
2019年度(2020年3月期)で3期連続の増配を予定しています。
7期連続で減配がありません。
ここ3期は増配ピッチがすごいですね。
20%も増配を続けてくれれば、株主としては嬉しい内容です。
配当利回り推移
住友商事の配当利回りの推移です。
3%台の高配当株でしたが、増配ピッチがすごいので、配当利回りは5%を超えています。
記念配を落としても、4.8%と十分高い利回りを実現できますね。
配当利回りが5%を超えてくると、魅力を感じます。
住友商事の業績面
住友商事の業績は、デジタル・メディア部門が底が高く、建機・輸送機分野ではタイヤやリース事業の再編効果が出てきています。
EPS推移
1株当たりの純利益(EPS)の推移を見てみると、この3期は好調に推移しています。
EPSが伸びれば、配当金も増加していくので、EPSの推移は見ておくのが良いですね。
業績推移
2018年度の個人投資家説明会資料で、1999年からの連結純利益の推移が示されています。
2014年度に赤字決算を出していますが、それ以外は黒字経営となっていますね。
商社はもっと不安定なイメージがありましたが、業績は基本的に上昇傾向です。
事業ポートフォリオ
住友商事は6つのポートフォリオから構成されており、非資源による利益が80%以上となっています。
資源価格に左右されない事業ポートフォリオを構築されていますね。
2018年度通期決算では、次のようになっています。
各分野がバランスよく収益を上げているのが分かります。
例えば、メディア・デジタル事業部門では、住友商事の出資先であるティーガイア(東証一部上場)は、子会社にクオカードを保有しています。
QUOカードPayのサービスが2019年3月より開始しています。
クオカードは、優待を実施している上場企業のうち、
株主優待導入企業 約1,400社のうち
約3割の380社がクオカードを導入
が導入しています。
QUOカードは汎用性も高いので、QRカード決済に導入も果たしていますね。
営業キャッシュフローマージン
現金を稼ぐ力を見る営業キャッシュフローマージンの推移です。
続いて、キャッシュフローの推移。
営業キャッシュフローは、毎年プラスで推移していますし、フリーキャッシュフローも順調に生み出せていますね。
配当金という分かりやすい形で株主還元してくれるのは魅力で、それを裏付けるキャッシュフローが良いのもいいですね。
住友商事は安定高配当株
住友商事は、PER6倍程度とかなり割安です。
記念配込みとはいえ、配当利回り5%を超えているのは、魅力的ですね。
商社株の比較です。
コード | 会社名 | 株価 | PER | PBR | 配当利回り(%) | ROE(%) | 時価総額(10億円) | 自己資本(%) |
8058 | 三菱商事 | 2,952.50 | 7.8 | 0.82 | 4.23 | 10.53 | 4,695 | 34.45 |
8001 | 伊藤忠商事 | 2,109.00 | 6.7 | 1.14 | 4.03 | 17.02 | 3,343 | 29.08 |
8031 | 三井物産 | 1,815.50 | 7 | 0.74 | 4.41 | 10.56 | 3,163 | 35.69 |
8053 | 住友商事 | 1,655.50 | 6.1 | 0.75 | 5.44 | 12.27 | 2,071 | 35.01 |
8002 | 丸紅 | 730 | 5.3 | 0.64 | 4.79 | 12.14 | 1,269 | 29.05 |
投資金額が10万円台とハードルが低い点も魅力。丸紅は10万円未満とさらに魅力ですが。
いくらなんでも売られ過ぎのように思いますが、株価はあまり上がっていませんね。
1500円付近が買い値でしょうか。
【住友商事の株主還元まとめ】
- 継続的な増配方針
- 2019年度は創立100周年の記念配当あり
- 配当性向30%程度が目安
- 3期連続増配中(2019年度予定含む)
- 配当利回り5%超えは、大手商社で唯一
- ROE 12%
- PER 6.1倍
- PBR 0.75倍
- ミックス係数(PER×PBR) 4.57
非常に割安ですし、ポートフォリオに組み入れたい銘柄です。
商社株は、景気後退期には減配リスクもありますが、基本的には利益成長があり、増配していく銘柄だと思っています。
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