将来のキャッシュフロー(現金収入)を作っていくためには、配当金収入や家賃収入など現金収入を生む資産への投資が有効ですね。
ある程度の投資元本は必要ですが、参入しやすく、また、再現性の高い投資手法が「配当金収入」です。
我が家も遅ればせながら、その有効性が重要だと感じ、株式投資は基本的に「高配当株・連続増配株」への投資を実践しています。
2019年には、税引き後年間750,000円の配当金収入を予定しており、5年後には配当金だけで住宅ローンの返済が可能な水準となります。
コツコツ続けることがとても重要ですね。
ところで、税引き後の配当金収入のみで、投資元本を回収するのはどのくらいかかるのでしょうか。
日本たばこ産業(JT)、NTTドコモ、アルトリアグループ(MO)、ジョンソンエンドジョンソン(JNJ)の4つのサンプルで試算してみました。
配当金で投資元本を回収するのは15年~25年
まずは、結論から見ておきましょう。
現在の増配率が維持されるという前提ですが、次のようになりました。
回収期間 | 配当利回り | 増配率 | |
日本たばこ産業(JT) | 16年 | 4.84% | 7.0% |
NTTドコモ | 16年 | 3.93% | 10.0% |
アルトリアグループ(MO) | 16年 | 4.83% | 8.0% |
ジョンソンエンドジョンソン(JNJ) | 25年 | 2.74% | 6.0% |
増配力より、いまの利回りが高いほうが回収期間は短いです。
高配当利回り=株価が割安というわけですが、将来の株価上昇が期待されていないとも取れます。
今回は、配当金によって投資元本を回収できるのに何年かかるかという点で見ています。投資する際には、配当利回りのほか、PERなど割安な指標も確認しておく必要がありますね。
なお、試算にあたり売買手数料は加味していません。
それでは、個別に見ていきましょう。
日本たばこ産業(JT)
トップバッターは、日本たばこ産業(JT)です。
今年の2月あたりから急落して、配当利回りが5%前後と高くなっています。
たばこ産業は、プレイヤーが限られており、新規参入者がいないので、安定して稼げる事業モデルです。
とはいえ、国内の喫煙者は減少していますので、国内の業績は悪化しています。海外での業績は好調ですが、まだ成長余地はあると考えられます。
我が家もたばこ銘柄への投資がかなりのシェアを占めています。
JT株に100株310,000円を投資した際のグラフです。
12月決算のJTから配当金をもらおうとすると、配当金支払いは3ヶ月ずれますので、厳密には違いますが、そこはご容赦ください。
2018年は、100株15,000円の税引き前配当金を予定しています。
税引後は、20.315%の税金がかかるので、受取配当金は11,953円。
投資金額310,000円に対する割合は、3.9%です。
将来の増配率は分かりませんが、現在の増配率7%が維持されると仮定した場合、16年後には累積受取配当金が325,752円となり、投資金額310,000円をこえることになります。
株価の下落という資産毀損を考えなければ、保有期間16年以降は常にプラスと考えられますね。
16年も保有するというのができるかどうかですね。同社の増配年数は15年なので、倍の増配を繰り返す必要があります。
増配できる企業は、業績が上昇し、株価も上昇していくものなので、増配を繰り返すことを期待したいものです。
NTTドコモ
国内最大の通信株です。
通信株も基本的に新規参入者がないか、乏しく、安定したキャッシュを稼いでくれる事業モデルです。
初期投資28万円で100株を購入した場合、かつ、増配率10%での試算です。
ドコモは過去減配が1度もない優良企業ですが、増配年数は5年と短くなっています。
ドコモもJTと同じように、16年目に投資回収率が100%を超え、受取配当金のみで投資元本を回収することができます。
28万円の投資で配当金は1株110円、配当利回りは3.93%にもなります。
配当利回りが高く、かつ、増配を繰り返してくれることで、投資回収率が早まりますね。
NTTドコモは今後も安定して配当金を出してくれると思っています。
ライバル会社のKDDIはすでに17年連続の増配株です。配当余力を示す配当性向はKDDIのほうがありますが、配当利回りはドコモに軍配です。
我が家はどちらも保有しています。
アルトリアグループ(MO)
3つめは、アメリカ株に目を向けて見ましょう。
連続増配株は、アメリカ株のほうが超豊富です。
また、株主還元の考えが、日本企業のように「余裕があったら還元するね」という方針ではなく、重要な経営課題として位置づけられています。
連続増配株は、簡単には減配しないので、それだけ安心して保有できます。
49年連続で増配しているアルトリアグループです。フィリップモリスから分社し、事業は米国内のみで行っています。
米国株の指標を見るには、Nasdaqが便利です。
配当利回り4.83%、増配率8%でシミュレーションした場合は、JT株やドコモと同様に16年で回収できます。
過去10年の増配率は11.3%、過去1年の増配率は8.0%となっています。
なお、外国税額控除は加味せず、税率28.283%で試算していますので、日本株よりやや不利な税率です。現地課税10%されたあとに、日本の譲渡所得税がかかるためです。
その不利な税率であっても、高配当株、増配を繰り返す企業であれば、16年で回収できます。
ジョンソンエンドジョンソン(JNJ)
ジョンソンエンドジョンションは、配当王の中の配当王です。
なんと56年連続で増配をしています。我が家もポートフォリオに組み込んでいます。
増配率6%、直近の配当利回り2.74%で試算した場合です。
過去10年の増配率は7.4%、過去1年の増配率は5.4%です。
グラフは、上記3銘柄と同じ16年で区切っています。
配当利回りが3%弱と決して悪くはない数字ですが、16年時点では配当回収率が50%となっています。
投資金額を回収するまでには、25年を要します。
50年以上も増配している企業なので、増配が途切れる心配はほぼないでしょうが、株価も高く配当利回りが上記3銘柄よりも低いため、投資元本の回収に時間を要していますね。
高配当株・連続増配株に投資を続けよう
連続増配株は、私たちのポケットに定期的にお金を振り込んでくれ、かつ、毎年、その振り込んでくれるお金を増やしてくれます。
増配年数が多いほど、減配可能性が低く、増配も期待できます。
投資元本の回収という側面から見た場合は、できるだけ株価が落ち込んでいるとき、つまりは配当利回りが上がっているときに投資することが大事ですね。
連続増配株だからいつ参入してもいいわけでは当然なく、やはり、株価が落ち込んだときを狙っていくことで、投資回収率をあげることになります。
我が家はまだ元本が小さいので、ポートフォリオのバランスは極めて悪く、たばこ株と通信株がかなりのウェートを占めています。
100%たばこ株だけで運用されている方もなかにはいますw
たばこ株や通信株のように参入障壁が高く、安定してキャッシュを稼げる事業を運営する企業への投資は今後も続けたいですね。
伝統的な事業を持つ企業への投資は、ポートフォリオに組み込んでおきたい。
以上、配当金で投資元本を回収するのにどのくらいかかるか?でした。
20年以上連続増配している銘柄が100株以上と多い米国株への投資は、SBI証券 と住信SBIネット銀行の組み合わせで為替手数料を抑えることができます。
両方の口座を開いておきましょう。
ではでは。
コメント